スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

中華は沈むのか? 昇るのか?

MONEY VOICE
中国は沈むのか? 昇るのか? 米国vs多極主義陣営の戦いが示す未来
    2015年12月8日               北野幸伯
http://www.mag2.com/p/money/6634~/3)

 多くの日本企業や欧米の金融機関が中国から逃出す一方、人民元がIMFのSDR構成通貨入りを果すなど、「沈む中国」と「昇る中国」2つの動きが同時進行しています。どちらが本当の中国なのでしょうか?
ロシア政治経済ジャーナル』を発行する国際関係アナリストの北野幸伯氏が解説します。

★「沈む中国」と「昇る中国」2つの動きが同時進行する理由

● 「昇る中国」は幻? 人民元のSDR構成通貨入り

 最近最大のニュースと言えば、これでしょう。

 「(ブルームバーグ):国際通貨基金(IMF)は中国の人民元を特別引出権(SDR)の構成通貨に加えることを正式決定した。これ迄欧米・日本が支配して来た世界の経済システムに中国が仲間入りすることにお墨付を与えた格好」

 188カ国が加盟するIMFは30日に理事会を開き、人民元は「自由に使用可能である」という基準を満していると判断。ドルとユーロ、ポンド、円に加わってSDRを構成することを認めると声明で発表した。ラガルド専務理事は11月13日、IMFのスタッフが提案したSDR構成通貨への人民元の採用を支持したことを明らかにしていた。
出典: IMF:人民元のSDR構成通貨採用を承認-国際通貨の仲間入り(1) – Bloomberg 12月1日(火)3時33分配信

 これは、「人民元」が立派な「国際通貨」になったことを意味しています。(少なくとも「名目上」は) そして、中国は「覇権に一歩近付いた」とも言えるでしょう。
ところで、当メルマガは、「中国は沈みつつあるタイタニックだ」という話をしています。
先ず「日本の大企業が逃げ出している例」として、

■ NTTコム
■ カルビー
■ パナソニック
■ エスビー
■ サントリー
■ ホンダ
 を挙げました。
ある理由で中国から逃げ出した日本の大企業一覧 – まぐまぐニュース!

 また、「米の金融機関が中国から逃出している例」として、

■ シティグループは、広発銀行株を売却する。
■ ドイツ銀行は、華夏銀行株を売却する。
■ ゴールドマンサックスは、「ブリックスファンド」を閉鎖した。
■ シティ、バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマンなどは、2012年から中国株を売りまくっている。
 ことを挙げました。
人民元が主要通貨になっても、「国際金融資本」は中国を見捨てる – まぐまぐニュース!

 これらは、「中国が沈んでいること」を示しています。一方で、「人民元がSDRの構成通貨に採用された」のは、明らかに中国が浮上している例です。「沈む中国」と「昇る中国」、どっちが真実なのでしょうか?

● ドル基軸体制への挑戦~冷戦終結後、欧州がアメリカに反逆

 現状を理解するため、過去に遡ってみましょう。
1991年12月、ソ連が崩壊した。このことは欧州にとって、2つの事を意味していました。

1.東の脅威(ソ連)が消滅した。
2.最早アメリカの保護は必要ない。

 そして、欧州のエリート達は、大きな野望を抱きます。
「欧州がもう一度世界の覇権を握ろう!」
方法は2つありました。

1.EUをどんどん東に拡大しよう。
2.ユーロを創り、ドルから基軸通貨の地位を奪おう。

 「基軸通貨」とは、別の言葉で言うと「世界通貨」です。
アメリカは、当時から世界一の「財政赤字国」、「貿易赤字国」、「対外債務国」だった。しかし、「世界通貨の発行権を持つ」アメリカは、いくら借金しても「刷るだけ」で返済出来る。
欧州は、アメリカから、この「特権」を奪おうとしたのです。

 欧州エリートは、上の戦略に従って、EUをどんどん東に拡大。そして1999年「ユーロ」が誕生します。この時点で、ユーロは未だドルの敵ではありませんでした。「欧州の地域通貨」に過ぎなかった。

