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日米のバックパッシング

 米国が日本の防衛力強化に協力し、軍事産業への規制を原則撤廃した目的は二つ考えられます。
1.アメリカの衰退を見越し、日本を頼りになる同盟国として育成する。
2.自衛隊を米国のバックパッシング(責任転嫁=代理戦争)に利用する。

 北野氏の下記記事は後者の可能性を指摘するものです。しかし、日本は韓国とは軍事同盟を結んでいませんから、朝鮮半島有事の際、米国抜きで北朝鮮(+中国)と戦うことはありません。
 中国とは、尖閣を盗りに来たら戦争になりますが、日米軍事同盟がありますから日本単独の戦いにはなりません。それはあのトランプ氏でさえ認めています。(安保条約の片務性を批判することは裏を返せばそういうことです)
 よって、現在の日米韓の問題に当て嵌めるには少し無理があると思います。「AIIB」問題が起きる以前のオバマ政権なら可能性はあります。
下の参考記事は今朝、ブログ更新前に見付けたものですが、私の直感を裏付けています。

参考記事: 日米中を例に具体的に「バック・パッシング」を考えてみた。|THE STANDARD JOURNAL」 
〔要旨〕
1.バックパッシングする側(バック・パッサー、米国)は、 侵略的な国(中国)と良い外交関係を保とうとする、若しくは、少なくとも刺激しないようにする。
2.バック・パッサー(米国)は、バック・パッシングされる側(バック・キャッチャー、日本)との関係を疎遠にする。
3.バック・パッサー(米国)は、いざという時に備えて、 自国の力を増強しようとする。
4.バック・パッサー(米国)は、バック・キャッチャー(日本)の国力増強を支持する。


【RPE】★ アメリカは、日本を北朝鮮、中国征伐に利用するか?
         ロシア政治経済ジャーナル No.1376
       2016年04月20日            北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160420000000000.html

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。

 読者のM様から、興味深いメールを頂きました。

 <北野幸伯 様
 初めてメールを認めております。何時もRPEジャーナルを深い興味と共に感嘆を以って拝読させて頂いています。
私は全くの素人で政治にも疎く、メルマガ等で読む程度の知識しかありませんが、今日いつものように拝読していて更にいつも以上の危惧を感じてしまい、不安にも駆られて宜しければ聞いて頂けるだけでもと、こうしてキーを叩いております。
 いきなりですが、トランプ氏の3つの発言に就いて、あれはこの先,日本と中国若しくは北朝鮮との(代理)戦争を実際にさせることを目指しているのではないんでしょうか。
相手が北朝鮮となったとしても、当然中国もそのバックに着きますし、そうやって中国の国力を弱まらせる、或いは世界各国から非難させる等に向わせるため、日本が彼等と戦争し易く、しかもそうなってももう、アメリカが直接関わらなくて済む体制を整えてアメリカが何のダメージもなく、中国を弱体化させるシナリオとなっているような気がします。
 (中略)
 どうでしょう。アメリカがそうと決めて、この先その方に進ませれば、日本なんてあっという間に掌で転がされて、リアルの戦争にまっしぐら、なんてなりそうな気がします。
 (以下略)>

 全文は、「お便りコーナー」で掲載させて頂きます。Mさんが7年間アメリカに住んで感じたこと等が書かれていて興味深いです。是非御一読下さい。さて、

 <日本と中国若しくは北朝鮮とを(代理)戦争を実際にさせることを目指しているのではないんでしょうか。>
<アメリカが直接関わらなくて済む体制を整えてアメリカが何のダメージもなく中国を弱体化させるシナリオ>

 とのことです。つまり、「アメリカは直接戦わず、日本を中国、北朝鮮にぶつける」というのです。これ、「善悪論」は抜きにして、「大いに有り得る」と言えるでしょう。アメリカが悪い国だからではありません。「そういうもの」なのです。

「バランシング」と「バックパッシング」とは?

