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尖閣問題、米の公式反応

 「アメリカは、尖閣諸島の領有権に就いては特定の立場を取らないものの、日本の施政権下にあり、日米安全保障条約の適用範囲だ」という立場だそうです。中国は勿論、尖閣は中国固有の領土だと主張しています。
 米が日本の施政権を認めているのなら、さっさと軍事施設を建設し、陸自の1部隊を駐屯させたら良い。(実行は米側と慎重に協議の上で) 全島要塞化して人民解放軍が攻めて来たら、ロケット弾と重機関銃弾の雨を降らせてやるのです。
 併記したベトナム軍の動きを日本も少しは見習うべきです。彼の国は、先の大戦後、米国とも(ベトナム戦争)中国とも(中越戦争)戦って負けたことがない、世界一勇敢な誇り高き民族です。


米政府 尖閣周辺への中国船侵入に「状況を監視」
      8月10日 7時46分                NHK NEWS WEB
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160810/k10010629651000.html

 沖縄県の尖閣諸島周辺で中国当局の船による活動が活発化していることに就いて、アメリカ政府は日本政府と連絡を取合いながら状況を監視していることを明らかにしました。

 沖縄県の尖閣諸島周辺では今月5日以降、中国当局の船が領海侵入を繰返し、日本政府は中国側に強く抗議すると共に、事態の改善を強く求めて行く方針です。
これに就いて、アメリカ国務省のトルドー報道部長は、9日の記者会見で、「日本政府と緊密に連絡を取りながら状況を監視している」と述べました。
 そして、「アメリカは、尖閣諸島の領有権に就いては特定の立場を取らないものの、日本の施政権下にあり、日米安全保障条約の適用範囲だ」という立場を改めて示し、中国が一方的に緊張を高めないよう牽制しました。

 一方、南シナ海の問題を巡って、アメリカのシンクタンク、CSIS=戦略国際問題研究所が衛星写真の分析を基に、南沙諸島(英語名・スプラトリー諸島)で中国による軍用機の利用も可能な格納庫の建設が進んでいると指摘する報告書を9日迄に公表し、記者会見で質問が出ました。

 これに就いて、トルドー部長は「軍事拠点化しないという習近平国家主席の言葉を実行に移す心算があるのか疑念を招く」と中国政府を非難し、自制を求めました。


YAHOO! ニュース
EXCLUSIVE - ベトナムが南シナ海にロケット弾発射台を配備、「正当な権利」
      8月10日(水)10時15分            ロイター
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160810-00000026-reut-n_ame

 [香港 10日 ロイター] ベトナムが、領有権問題が生じている南シナ海の複数の島で密かに武装化を進めている。複数の西側当局者によると、同海域で中国が設置した滑走路や軍関係施設・設備を攻撃出来る移動式のロケット弾発射台を新たに配備したという。実効支配を進める中国との緊張が高まる可能性がある。

 複数の外交筋や軍当局者が、情報機関が入手した情報として明らかにしたところによると、ベトナムはここ数カ月間に、ロケット弾発射台を南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)の5拠点に送った。発射台は空からは見えないようになっており、ミサイルは未だ設置されていないが、2─3日で態勢を整えることが可能という。

 ベトナム外務省は、詳細には踏込まず、情報は「不正確」と述べた。

 6月、ベトナム国防省の Nguyen Chi Vinh 次官(グエン・チー・ヴィン上将)はロイターに対し、スプラトリー諸島に発射台や武器を配備してはいないが、そのような措置を講じる権利はある、と語っていた。

 同次官は「我々の主権の及ぶ領域内で、何時何処にでも如何なる武器を動かそうとも、それは自衛のための我々の正当な権利である」と話した。

 ベトナムのロケット発射台配備は、スプラトリー諸島で中国が造成する7つの人工島の設備増強に対抗することが狙い。ベトナム軍の戦略担当者は、中国による滑走路建設やレーダー設置等により、ベトナム南部及び島の防衛が脆弱になることを懸念している。