 ところが、2000年9月24日、「裏世界史的大事件」が起ります。イラクのフセイン大統領(当時)が、「原油の決済通貨をドルからユーロに変える!」と宣言したのです。そして、同年11月、実際変えてしまいました。

 それまで、石油取引は「ドル」でしか出来なかった。フセインは、この体制に「穴」を開けた。フセインがその後どうなったか、皆さんご存知です。

■ 「大量破壊兵器を保有している」。(実は、保有していなかった)
■ 「アルカイダを支援している」。(実は、支援していなかった)

 ことを理由に攻撃され、処刑されました。
ところで、フセインの後ろには、「黒幕」がいました。フランスのシラク大統領(当時)です。戦いは第2幕に移って行きました。

● フランス、ドイツ、ロシア、中国~「多極主義陣営」の形成
 
 フランスのシラク大統領(当時)は、同じ野望を持つシュレーダー独首相(当時)と共に、イラクのフセインを守ろうとしました。
具体的には、02~03年に掛けて、「イラク戦争」に反対したのです。これに同調したのが、プーチン・ロシアと、中国でした。フランス、ロシア、中国には、

1.国連安保理で「拒否権」を持つ「常任理事国」である。
2.イラクに石油利権を持つ。

 という共通点がありました。彼等は国連安保理で一体化し、アメリカの戦争に「お墨付き」を与えなかったのです。アメリカは「ドル体制を守るため」に、国連安保理を無視してイラク攻撃を開始しました。(03年3月20日)
この時、「アメリカ一極主義」に対抗する勢力、即ち「多極主義陣営」が形成されました。核になったのは、フランス、ドイツ、ロシア、中国です。

● 戦いの舞台は、イラクから旧ソ連圏へ

 「アッ」という間にイラク政権を打倒したアメリカ。イラク原油の決済通貨を「ユーロからドル」へ戻し、一安心。(しかし、イラク戦争は、その後も長期に亘って続いた)
次に狙いを付けたのが、ロシアと旧ソ連圏でした。アメリカとロシアは03年から、

■ ユコス事件(03年)
■ グルジア・バラ革命(03年)
■ ウクライナ・オレンジ革命(04年)
■ キルギス・チューリップ革命(05年)

 等々で、対立を繰返します。
ロシアは05年、中国との(事実上の)「反米同盟結成」を決意。上海協力機構を「反米の砦化」することで、「アメリカ一極主義」に対抗して行きます。
さて、アメリカとロシアの対立はその後も続き、結局08年8月「ロシア-グルジア戦争」が起りました。グルジアは当時、親米傀儡のサアカシビリ大統領。この戦争の結果、グルジアは、「アプハジア」、「南オセチア」を失いました。ロシアは、この2つの自治体の独立を承認したのです。

● 「多極主義陣営」の大戦略は「ドル体制崩壊」にあり

 さて、1999年のユーロ誕生から始った戦い。「多極主義陣営」は、

1.アメリカ、強さの源泉は、「ドル基軸通貨体制」にある。
2.「ドル基軸通貨体制」をぶち壊せば、アメリカは没落する。

 ことを「常識」として共有していました(います)。それで、「意図的」にドルへの攻撃を行なって来たのです。アメリカは、イラク原油の決済通貨をドルに戻すことに成功しました。
しかし、「ドル離れ」の動きは、止まるどころか、ますます加速して行ったのです。
例を挙げましょう。

■ 06年5月10日、プーチンは、「ロシア産原油は【ルーブル】で決済されるべきだ」と発言。
■ 同年6月、ルーブル建てロシア原油の先物取引が開始される。
■ 同年12月、ユーロの紙幣流通量がドルを超える。
■ 07年6月、プーチン「ルーブルを世界通貨にする!」と宣言。(当時、ロシアは原油高でイケイケだった)
■ 07年12月、イラン、原油のドル建て決済を中止。
■ 同年12月、湾岸協力会議、「共通通貨を創る」と発表。
■ 08年1月、ソロス「現在の危機は、『ドルを国際通貨とする時代の終焉を意味する』と宣言。