 ここにA国がいます。B国が経済力と軍事力を増し、大いなる脅威になって来ました。A国は、「B国を叩こう」と決意していますが、この時大きく二つの方法があります。
 一つは、「バランシング」(直接均衡)と呼ばれる方法。
これは、A国が主導権をもって、B国を叩くのです。国内では軍事力を増強し、国際社会では「反B国同盟」「B国包囲網」形成を主導します。
 もう一つは、「バックパッシング」(責任転嫁)と呼ばれる方法。
これは、自分で戦いを主導せず、「他の国とB国を戦わせる」のです。例えば、A国がB国を潰すために、C国やD国を使ってB国を叩かせる。
 Mさんが心配されている、「アメリカは、日本を中国や北朝鮮と戦わせるのではないか?」というのは、「アメリカは、日本をバックパッシングするのではないか?」と言い換えることができます。
 ところで、大国は、自分が中心になって戦う「バランシング」と、他国に戦わせる「バックパッシング」、どちらを好むのでしょうか?
これ、他国に戦わせる「バックパッシング」を好むのです。世界で最も尊敬されているリアリストの権威ミアシャイマー・シカゴ大学教授は、何と言っているか?

 <事実、大国はバランシングよりも、バック・パッシングの方を好む。何故なら責任転嫁の方が、一般的に国防を「安上り」に出来るからだ。>(大国政治の悲劇 229p)

 どうですか、これ?
「日本はもっと金を出せ!」
「韓国はもっと金を出せ!」
「NATOはもっと金を出せ!」
 と叫んでいるトランプさん好みのセオリーではありませんか?
「大国は、バックパッシングの方が好き。何故なら、そっちの方が『安い』から」(!)だと。これを、アメリカ、中国とアジア諸国の関係に当て嵌めてみましょう。
 「アメリカは、直接中国や北朝鮮と対峙する(バランシング)より、日本、韓国をぶつける(バックパッシング)の方を好む。何故なら、そっちの方が『安上り』だからだ」となるでしょう。
つまり、Mさんの懸念は、「常識的に有り得る」のです。繰返しますが、これは「アメリカが悪い国だから」ではありません。「どこの国もやっていること」なのです。

アメリカに利用された国1~グルジア

 最近の例を二つ挙げておきましょう。
皆さん、もう忘れていると思いますが、08年8月、ロシアとグルジア(ジョージア)の戦争がありました。これ、プロパガンダで、「ロシアが小国グルジアを攻めた!」と思っているでしょう?
実を言うと、グルジアがロシア軍を先に攻撃したのです。証拠をお見せしましょう。熟読して下さい。

 <グルジアの南オセチヤ進攻に対抗、ロシアも戦車部隊投入
       (読売新聞2008年8月8日)   
 【モスクワ=瀬口利一】 タス通信等によると、グルジア軍が7日夜から8日にかけて、同国からの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリに進攻し、同自治州で平和維持活動を行なうロシア軍司令部や兵舎等を空爆、戦車による砲撃も行なった。
 ロイター通信等によると、これに対抗して、ロシア軍がトビリシ郊外のグルジア空軍基地を報復空爆し、戦車部隊等地上軍もツヒンバリに向っている。>

 グルジア軍が、ロシア軍を攻撃した。それで、「これに対抗して」ロシアが「報復」したと、はっきり書いてあります。何故小国グルジアは、核大国ロシア軍を攻撃したのでしょうか?
 当時、グルジアの大統領は、親米のサアカシビリさんでした。03年の「バラ革命」で政権に就いた人で、「アメリカの傀儡だった」と言われています。つまり、「アメリカに唆されて」或いは、「アメリカに命令されて」「ロシア軍を攻撃したのではないか?」と常識的に想像出来ます。でなければ、「何故無謀な戦いを挑んだのか?」説明出来ません。

 何れにしても、この戦争でグルジアは、「南オセチア」と「アプハジア」を失いました。この二つの自治体は、事実上「独立」してしまった。全くグルジアにとって、「破滅的な戦争」でした。

