スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【RPE】アメリカが日本に「自立」を促す理由

 平和憲法と片務的日米安保条約は日本を軍事的に自立させないことを目的に作られました。しかし、中国の台頭とアメリカの衰退でその状況が変りつつあります。
 トランプが大統領になると、日本自立の大きなチャンスであると同時に、バック・パッシングされる可能性も高まります。米軍を日本の傭兵化して日本が主導権を握るのも良し悪しということになります。
 しかし、トランプは「日本に自立を促す」一方で「偉大なアメリカを再び取戻す」とも言っており、覇権国家を止める(=中国包囲網を解除する)心算ではなさそうです。日本が中国に取込まれればアメリカも困る筈。この難しい外交は安倍さんにしか出来ないでしょう。

関連過去記事1: 「安倍内閣と米国の極秘合意?」(04/18)
関連過去記事2: 「日米のバックパッシング」(04/21)
関連過去記事3: 「トランプ外交政策」(05/01)


【RPE】★ 何故アメリカは日本に『自立』を促すのか?」
     ロシア政治経済ジャーナル No.1396
   2016.5.29       北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160530000000000.html?p=1~p=3)

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。
ダイヤモンドオンラインに北野の記事が載りました。是非御一読下さい。
● 「オバマが偉大である三つの理由」(http://diamond.jp/articles/-/91997
(スマホ、携帯で見れない場合は、PCで御試し下さい)

 今日は、S様からの御質問2に御答えします。
先ずは、S様のメール後半から。
 
 <2つ目は、安倍首相になってから、少なくともRPE読者は国益に沿う言動が増えて来たと感じているんじゃないかと思います。でもこれは、安倍首相個人の能力もあるとは思いますが、大きな部分ではそのような言動を取っても許される環境に変って来たためじゃないかと思っています。具体的には米中韓の戦略なり圧力なりが変って来たのでは?
 分り易いところでは、未だ大統領になってもいないし、ブラフ発言かも知れませんが、トランプは明らかに日本に自立を求めています。
トランプ発言に拘らず、実態として今迄自立を押え付けていた勢力が自立を促し始めたように感じられるのですが、そのような流れの解説と根拠があれば御説明頂けると有難いです。
 また、2つ目の疑問は1つ目の疑問の国益毀損政策を切捨てる環境が出来つつあると見るのと一体の疑問でもあります。何かの機会に上記に関わるテーマも御説明頂けると幸甚です。
 お体と治安に気を付けて、これからも分り易い解説を楽しみにしております。>

「自立を押さえ付けていた勢力が、自立を促し始めたのでは?」
「だとすれば、何故?」
 という御質問です。

日米安保、二つの目的

 先ず、「元々」の日米関係について。
日米安保は、日本とアメリカの「軍事同盟」です。しかし、「他国が日本を攻めて来たら、アメリカは日本を守る」、「他国がアメリカを攻めて来ても、日本はアメリカを守らない」、という変な(片務的な)内容になっています。これは何故でしょうか?
 日米安保には、「二つの目的」があることを、知っておく必要があります。
1つは、「アメリカが日本を守ること」。主な仮想敵は、「ソ連」でした。日本が「共産陣営」に支配されたら、アメリカも困ります。
もう1つは、「日本を自立させない」こと。

 どういうことでしょうか?
日米安保がなければ、日本は自分で自分の国を守る必要が出て来る。すると、またアメリカに逆らう国になる可能性が出て来る。
そういうことなのです。
 これに関連して、リアリストの大家・伊藤貫先生の
● 「中国の「核」が世界を制す」 伊藤貫(http://tinyurl.com/jaw77rt
に面白い話が出て来ます。

 <1972年2月、北京でニクソンとキッシンジャーが周恩来と外交戦略の会談をした時、米中両国首脳は、「日本に自主的な核抑止力を持たせない。日本が、独立した外交政策・軍事政策を実行出来る国になることを阻止する。そのためにアメリカは、米軍を日本の軍事基地に駐留させておく」という内容の、米中密約を結んだ(この密約の要点を書留めたニクソンの手書きのメモが残っている)。>(78p)
 
 どうですか、これ? アメリカ軍は、日本を守るためでもありますが、「日本を自立させないため」に駐留しているのです。

米中関係に起った変化

 「米中密約」が結ばれた当時、第1に、2次大戦が終ってから27年しか経っていなかった。戦争の記憶は未だ生々しく、米中は、「共通の敵」日本を警戒していた。
 第2に、中国は、今と違って混乱した、貧しい、哀れな国だった。それで、アメリカは、中国を全く警戒していなかった。
その後、米中関係は、体制が全く違うにも拘らず、概して良好に推移して来ました。1970年代~91年は、「ソ連に対抗する」という共通の目的があった。
 1991年以降のアメリカには、「13億人の市場中国で大儲けしたい」という動機があった。そして、良好な米中関係は、「100年に1度の不況」が起った08年まで続いたのです。
 しかし、08年以降、米中関係に変化が起きて来ました。理由は、アメリカが沈み、中国が浮上したことです。中国は、世界経済が最悪だった09、10年も、9%を超す成長を続けた。GDPで日本を超えたとされ、世界2位の経済大国、軍事大国」に浮上した。
 アメリカは警戒感を強め、オバマは2011年、「アジア回帰」を宣言します。しかし、実際には、簡単ではありませんでした。他の地域で、様々な問題が起ったからです。
 「アジア回帰」を宣言した2011年、既にシリア内戦が始っていた。
アメリカは、反米アサド政権を倒すべく、反アサド派を支援します。
2013年8月、アメリカは、シリア(アサド)攻撃一歩手前迄行った。
 2014年3月、ロシアのクリミア併合によって、米露関係が極度に悪化。
ウクライナでは内戦、米露代理戦争が始ってしまいました。
(アメリカは、ウクライナ新政府軍を支援し、ロシアは、東部「親ロシア派」勢力を支援する)
 また、シリア、イラクで「イスラム国」(IS)が台頭。アメリカは2014年8月、空爆を開始しました。
2011年11月に「アジア回帰」を宣言したオバマ。しかし、その後も、中東、ウクライナ問題でゴチャゴチャし、なかなか動けなかったのです。