 これが「リーマン・ショック」直前に世界で起っていたことです。

 「アメリカ不動産バブル崩壊」
→「サブプライ問題顕在化」
→「リーマンショック」
→「100年に1度の大不況」

 というのも、勿論事実でしょう。しかし、一方で、「多極主義陣営からの攻撃で、ドル体制が不安定になっていたこと」も危機の大きな原因なのです。
そして、中国が「人民元の国際化」を進めて行く(IMFのSDR構成通貨になるのもその一環)。これは覇権を目指す中国として、当然のことなのです。

● 沈むアメリカ、昇る中国

 さて、08年8月の「ロシア-グルジア戦争」は、短期で終りました。理由は、翌9月に「リーマンショック」が起り、「100年に1度の大不況」が始ったこと。米ロは和解し、所謂「再起動の時代」がやって来ます。
さて、この「100年に1度の大不況」。ロシアでは「歴史的大事件」と解釈されています。何故か?

 「アメリカ一極時代が終焉した」から。

 では、09年から、世界は「何時代」に突入したのでしょうか? ロシアでは、「多極時代になった」と言われます。しかし、現実には「米中二極時代」でしょう。
しかも、二極の中、アメリカは沈んで行き、中国は昇って行く。実際、不況が最悪だった09年、10年、中国は9%台の成長を続けた。当に「一人勝ち状態」でした。(正確にはインドと二人勝ち)。アメリカの影響力は、益々衰え、中国の影響力は、益々拡大して行く。

● 人民元のSDR構成通貨化を止められなかったアメリカ

 さて、過去を振返り、ある程度流れが理解出来たことでしょう。 
私達は、「常に一体化している」という意味で、「欧米」と言います。しかし、冷戦終結後、欧州はアメリカに反抗的でした。むしろ、「反米多極主義陣営」をフランスが率いていた時期すらある。
そして、私達は、「米英」という言葉を使います。「アメリカとイギリスは、何時も一緒」という意味で。ところが、この用語すら、今では「不適切」になっている。

 例えば2013年8月、オバマは、「シリアを攻撃する!」と宣言しました。イギリスのキャメロン首相はこの決定を支持した。しかし、イギリス議会はこの戦争に反対したのです。
フランスも反対に回り、オバマは孤立。シリア戦争を「ドタキャン」せざるを得ない状況に追込まれました。

 2015年3月、「AIIB事件」が起りました。イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、イスラエル、オーストラリア、韓国等「親米国家群」がアメリカを裏切り、中国主導「AIIB」への参加を決めた。アメリカは、欧州やイスラエル、オーストラリア、韓国の裏切りを止めることが出来ませんでした。
そして、今回「人民元をSDR構成通貨にする」件。アメリカは、やはり止めることが出来なかったのです。

 因みに、主要な「国際金融機関」は2つあります。
1つは、国際通貨基金(IMF)。もう1つは、世界銀行。
そして、IMFのトップは、何時も「欧州人」。
世界銀行のトップは、何時も「アメリカ人」。
今回のIMFの決定は、アメリカ一極支配をぶち壊したい欧州が主導。アメリカは、「同意せざるを得ない立場」に置かれてしまったのでしょう。

● 2つの動きが同時に進行している

 このように、中国の影響力が強まる動きが起っています。そして、

■ アメリカの一極支配を打倒したい。
■ 中国と仲良くして儲けたい。
■ 距離的に遠いので、中国の「脅威」を感じない。

 欧州が、中国パワーの拡大を後押ししています。
しかし、一方で、「中国経済は、沈み行くタイタニック」というのもまた事実。
「昇る中国」と「沈む中国」。この2つが同時に起っている。
これは、「国家ライフサイクル」で言う、「成長期後期」の特徴なのです。


関連記事

テーマ : 考察
ジャンル :

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
最新記事
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。