アメリカに利用された国2~ウクライナ

 もう一つの例は、ウクライナです。皆さん御存知のように、2014年2月、ウクライナではクーデターが起りました。親ロシアのヤヌコビッチ大統領はロシアに亡命し、親欧米新政権が誕生したのです。この新政権は、クリミアからロシア黒海艦隊を追出し、代りにロシアの宿敵NATO軍を入れると宣言していた。
 プーチンは、2014年3月、「クリミア併合」を断行。続いて、ロシア系住民が比較的多いウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州は、「独立宣言」した。親欧米ウクライナ新政府は、軍隊を東部に送り、内戦が勃発しました。結局、親欧米新政府軍 対 東部親ロシア派の「米露代理戦争」と化してしまった。
 ルガンスク、ドネツクは現在、「事実上の独立状態」にあります。そしてウクライナ国は、「国家破産状態」にある。大国に利用された小国の運命は、悲惨です。

日本が気をつけるべきこと

 という訳で、「バックパッシング」は「日常茶飯事」で行なわれています。
ですから、日本は「めちゃくちゃ用心深く進む」必要があります。具体的に、どんなことに気をつけるべきなのでしょうか?
先ず、私達が目指すのは、「アメリカを中心とする対中バランシング同盟(中国包囲網)を結成、強化すること」。この目標を忘れて、「日本を中心とする対中バランシング同盟」を結成しようとすれば、日中戦争になり、アメリカは、「梯子を外す」かも知れません。
 そして、注意点が幾つかあります。

1.米中を天秤に掛けるような、「二股外交」は控えること。
 安倍総理は2015年4月、「希望の同盟演説」で日米関係を劇的に改善させました。ところが翌月、中国に3000人の訪中団を送り、日中関係改善にも動いた。この時、米中関係は「南シナ海埋立て問題」でかなり緊張していたにも関わらずです。
 この「不誠実」な動き。
世界的常識では、「日本はアメリカと中国を戦わせる心算だ!」と見られます。つまり、「日本はアメリカを対中国で利用しているだけだ!」と。
日本は、韓国の「二股外交」を批判します。しかし、「自分達も同じことをしている」現実もしっかり認識した方が良い。
 日本政府は、アメリカ、中国との関係に於いて、「何時もアメリカの味方である」と思われる言動を続ける必要があります。

2.日本は、中国を過度に非難したり挑発してはいけない。
 これは「バックパッシング」を避けるためです。では、中国との関係は、どう距離を取るべきなのでしょうか? 日本は戦略的に、「アメリカのオウム」になるべきです。
アメリカが「南シナ海の埋立ては国際社会の脅威だ!」と言えば、「そうだ!そうだ!脅威だ!」と言う。アメリカ以上の激しさで中国を批判するべきではありません。
これ、何とも「情けない」話ですが、「何時もアメリカに主導権を握らせること」が大事なのです。日本が中国バッシングの主人公になると、「梯子を外される』可能性が出て来ます。

3.アメリカの許可を得て、「自主防衛能力」を高める。
 ところで、アメリカの行動を見て、「何と狡猾な!」と思いましたか?
実を言うと、アメリカ側も日本に就いて、「狡猾な!」と考えていることを知っておく必要があります。
世界3大戦略家ルトワックさんの「中国4.0」に面白い記述があります。

 <過去6年間の日本の政策の主軸は、「チャイナ2・0」への対抗にあった。「チャイナ2・0」は日本にとって大きな挑戦であった。これが、日本の領土の保全に対する挑戦でありながら、日本は国家安全保障面でアメリカから独立していないからだ。だからこそ、中国からのあらゆる圧力はアメリカ側にそのまま受渡される形となった。
言わば、アメリカへの「バックパッシング」、つまり「責任転嫁」である。>(148p)

 ここでルトワックさんは、「日本はアメリカを『バックパッシング』している!」と指摘しています。言われて見れば、確かにそのとおりですね。
勿論日本としては、「そういう状態にしたのは、あんた(アメリカ)だろう!」と主張出来ます。
しかし、戦後70年が経って、アメリカも弱って来た。アメリカは、「日本も自国の防衛にもっと責任を持て!」と態度を変えて来ている。ですから、感謝して「自主防衛能力」を高めて行ったら良いのです。

 以上、注意点を挙げました。
日本は、中国から尖閣、沖縄を侵略されないように、アメリカからバックパッシングされ、中国と戦争にならないように、極めて用心深く、慎重に進んで行く必要があるのです。


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日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

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