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日露接近を邪魔する米の戦略

 前記事の補足です。これはある意味、北野幸伯という人物が良く解る記事です。
アメリカという国の冷酷で自分本位な正体を在りのままに見据えながら、尚且つ、感情に流されることなく冷徹な戦略を説いているからです。戦国時代の軍師竹中半兵衛や黒田官兵衛に通じるものがあります。
 この方の戦略論は全て書籍等で公開していると言っておられるので、冬の間に本腰入れて勉強したいと思っています。今、日本人に求められているのは、バイアスの掛かった右でも左でもなく、また真偽の判らない陰謀論でもなく、当に北野幸伯が提唱しているような「ものの見方」だからです。スピリチュアルな「ものの見方」も現実の政治・経済を観る時には脇に置いといた方が良い。


【RPE】
★ アメリカの「大戦略」が、日ロ接近を妨げる
   2015/06/18      ロシア政治経済ジャーナル No.1218
http://archives.mag2.com/0000012950/20150618000000001.html

安倍首相は「中国」連呼。G7エルマウサミットは成功だったのか?
(詳細は→ http://e.mag2.com/1IDfQq5

 読者のM様から、メールと質問を頂きました。

「北野さんの予想どおり、「AIIB事件」後、米中関係が急に悪化して来たので驚いています。
そして、これも予想どおり、欧米が急にロシアに優しくなって来ました。
しかし、一点分らないのは、「では、何故アメリカは、日本がロシアに接近するのを止めるのか」ということです。何故でしょうか?(以下略)」

 確かに、アメリカは、日本がロシアに接近するのを戒めています。
例えば。↓
「<日露関係「追求する時期ではない」…米が牽制
     5月22日(金)18時39分      読売新聞  

 【ワシントン=今井隆】 ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は21日、ワシントン市内で記者会見し、日本の対露外交について、ウクライナ情勢等の現状を踏まえ、通常の関係を追求する時期ではないとの見解を示した。」
経済協力等の関係強化は慎重に検討するよう日本政府に求めたものと見られる。>」

 そうは言っても、アメリカのケリー国務長官は5月12日、訪露してプーチンと4時間も話していますが・・・・。その件については?

 「<ラッセル氏は、今月12日のケリー国務長官とロシアのプーチン大統領との会談は、ウクライナ情勢等「緊急且つ特定の問題」の直接協議が目的だったと説明。
米露関係は「通常のビジネスに基付いていない」とし、日本にも歩調を合せるよう促した。>」(同上)

 では、プーチンを日本に呼んで、「ウクライナ問題を協議する」のは良いのでしょうか? そんなことはないでしょう。RPEの読者さんなら解ると思いますが、アメリカは、

・ アメリカが、中国と対抗するためにロシアと和解するのはOK。
・ 日本が、ロシアに接近するのはダメ!

 という立場なのです。何故?
これ、一見単純な問題ですが、実を言うとアメリカの【大戦略】に関わる重要な話です。

▼アメリカ、冷戦後の大戦略とは?

 これについて、拙著『クレムリン・メソッド』(詳細は→http://hec.su/hHN
から転載します。
【転載ここから▼】
「<アメリカの「一極支配」戦略
 「戦略国家」アメリカは、こうして日本、そしてナチス・ドイツに完勝しました。
第二次大戦後の世界は、皆さんもご存知のように、「米ソ冷戦時代」(二極時代)になって行きます。アメリカは、当然新たな戦略を構築しました。どのような? 
日本を代表するリアリスト、伊藤貫(いとうかん)先生の著書から引用します。

 「〈冷戦時代(一九四七~八九年)、世界が二極構造であった時期のアメリカのグランド・ストラテジーは、「ユーラシア大陸の三重要地域(西欧、中東、東アジア)を米軍が支配することによって、ソ連陣営を封じ込めて置き、アメリカが世界を支配する」と言うものであった。〉」
(『自滅するアメリカ帝国―日本よ、独立せよ』 伊藤貫 文春新書 7~8p)
 これは、割と知られていますね。
この戦略が巧く機能し、ソ連と共産陣営は崩壊した。見事です。そして、「冷戦」(米ソ二極時代)は終り、新たな時代が到来しました。新しい時代には、「新しい戦略」が求められます。「冷戦後のアメリカの戦略」とは何なのか?