 軍事アナリストは、今回のベトナムの動きがここ何十年もの間で、南シナ海に於ける最も大きな防衛行動と指摘している。

 フィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した裁判で、中国の主張を否定する裁定が下され、緊張の高まりが予想される中、ベトナムはロケット弾発射台の配備を必要としていたと、外交筋は語る。

 ベトナム、中国、台湾がスプラトリー諸島全域の領有権を主張している一方、フィリピン、マレーシア、ブルネイはその一部の領有権を主張している。中国国防省はロイターに対し、「中国軍は、南沙諸島周辺の海上と上空の状況を厳重に監視し続けている」と、ファクスでこう回答した。

最新のロケットシステム

 外交筋と軍事アナリストは、ベトナムが配備した発射台は、最近イスラエルから購入した最新鋭のEXTRA・ロケット弾発射装置システムの一部だと見ている。

 射程距離は最大150キロメートルで、重量150キロクラスの様々な弾頭を搭載出来る。複数の標的を同時に攻撃することも可能だ。

 この最新システムによって、ベトナムは、南沙諸島の渚碧礁(スビ礁)、永暑礁(ファイアリークロス礁)、美済礁(ミスチーフ礁)で中国が建設した長さ3000メートルの滑走路と施設を、自国が領土とする21の島嶼(とうしょ)と岩礁の多くから射程に入れることが出来る。

 「ベトナムがEXTRA・システムを入手した時、スプラトリー諸島に配備されるだろうと常に思われていた。それは完璧な武器となる」と、ストックホルム国際平和研究所で武器専門のシニアリサーチャー、シーモン・ウェゼマン氏は述べた。

 ただこれ迄のところ、発射実験を行なったり、移動させたりした様子はないという。


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テーマ : 気になること・もの
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尖閣でドンパチをやるか?

 このクソ暑いのに昼寝を叩き起すような記事が2件入っています。これ等を私のブログに編入するのは、そこそこメンドクサイのでリンクを貼っておきますから、真面目な方は読んでおいて下さい。必要なら後で編集しておきます。(本心では今回も大事にはならない、と多寡を括っているということ。私の策戦は敵を罠に掛けるように、徹底的に敵失を誘うこと。国際社会が文句の付けようの無い(「ハーグ裁定」のような)大義名分さえ立てば、自衛隊は精強無敵です。負けるのは何時も戦略レベル。バカ日本人が!)
参考記事: 「中国船領海侵入の実態を公表…政府、異例の対応
読売新聞 8月9日(火)21時6分配信



1.[RPE]★ 人民解放軍が尖閣に上陸したらどうする?
         ロシア政治経済ジャーナル No.1428
        2016/8/9             (北野幸伯)
http://archives.mag2.com/0000012950/20160809000000000.html)      


2.「日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信」( http://www.realist.jp
尖閣で日本が採るべき戦術を「孫子」的にクリエイティブに考えてみた

【ニコニコ生放送】2016/08/09(火) 開場: 20:57 開演: 21:00
奥山真司の「アメ通 LIVE!」|THE STANDARD JOURNAL 2
http://live.nicovideo.jp/watch/lv270734010

 おくやまです。

東シナ海の尖閣沖で、中国が日本に大きなプレッシャーを与えて来ていることは、皆さんも既に御存知だと思います。
 
・ 尖閣周辺に約230隻の中国漁船、武装した海警船も(http://goo.gl/Hxig5t) 2016年 08月 6日 17:34 JST

・ [東京 6日 ロイター] - 外務省は6日、
 東シナ海の尖閣諸島(中国名:魚釣島)の接続水域で中国の漁船約230隻と海警局の船6隻を確認し、中国側に抗議したと発表した。
これ程の多くの中国漁船が同接続水域に入るのは異例。海警局の船の内、3隻は武装しているという。
 外務省のアジア大洋州局長は同日午前、在日中国大使館の公使に対し、領海内に入らず、接続水域からも退去するよう求めた。更に、一方的に緊張を高める行為だとして強く抗議した。

