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シリア停戦の機運

 米・露が和解し、アメリカが中東から手を引いて中国攻略に専念する流れが変っていないことは、この一事を見ても分ります。(大統領が交代しても「背後勢力の意思=中国を次期覇権国候補から降ろす」は、多分変らない)
 現時点でこういうことを言うのは早過ぎますが、中東で聖書に預言された「ハルマゲドンの戦い」(主役はイスラエル、トルコ、ロシア)が起る可能性は殆んど無いと思います。アメリカとイスラエルが、かってのように一体ではないからです。従って、第3次オイルショックが起きる可能性も殆んどないでしょう。替って地政学的リスクの中心は東アジアに移ります。即ち日本も大きく関わって来ます。


【RPE】★ シリア停戦~各国の思惑
      ロシア政治経済ジャーナル No.1347
     2016年02月24日            北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160224151413000.html)  

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。
中東で、とても大きな動きがありました。
未だ確定ではないですが、成功すれば「歴史的」と言えるかも知れません。何でしょうか?
アメリカとロシアが2月22日、「シリア停戦」を共同で呼掛けたのです。

 <シリア内戦>焦点は「停戦の履行出来るか」 米露共同声明
      毎日新聞      2月23日(火)22時1分配信
 【ワシントン和田浩明、モスクワ杉尾直哉】 約5年間に及ぶシリア内戦を巡り、米国とロシアが22日、シリア時間27日午前0時(日本時間同日午前7時)からの停戦を呼掛けたことを受け、今後の焦点は停戦の履行に移る。25万人以上の死者を出した戦いに終止符を打てるのか。>

アメリカ、ロシアは何を提案したのか?

 アメリカとロシアはこれ迄、シリアで完全に別の勢力を支援し、「シリア内戦」は「米露代理戦争」の様相でした。具体的には、ロシアが「アサド現政権」を支援し、アメリカは「反アサド派」を支援して来た。
それが共同で停戦を呼掛ける」のは、余程のことです。米露は、どんな停戦条件で合意したのでしょうか?

 <米国務省が発表した共同声明によると、停戦条件は、
▽ シリアの政治移行行程等を定めた国連安保理決議の受入れ、
▽ 全ての攻撃の中止、
▽ 支配地域拡大の中止、
▽ 人道支援の受け入れ、
▽ 自衛のための反撃時に過度の武力を用いない
 --の5項目。>(同上)

 見事な停戦合意ですが、「例外」もあります。

 <停戦は、過激派組織「イスラム国」(IS)や国際テロ組織アルカイダ系の「ヌスラ戦線」、国連安保理がテロ組織に認定した組織には適用されない。>(同上)

 「IS」やアルカイダ系「ヌスラ戦線」への攻撃は今後も継続される。次に関係各国、関係勢力の思惑を其々見てみましょう。

アメリカ~早く中東問題を終らせたい

 前々から書いていますが、アメリカは中東への関与を「なるべく減したい」と考えています。何故でしょうか?
 第1の理由は、「シェール革命」です。
アメリカが中東を最重要視して来たのは、中東が「資源の宝庫」だから。ブッシュ(子)が大統領になった時、「2016年にアメリカ国内の石油は枯渇する」と予測されていた。だから中東最重要視は当然でした。
しかし、「シェール革命」で、アメリカは今や「世界一の産油、産ガス国」になっている。それで、「中東とはあんまり関わりたくない」と思っている。
 第2の理由は、「中国の台頭」です。
オバマさんが、「アジアシフト」を宣言したのは2011年11月でした。
ところが、ダラダラと中東に関わり続けて来た。そう、「シリア内戦」は、2011年に始ったのです。アメリカは、反米アサド政権を打倒するため、「反アサド派」を支援しました。
 2013年8月には、「アサド軍が化学兵器を使ったのでシリアを攻撃する!」と宣言した。しかし、翌9月には戦争をドタキャンし、世界を驚かせました。
これは何かと言うと、アメリカは本音で、「もう中東はどうでも良い」と思っている。アメリカの態度は煮え切らない儘、ダラダラと時間だけ過ぎて行きました。

 ところが、2015年3月の「AIIB事件」で、目が覚めます。
イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、イスラエル、オーストラリア、韓国等々「親米諸国」を筆頭に57か国が中国主導「AIIB」への参加を決めた。これでアメリカは、「全世界の国々が我国の要求を無視して中国に従っている!」、「中国は最早『覇権国家』一歩手前迄来ている!」こう悟った。それで、
「アジアシフト戦略」(=対中国戦略)を早急に進めるため、「中東の整理」が不可欠になって来ている

 この二つの理由で、アメリカは「シリア内戦の終結」を本気で望んでいます。そして、「アメリカが平和を望んでいること」が一番重要なファクターなのです。
アメリカは戦争を始めることも出来るし、終らせることも出来る。

ロシア~アサド政権を守りたい

 シリアに海軍基地を持つロシア。シリア内戦が勃発した当初から、親ロシア・アサド政権を支援して来ました。
2015年9月からは、シリアIS空爆を開始。序に「ヌスラ戦線」等「反体制派」への空爆も行ないアサドを守って来ました。ロシアの空爆に支えられ、アサド軍は息を吹返し、失地を続々と奪回しています。
プーチンは、アメリカが中東への関心を失っているのを見て、停戦の主導権を握ったのです。つまり、ロシアも停戦を望んでいる。それは、アサド政権を守るためです。

