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英のEU離脱と中国軍の挑発

 前記事と同じテーマを取上げた黄 文雄氏の論説を御紹介致します。情報の密度はこちらの方が濃いものの、「RPE」がしっかりした歴史観と戦略眼を持っていることが、数多の論客の中で「群鶏の一鶴」たらしめていることを御理解頂けると思います。
         

MAG2 NEWS
英国のEU離脱で、何故中国軍が日本に「攻撃動作」を仕掛けるのか?
        2016.06.3             黄 文雄         
http://www.mag2.com/p/news/209660~/5)

 世界中に衝撃を与えた英国民の「EU離脱」という選択。この責任を取りキャメロン首相が辞意を表明しましたが、これら一連の流れが中国にとってかなりの痛手になると、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で評論家の黄文雄さんは分析します。更に、この離脱劇を境に中国の軍事行動が頻発する、とも。一体なぜ? そこには世界の経済状況にいとも容易く振回される「中国の体質」に問題があるようです。

【中国】英EU離脱で中国の軍事行動が頻発する

中国、キャメロン首相辞任は痛手か 元安阻止で介入観測 市場混乱を警戒

 6月23日、イギリスのEU離脱を問う国民投票に於いて、賛成票が多数となりました。投票日の世論調査では残留がほぼ確実視されていただけに、離脱が決定されたことによるショックが世界を駆巡りました。

 キャメロン首相は当日に首相辞任を表明しましたが、これは中国にとっても大きな痛手となるでしょう。キャメロン首相は昨年の10月に習近平が訪英した際、「英中関係は黄金時代を迎えた」と自画自賛していました。

 勿論キャメロン首相も、欲しかったのは中国のカネであり、別に中国と本当に親密になりたかった訳ではないでしょうが、しかしこのキャメロン政権の親中姿勢に対しては、イギリス国内でも色々と批判もありました。

 チベットに於ける人権問題で批判的なチャールズ皇太子は習近平への晩餐会を欠席しましたし、今年の5月にはエリザベス女王が「習近平の訪英団一行はとても失礼だった」と発言したことが、世界的なニュースとなりました。

 これ迄旧英国領だった香港にしても、中国政府によるデモへの弾圧や、習近平批判本を販売していた書店関係者が中国当局によって拉致・拘束されるといった人権弾圧が繰返されています。

 一応、イギリス外務省も、香港返還の際に「一国2制度を50年間は堅持する」と決めた英中共同声明に違反するということで抗議はしていますが、キャメロン政権の親中姿勢が、こうした中国の香港への強権姿勢を助長してしまった面も否定出来ないでしょう。

英国外務省が「共同声明違反」と指摘 「本人の意思に反して中国本土に移送された」

 それ故、先の国民投票では、EU離脱派のみならず、中国に急接近するキャメロン政権への批判票も多数あったと目されています。先のエリザベス女王の発言も、政権批判の材料として使われていました。

 何れにせよ次期首相が焦点となりますが、これ迄ポスト・キャメロンの最有力候補と目されていた財務大臣で残留派のジョージ・オズボーンの可能性はかなり小さくなったと見て良いでしょう。

 しかもオズボーンは英中接近を裏で演出した立役者と言われています。習近平の訪英1カ月前の昨年9月末、オズボーンはキャメロン首相の名代として中国を訪れ、習近平に招待状を渡しました。しかも中国当局による弾圧が続いている新疆ウイグル自治区を訪れる等、中国の人権問題を黙認・容認する態度だったのです。

 このようなイギリス政府の対中接近の姿勢に対して、英誌エコノミストは「オズボーン主義」と呼びました。また、ダライ・ラマ法王は「金、金、金。道徳は何処に行ったのでしょう?」と痛烈に皮肉っています。

習近平訪問に沸き立つ英国、人権を棚上げしチャイナマネー獲得に躍起―英国

 イギリスがAIIBへの参加をいち早く決定した背景にも、このオズボーンの後押しがあったとされており、また昨年夏にキャメロン首相が東アジアを訪問した際、シンガポール政府は南シナ海や東シナ海での安全保障に関する発言を期待していたものの、中国に配慮して全く何の発言もなかったことも、オズボーンによる制止があったと言われています。

親中への転換に大きく傾く英国
 
 そこ迄中国に肩入れしていた「次期首相候補」の目がなくなるということは、中国にとって非常に痛い筈です。

 オズボーンに代って次期首相の最有力候補となっているのが、離脱派の先頭を走っていたボリス・ジョンソン前ロンドン市長です。歯に衣着せぬ物言いで、「イギリスのトランプ」とも評されていますが、彼の対中姿勢に就いては今一つ明確ではありません。

 2013年に中国を訪問した際には、イギリスの子供達に対して「中国を勉強することが将来に役立つ」と呼掛けたり、「私は中国が大好きだ。ここは特別な場所。中国文化に対する理解が深まるに連れ、それに対する称賛も増える筈」と発言する等、やや中国寄りな姿勢が目立ちましたが、2005年には「英国の子供達に中国語等習わせる必要はない。中国が世界を統治する筈がない」とも発言しています。