 これに就いて、軍事的に対決姿勢を徹底的に見せるというものから、一緒に酒を飲み交す迄(?)、日本側にとっては様々なオプションがあるという意見があるでしょう。

 しかし、現実的に考えてみると、日本政府が出来ることと言えば、残念乍「外交チャンネルを通じて抗議する」ということくらいでしょうか。
実際に上の記事でも分るように、日本政府は取敢えず抗議はしているみたいですが、本気で尖閣を取りに来ている相手には、これも殆んど意味をなさないでしょう。

 かくして私は、尖閣事案に就いては非常に悲観的でありまして、専守防衛で軍事的脅しの裏付けも低い日本が、このように「サラミスライス」的に既成事実を積上げて来る中国側の動きを抑止することは無理だろうと見ています。

 但し絶対に行なわれないだろうが、ひとつだけ中国側にとって強力な抑止効果となる可能性のあることを想像しない訳でもありません。
それは「相手と同じことをすること」です。
           (中略)
 具体的にどういうことかというと、
個別の敵に適合させて(仕立てる、テーラードする)、こちら側がどのような手段で抑止して行くのかを決めて行こう、ということなのです。

 そうなるとただこちら側の手段だけではなく、必然的にその相手を調べるためにインテリジェンスの機能が重視されて来ます。

 それは兎に角、この「テーラード抑止」という考え方は、孫子でいう「敵を知り」を徹底して行ない、相手の嫌がる手段を研究して、それに合せてこちらも対抗手段を考えて牽制しましょうね、ということなのです。

 さて、これを現在の尖閣周辺に大量の船を寄越している中国に当嵌めて考えた場合はどうなるでしょうか?

 ひとつの案ですが、日本も中国の真似をして、例えば大量の漁船を連れた海保(と海自)の船が、日中中間線付近で操業している中国のガス田の構造物(レーダー搭載)の付近を航行する、というのはどうでしょうか?
 勿論、日本政府はこのようなことを実際は出来ませんし、始めからする気もないでしょう。

但し、中国というのは、以前から「自分達がやられたら嫌がる事を敢えてやる』という、何と言うか「無理矢理お互様』を手段として使って来ることが多いのです。

 ならば日本もそれに習って、当に中国のやり方に適合(テーラード)させて、同じように大量の漁船を連れて中国の領海付近に行く、というのも一つの抑止手段となる可能性があるのです。

 「いやはや、そんなの無理ですよ、日本には出来ませんよ」というのはご尤もでしょう。但し、皆さんに戦略的に考えて頂きたいのは、只いたずらに抗議をするだけではなく、戦線を拡大したり、敢えて相手の嫌がることを想像力を働かせて考える、ということなのではないでしょうか?
 戦略に特効薬はありません。但し、柔軟な考えで様々なオプションを考えて置くというのも、今の尖閣事案に直面する日本政府には必要なのです。(おくやま)


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英のEU離脱と中国軍の挑発

 前記事と同じテーマを取上げた黄 文雄氏の論説を御紹介致します。情報の密度はこちらの方が濃いものの、「RPE」がしっかりした歴史観と戦略眼を持っていることが、数多の論客の中で「群鶏の一鶴」たらしめていることを御理解頂けると思います。
         

MAG2 NEWS
英国のEU離脱で、何故中国軍が日本に「攻撃動作」を仕掛けるのか?
        2016.06.3             黄 文雄         
http://www.mag2.com/p/news/209660~/5)

 世界中に衝撃を与えた英国民の「EU離脱」という選択。この責任を取りキャメロン首相が辞意を表明しましたが、これら一連の流れが中国にとってかなりの痛手になると、メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』の著者で評論家の黄文雄さんは分析します。更に、この離脱劇を境に中国の軍事行動が頻発する、とも。一体なぜ? そこには世界の経済状況にいとも容易く振回される「中国の体質」に問題があるようです。

【中国】英EU離脱で中国の軍事行動が頻発する

中国、キャメロン首相辞任は痛手か 元安阻止で介入観測 市場混乱を警戒

 6月23日、イギリスのEU離脱を問う国民投票に於いて、賛成票が多数となりました。投票日の世論調査では残留がほぼ確実視されていただけに、離脱が決定されたことによるショックが世界を駆巡りました。