 「〈一九九一年秋にソ連が崩壊すると、アメリカ政府は即座に次のグランド・ストラテジーを構想した。
それは「国際構造の一極化を進める。今後はアメリカだけが、世界諸国を支配する経済覇権と軍事覇権を握る。〉」(同前8p)

 「国際構造の一極化を進める」と。そのためには、どうすれば良いのか? そう、第二章を読まれた方は、もう解りますね。「金力」(経済力)と「腕力」(軍事力)の覇権を握る。
 
 更に、驚くべき話が続きます。
「〈アメリカに対抗出来る能力を持つライバル国の出現を許さない。冷戦終了後も、第二次世界大戦の敗者である日本が自主防衛能力を持つことを阻止する」というものであった。〉」(同前8p)

 何と! 一九四五年から冷戦が終った一九九一年迄、忠実にアメリカに仕えて来た日本。そんな日本に対しても、「自主防衛能力を持つことは許さない!」と。
ところで、この驚くべき「大戦略」は、本当に存在するのか??
そんな疑問を持ったあなたのために、続きがあります。
 
 「〈(この戦略案――ペンタゴンの機密文書Defense Planning Guidance――は一九九二年三月、ニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストにリークされて、国際的なスキャンダルとなった。)
米政府(民主・共和両党)は、この「世界一極化戦略」を着々と実行して行った。〉」(同前8p)

 どうやら、本当に存在するようです。
ところで、アメリカは、冷戦終結後も日本が「自主防衛能力を持つこと」を阻止する。
まだまだ、驚くべき話があります。
「〈この機密文書の中でアメリカの潜在的な競争国(もしくは敵性国)
として描かれていたのは、ロシア、中国、日本、ドイツの四国であった。〉」(同前62p)
何ということ! アメリカにとっての日本は、ロシアや中国と並んで、「仮想敵国」(!)なのです。ドイツ人も驚いたことでしょう。

 「〈前年に軍事帝国が崩壊したばかりのロシアと二年半前に天安門虐殺事件を起した中国が、アメリカの「潜在的な競争国・敵性国」と定義されていたことは納得出来るが、既に略半世紀間も「アメリカの忠実な同盟国」としての役割を果していた日本とドイツが、米政府の機密文書に於いて冷戦後のアメリカの潜在的な敵性国と描写されていたことは、「外交的なショック」(ワシントン・ポスト紙の表現)であった。〉」(同前62p)

 どうですか? 冷戦後のアメリカの戦略は「アメリカだけが世界を支配する状態を作るため」にある。
「世界の『出来事』は、国の『戦略』によって『仕組まれる』」のです。
そうなると、新世紀に入って起った様々な出来事、「イラク戦争」、「ロシア―グルジア戦争」、「リビア戦争」、「シリア内戦」、「イラン問題」、「ウクライナ内戦」等々も、「アメリカの戦略によって起っているのではないか?」と疑って掛かる必要がある。
勿論、アメリカだけではなく、中国には中国の、ロシアにはロシアの戦略があるので、注意深く見る必要がありますが……。>」
 【転載ここまで▲】

 どうですか、これ? 驚くべきことですが、アメリカには、4つの「仮想敵国」がある。
4カ国とは、
・中国
・ロシア
・ドイツ
・日本!!!!!!!

▼「分断して統治せよ」が、基本中の基本

 では、アメリカは、この4つの仮想敵国とどう関わって行くのか?
基本的には、日本、ドイツ、中国、ロシアを【分断させて置くこと】。
逆に、アメリカにとって最も都合の悪い状況とは、日本、ドイツ、中国、ロシアが【一体化してしまうこと】。
もう何回も書いていますが、2014年2月のウクライナ革命。オバマさん自身、「アメリカがやった」と、認めています。
「ロシアの声」2015年2月3日から転載。(全文はこちら

 「<昨年2月ウクライナの首都キエフで起きたクーデターの内幕について、オバマ大統領が遂に真実を口にした。恐らく、もう恥じる事は何もないと考える時期が来たのだろう。
CNNのインタビューの中で、オバマ大統領は「米国は、ウクライナに於ける権力の移行を遣り遂げた」と認めた。
 別の言い方をすれば、彼は、ウクライナを極めて困難な状況に導き、多くの犠牲者を生んだ昨年2月の国家クーデターが、米国が直接、組織的技術的に関与した中で実行された事を確認した訳である。
これによりオバマ大統領は、今迄なされた米国の政治家や外交官の全ての発言、声明を否定した形になった。
 これまで所謂「ユーロマイダン」は、汚職に満ちたヤヌコヴィチ体制に反対する幅広い一般大衆の抗議行動を基盤とした、ウクライナ内部から生れたものだと美しく説明されて来たからだ。
米国務省のヌーランド報道官は、既に1年前「米国は、ウクライナに於ける民主主義発展のため50億ドル出した」と述べている。>」
 オバマさんが話している映像はこちら。(註: 表示されません)

 アメリカ「大戦略」の視点から見ると、この「ウクライナ革命」、「見事に、ロシアとドイツ(EU)を分断させたよね」と見ることも出来ます。
そう、アメリカの恐怖は、ロシアとドイツ(EU)が一体化すること。
だから、ウクライナ問題でロシアとドイツが分断された状態は、心地良いのです。
「何故アメリカは、日・露の接近を嫌がるのか?」もうお解りですね。
アメリカは、仮想敵の大国ロシアと、仮想敵の日本が一体化するのを警戒しているのです。
「酷い話だな~~」と思いますが、それが現実ですから、仕方ありません。
私達は、「アメリカはそういう国なのだ」と知って、付き合い方を考える必要があるのです。

▼では、日本はロシアに接近すべきか?