アサド~生き残りたい

 そして、最も停戦を望んでいるのがアサド自身でしょう。
2011年に内戦が勃発した時、アサドは、イラクのフセイン、リビアのカダフィのような、「暗黒の未来」を想像したに違いありません。
しかし、ロシアとイランに支えられ、何とか今日迄乗越えて来た。「奇跡的」と言っても良いでしょう。今、ロシアだけではなく、アメリカも「停戦しようよ」と言っている。
戦況が有利な内に乗った方が良いに決っています。

反アサド~梯子を外された

 では、反アサドはどうなのでしょうか? これは、様々な勢力がいるので難しいです。

 <停戦案を受け、アサド政権との和平協議(2月上旬から中断)に参加している反体制派主要組織は、諾否に関する協議を始めた。
有力な反体制派組織の内、世俗派「自由シリア軍」系の「南部戦線」は停戦に前向きだ。
一方、イスラム武装勢力の「イスラム軍」と「アフラル・シャム」は難しい対応を迫られている。>(毎日新聞2月23日)

 欧米が、「穏健派反アサド」と言う時、「自由シリア軍」を指すことが多いです。何れにしても、「反アサド」は、アメリカから「梯子を外され」、戦闘を継続するのが難しくなっています。
それでもアサドとの戦闘を継続するのか、しないのか? 恐らく、「反アサド」の中で、意見が分裂していることでしょう。

欧州~難民の流れを止めるため、シリアに平和を

 欧州は、シリアから大量の難民が押寄せて来て困っています。
それで、「シリアが安定し、シリア難民が欧州に来ない状態を創りたい」という動機がある。
こう見ると、大国は皆「停戦」に賛成。条件は「整っている」ように見えます。

抵抗勢力~ トルコ、サウジ、イスラエル

 しかし、停戦、和平に抵抗する勢力が無い訳ではありません。
シリア内戦は、スンニ派の大国トルコ、サウジアラビア等と、シーア派の大国イランの「代理戦争」でもあります。
アサドは、シーア派のアラウィー派で、イランから支援を受けている。
当然スンニ派諸国は、今回の停戦に反対でしょう。
特にトルコは、既にシリア領内に軍隊を入れています。(名目は、クルド人勢力の拡大を阻止するため)
今回の米露合意前の記事ですが。(日付に注目)

 <シリア停戦実現に暗雲 トルコ、2日連続のクルド砲撃
     AFP=時事 2月15日(月)11時46分配信

 【AFP=時事】トルコは14日、シリア国内のクルド系組織への新たな砲撃を実施した。
シリア情勢を廻っては同日、米国がロシアに対して反体制派への空爆停止を要求。関係各国が12日に合意した「1週間以内の停戦」の実現に暗雲が漂って来た。>

 今後最も注目すべきはトルコの動きです。
しかし、アメリカがトルコを支持しなければ、NATOからの支援も望めず、トルコは、アサド政権を支援するロシアと単独で戦うことになってしまう。そうなるとトルコに勝目はなく、エルドアン政権の「自殺行為」になってしまう。「無謀」ですね。

 とは言え、歴史には指導者の「愚かな行動」が満溢れているので、どうなるか判りません。エルドアンが、冷静な判断を下すことを望みます。
最近サウジアラビアも、「シリアに軍隊を派遣する」と宣言しましたが、アメリカに止められたそうです。

 さて、今回の停戦合意に最も反対なのがイスラエルでしょう。アメリカは、イランと和解した。そして、反イスラエルのアサド政権は延命しようとしている。これはイスラエルにとって悪夢以外の何物でもありません。

シリア内戦は終るか?

 と言う訳で、状況を整理しておきましょう。

シリア内戦を終らせたい国、勢力
 アメリカ、ロシア、欧州、イラン、シリア・アサド政権、反アサド派の一部

シリア内戦を続けたい国、勢力
 トルコ、サウジアラビア、その他のスンニ派国家、イスラエル、反アサド派の一部


 こう見ると、アメリカとロシアが「和平を望んでいる」ことが最大のファクターになります。ウクライナの内戦時もそうでした。
ロシアのクリミア併合は、2014年3月。その後、ウクライナ新政府と東部「親ロシア派」の内戦が勃発した。2014年9月の停戦合意はダメになりました。
 しかし、2015年2月の停戦合意は、今に至るまで続いています。
これは何でしょうか? 15年2月の停戦は、プーチン、ドイツ・メルケル首相、フランス・オランド大統領、ウクライナ・ポロシェンコ大統領の合意によって実現しました。
アメリカは当初、これをぶち壊したかったようですが、翌3月に「AIIB事件」が起り、「まあ、ウクライナは良いか。対中国の方が大事だ」となった。

 シリアの場合も、アメリカが「内戦継続を望まない」ことが決定的です。
一回目で巧く行くかどうかは分りませんが、全体的にシリア内戦は終息に向っていると言えるでしょう。
5年間の内戦で25万人の犠牲者が出たと言います。シリアに平和が訪れることを、心から願っています。


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日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

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