 また、ボリス・ジョンソン氏は2008年の北京オリンピックの際に、次期オリンピック(ロンドン・オリンピック)の市長ということで閉会式に出席しましたが、この時、スーツのボタンを閉めていなかったことで中国のネットユーザーから「無礼だ」と批判されました。これに対してジョンソン氏は、五輪開催に際して中国を批判した人権活動家達の言葉を引合いに、「開放性、透明性、個人の自由という方針に従いたかっただけだ」と皮肉交りに答えています。

しかもこの北京五輪には、ロンドン副市長もスポンサー集めのために訪中したのですが、バーで出会った美女によるハニートラップに引っ掛かって、重要資料を盗まれたことが明らかになっています。

北京五輪で訪中のロンドン副市長、美人スパイの色仕掛けでめろめろに!重要資料盗まれる―英紙

 ジョンソン氏はこの時の上司ですから、中国の遣り方に就いても良く解っていると思います。また、オズボーンが極端な対中接近で女王陛下からも暗に批判されただけに、同じ轍は踏まないようにするでしょう。

 とは言え、経済的混乱に加えて、スコットランドや北アイルランドの独立問題の再燃等によってイギリスの弱体化が進めば、再び札びら外交を展開して来る中国に靡く可能性もあります。

 一方、中国はイギリスの影響でEUから離脱する国が増えれば、EU迄中国主導の経済圏を広げようという「新シルクロード構想」は完全に瓦解してしまいます。また、脱人民元を進めている中国企業はユーロ債券を大量に購入していますが、ユーロが暴落すれば、これらの債券は紙屑となり、中国経済に深刻な影響を与えるでしょう。

欧州版QEを背景に、中国企業がユーロ債券市場に殺到

 今回のイギリスの国民投票の結果は、迫り来るEU激変の序の口に過ぎません。フランス、オランダを始めEU主要国の内部でも意見の対立があります。しかもドイツ、フランス、オランダは2017年に選挙があり、EU離脱派、懐疑派も年々その勢力を拡大しています。

 EUは一つの方が良いか、多くのヨーロッパ国の方が良いかということが問われることになると思いますが、19世紀から20世紀に掛けても、世界では一時的に合邦国家という国の形が流行りました。

 イギリス等の連合王国のみならず、日本もグレートブリテンをモデルに、琉球や台湾、朝鮮を糾合して大日本帝国を創りました。また、ユーゴやソ連もそうした合邦国家の代表格でした。

 しかし時代と共に、多くの国に分離独立することが理想となったり、大きな集合国家になることが理想となったり、揺れ動いて来たというのがここ200年の世界の動向でした。その意味でも、イギリスのEU離脱は21世紀に於ける歴史的な「事始め」となるでしょう。

 勿論、英EU離脱はアメリカの大統領選挙にも大きな影響を与えます。トランプが大統領に選ばれる可能性が益々現実味を帯びて来ます。こうして各国で保守の流れが強くなると21世紀の国際関係はどうなって行くのか。20世紀はコミュニズムを始めコスモポリタン的な主義や思想が一世を風靡しました。

 しかし私は、21世紀は文化と文明が対立する時代になると予想しています。というのも、国の文化とはその国独自のものです。一方で文明とは普遍的であり、如何なる国にも受入れられるものです。つまり、ユニークな考えとコスモポリタン的な考えの対立が起るということです。それが反グローバリズムの最大のテーマとして顕在化して来るでしょう。

 伊勢志摩サミットの際、安倍首相は既に「世界経済はリーマン・ショックの前後と近い状況にある」と予見し、消費税先送りの理由としていました。キャメロン首相は「リーマン・ショックに近い等というのは大袈裟だ」と同調しなかったようですが、そのキャメロン首相が英国発の大混乱の責任を取って、サミットから1カ月も経たずに辞任せざるを得なくなったのは皮肉なことです。

 そして今、世界経済の最大のリスクは、このEU問題と中国問題です。ある意味で、ユーロも中国も、かなり際どい経済状況をお互いに何とか誤魔化していた部分があります。イギリスのEU離脱によって、遂にその誤魔化しも利かなくなり、大破局へと進む可能性があります。中国は欧州や中近東に対して兆円単位の経済協力を持ち掛けていますが、それも殆んどが口だけで計画倒れに終りそうです。

 同時に、こうした危機感からか、中国の南シナ海や東シナ海での挑発がエスカレートして来ています。先日は、スクランブル発進した日本の空自機に対して、中国軍機が攻撃行動を行なったといった報道もされています。極めて危険で深刻な事態です。

中国機「空自機に攻撃動作」 元空将、ネットで公表

 世界情勢の急速な変化で中国経済も厳しさの度合いを増しています。通商国家は相手国の経済状況に振回されることは避けられません。貿易依存度が高い韓国や中国は最早、通商国家として生きる道しかなく、世界経済の影響を諸に受けてしまいます。

 それだけに、このような状況下では、特に中国の軍事的冒険主義が頻発して来る可能性が高まります。資源・領土獲得への志向が強まると共に、国内のガス抜き、更に権力闘争の激化が他国への軍事行動に繋がり易いからです。中越戦争も鄧小平の権力闘争が一因でした。

 経済と国防は安全保障問題でもあります。貿易依存度が低い日本にとっては、今回の英EU離脱の混乱は、強靭な生命力の国造りを今一度考えるための契機とすべきでしょう。


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日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

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