漸く「中国打倒」に動き始めたアメリカ

 2015年3月に起った「AIIB事件」。イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、イスラエル、オーストラリア、韓国等、親米諸国群がアメリカを裏切り、中国側についた。この事件は、アメリカに大きな衝撃を与えました。
「アメリカは、覇権国家から転落しようとしている。中国は、覇権に後一歩のところ迄来ている」このことを、漸く自覚したのです。ダラダラしていたオバマさんも、生れ変りました。
 その後オバマさんは、
・ ウクライナ内戦
・ イラン核問題
・ シリア内戦
 をアッという間に終らせます。そして、ロシア、キューバ、ベトナム等との関係を急速に改善させて行った。
これは、つまり、「資源を対中国に集中し始めた」ということです。
今迄世界中で争っていたのを全部解決し、ターゲットを中国だけに絞った。オバマ政権末期になって、漸くアメリカは、「中国打倒」を決意し、行動に移って来た。

日本の戦略的位置付け

 アメリカが中国を打倒しようとすれば、どうするのでしょうか?
これ、理論的には簡単で、「中国包囲網」をつくる。
だから、インド、フィリピン、ベトナム等との関係を強化している。ロシアとの関係も改善させている。米中間をフラフラしていた韓国を、日本と和解させ、米陣営に引戻す。
 「中国包囲網」の中で、最も「ポテンシャル」の高いのが日本です。何といっても「世界3位」の経済力を誇る。軍事費はGDP比で僅か1%。まだまだ増やせる余地がある。つまりこういうことです。
 アメリカは、かつて日本を「仮想敵」と考えていた。
それで、日本が再び脅威にならないよう、「片務的日米安保」を強制していた。ところが、そうこうしている内に、中国が巨大な脅威になって来た。だから、日本の自立を促し、共に中国と戦う「頼りになる味方」にしよう。
 これが、「アメリカが日本の自立を促す理由」なのです。勿論、「アメリカの都合が変った」ということなのですが・・・。

アメリカの戦略変更は、日本のチャンス

 そうは言っても、これは日本のチャンスでもあります。
どんな政党でも、「自分の国は自分で守る必要がある」と言います。
しかし、いきなり「我国は、軍事的自立を目指します!」と言って軍拡を始めたらどうなるでしょうか? 「また日本が軍事国家になろうとしている!」ということで、アメリカ、中国、ロシアは、一体化して日本を潰すことでしょう。
 しかし、「アメリカを助けるための軍事力強化です」と言えば、少なくとも欧米は反対しません。ですから、「アメリカの都合で日本の軍事力強化が行なわれる」のはとても良いこと。抵抗に遭うことなく「軍事的自立」に近付けるのですから。

しかし、注意すべきは「バック・パッシング」

 そうは言っても、日本は決してアメリカ以上に中国を挑発すべきではありません。何故でしょうか?
アメリカが中国を打倒する方法は、二つあります。
1つは、バランシング(直接均衡)。これは、アメリカが主導して、「中国包囲網」を築くのです。
もう1つは、バック・パッシング(責任転嫁)。これは、自分は戦わず、他国と敵国を戦わせるのです。つまり、日本と中国を戦争に誘導するのです。
 アメリカは、どっちの道を行くのでしょうか? 今のところ、バランシングしているように見えます。しかし、「バック・パッシングの誘惑」はとても強いのです。リアリストの大家ミアシャイマーは、「大国は、(自分で戦う)バランシングより、(他国に戦わせる)バック・パッシングを好む傾向がある。何故なら、そっちの方が『安上り』だからだ」と断言しています。
 実際、アメリカに利用された国の例もあります。
例えば08年、アメリカの傀儡国家だったグルジアは、ロシアと戦争し、壊滅的打撃を受けました。結果、アプハジア、南オセチアを事実上失ったのです。
 14年、アメリカの傀儡国家になったウクライナは、ロシアから支援を受ける東部親ロシア派と内戦状態になりました。ウクライナは、クリミアを失い、ドネツク、ルガンスクも、事実上独立状態にあります。
 このように、アメリカにバック・パッシングされた国は、悲惨な状況にある。「オバマさん、広島に来てくれて有難う!」ですが、アメリカのバック・パッシングには、何時も警戒が必要です。「日本は、『アメリカ主導』のバランシング同盟内で活躍する」このことをいつも忘れないことが大事です。
 「日本が主導して反中バランシング同盟をつくる!」等と気合を入れれば、「梯子を外される」リスクが出て来ます。あくまで日本は、「夫(アメリカ)を支える妻の役」で良いのです。
 ロシアには、「夫は頭、妻は首」という諺があります。頭は、「一家の長」という意味。でも、頭は、首の動く方に動きますね。
「結局、頭(夫)は、首(妻)にコントロールされている」という例えです。
皆さんの家庭もそうでしょう? 見た目はあなたが一家の長でも、結局、奥さんの要求が何時も叶っているのではないですか?
日本も、あなたの奥さんのように。「賢くならなければ」、ですね。


関連記事

テーマ : 検証
ジャンル :

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。