 これ迄何度も書いていますが、日本は現在非常に良いポジションに就けています。
今の世界情勢は、アメリカと中国の覇権争奪戦を軸に回っている。
そして、「AIIB事件」後、アメリカは、「中国包囲網」形成を主導し始めています。(バランシング)
「アメリカが、日本と中国を戦わせて漁夫の利を得る」という「バック・パッシング」の心配は、今のところない。
しかし、日本が、アメリカの要求を無視して、プーチンと接近したらどうでしょう?
激怒して、「じゃあ、日中を戦わせよう」となるかも知れない。この辺、日本は甘く見るべきではありません。
 一つ、歴史から例を挙げて置きます。
1972年2月、ニクソンは、中国を訪問。米中関係は、劇的に改善されました。要するにアメリカは、「中国と和解してソ連と対峙する」リアリスト外交を行なった。
 さて、この年の7月、田中角栄さんが総理大臣に就任。
彼は、電光石火の速さで、同年9月には、「日中国交正常化」を成し遂げてしまいます。
この時、キッシンジャーの反応はどうだったのか?
06年5月26日、共同。

 <「「ジャップは最悪の裏切り者」 (解禁された米公文書より) 72年にキッシンジャー氏
 【ワシントン26日共同】 ニクソン米大統領の中国訪問等1970年代の米外交政策を主導したキッシンジャー大統領補佐官(後に国務長官)が72年夏、田中角栄首相が訪中して日中国交正常化を図る計画を知り「ジャップ(日本人への蔑称(べっしょう))」との表現を使って日本を「最悪の裏切り者」と非難していたことが、26日迄に解禁された米公文書で分った。
 キッシンジャー氏の懐疑的な対日観は解禁済みの公文書から既に明らかになっているが、戦略性の高い外交案件を巡り、同氏が日本に露骨な敵愾心を抱いていたことを明確に伝えている。>」
 ↑
 どうですか、これ?
「ジャップは、最悪の裏切者」だそうです。
つまり、「自分(アメリカ)が中国と仲良くするのは、「善」だが、日本が中国と仲良くするのは、【最悪の裏切り】」なのです。
私達は、アメリカがこういう「独善的なロジック」で動いていることを知って置く必要があります。
 では、安倍総理は、アメリカの意向を無視してロシアと仲良くするべきなのでしょうか?
田中角栄さんの悲惨な末路は、皆さんご存知ですね?
アメリカが安倍さんに同じことをしないと、誰が保証出来るでしょうか?
実際、「アメリカとケンカしてもロシアと仲良くする」というのは意味のないことです。
 昨年12月に初来日を果したリアリストの大御所ミアシャイマー・シカゴ大学教授は、安倍総理の役割についても語りました。
 曰く、「オバマに電話して、『何故ロシアと協力した方が良いか』レクチャーすることだ」と。
 そう、安倍総理に期待される役割は、アメリカとロシアの和解なのです。それは、勿論中国の台頭を阻止するため。
ところが、AIIB事件で、勝手にアメリカがロシアとの和解に動き出した。
それなら、安倍さんのやることはないのです。
 繰返します。
日本の役割は、アメリカとの仲を険悪にしてもロシアと仲良くすることではありません。
日本の役割は、中国に対抗するために、アメリカとロシアの仲を良くすることです。
ですから、「アメリカを怒らせても日本だけロシアと仲良くする」という選択をすれば、「田中角栄と同じ道」になるでしょう。

● PS1:
 今回は、北方領土問題について触れていません。
領土問題解決は、勿論超重要。
しかし、私は日本は今、中国問題に集中すべきと考えています。
もし安倍総理が、「私の任期中に領土問題を解決して歴史に名を残す!」。「そのためには、ロシアに接近してアメリカを少し位怒らせても」と考えておられるのなら、「大きな過ち」です。
それよりも、「尖閣、沖縄を守り」「中国の野望を阻止して」歴史に名を残して下さい。
● PS2
 ところで、私が、世界情勢を分析し、未来を予測する方法を全部暴露しています。これを読めば、あなた自身も世界の未来を予め知ることが出来るようにな ります。
時流を読む必要がある、経営者、起業家、ビジネスマンの方は迷うことなく、こちらをご一読下さい。全部分ります。
【3刷決定!】
アマゾン、「国際政治情勢部門」「外交・国際関係部門」「社会一般部門」「トリプル1位!」
● 『日本人の知らない「クレムリン・メソッド」~世界を動かす11の原理』(集英社インターナショナル) 北野 幸伯 (http://hec.su/hHN


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日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

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