 キャメロン首相は当日に首相辞任を表明しましたが、これは中国にとっても大きな痛手となるでしょう。キャメロン首相は昨年の10月に習近平が訪英した際、「英中関係は黄金時代を迎えた」と自画自賛していました。

 勿論キャメロン首相も、欲しかったのは中国のカネであり、別に中国と本当に親密になりたかった訳ではないでしょうが、しかしこのキャメロン政権の親中姿勢に対しては、イギリス国内でも色々と批判もありました。

 チベットに於ける人権問題で批判的なチャールズ皇太子は習近平への晩餐会を欠席しましたし、今年の5月にはエリザベス女王が「習近平の訪英団一行はとても失礼だった」と発言したことが、世界的なニュースとなりました。

 これ迄旧英国領だった香港にしても、中国政府によるデモへの弾圧や、習近平批判本を販売していた書店関係者が中国当局によって拉致・拘束されるといった人権弾圧が繰返されています。

 一応、イギリス外務省も、香港返還の際に「一国2制度を50年間は堅持する」と決めた英中共同声明に違反するということで抗議はしていますが、キャメロン政権の親中姿勢が、こうした中国の香港への強権姿勢を助長してしまった面も否定出来ないでしょう。

英国外務省が「共同声明違反」と指摘 「本人の意思に反して中国本土に移送された」

 それ故、先の国民投票では、EU離脱派のみならず、中国に急接近するキャメロン政権への批判票も多数あったと目されています。先のエリザベス女王の発言も、政権批判の材料として使われていました。

 何れにせよ次期首相が焦点となりますが、これ迄ポスト・キャメロンの最有力候補と目されていた財務大臣で残留派のジョージ・オズボーンの可能性はかなり小さくなったと見て良いでしょう。

 しかもオズボーンは英中接近を裏で演出した立役者と言われています。習近平の訪英1カ月前の昨年9月末、オズボーンはキャメロン首相の名代として中国を訪れ、習近平に招待状を渡しました。しかも中国当局による弾圧が続いている新疆ウイグル自治区を訪れる等、中国の人権問題を黙認・容認する態度だったのです。

 このようなイギリス政府の対中接近の姿勢に対して、英誌エコノミストは「オズボーン主義」と呼びました。また、ダライ・ラマ法王は「金、金、金。道徳は何処に行ったのでしょう?」と痛烈に皮肉っています。

習近平訪問に沸き立つ英国、人権を棚上げしチャイナマネー獲得に躍起―英国

 イギリスがAIIBへの参加をいち早く決定した背景にも、このオズボーンの後押しがあったとされており、また昨年夏にキャメロン首相が東アジアを訪問した際、シンガポール政府は南シナ海や東シナ海での安全保障に関する発言を期待していたものの、中国に配慮して全く何の発言もなかったことも、オズボーンによる制止があったと言われています。

親中への転換に大きく傾く英国
 
 そこ迄中国に肩入れしていた「次期首相候補」の目がなくなるということは、中国にとって非常に痛い筈です。

 オズボーンに代って次期首相の最有力候補となっているのが、離脱派の先頭を走っていたボリス・ジョンソン前ロンドン市長です。歯に衣着せぬ物言いで、「イギリスのトランプ」とも評されていますが、彼の対中姿勢に就いては今一つ明確ではありません。

 2013年に中国を訪問した際には、イギリスの子供達に対して「中国を勉強することが将来に役立つ」と呼掛けたり、「私は中国が大好きだ。ここは特別な場所。中国文化に対する理解が深まるに連れ、それに対する称賛も増える筈」と発言する等、やや中国寄りな姿勢が目立ちましたが、2005年には「英国の子供達に中国語等習わせる必要はない。中国が世界を統治する筈がない」とも発言しています。

 また、ボリス・ジョンソン氏は2008年の北京オリンピックの際に、次期オリンピック(ロンドン・オリンピック)の市長ということで閉会式に出席しましたが、この時、スーツのボタンを閉めていなかったことで中国のネットユーザーから「無礼だ」と批判されました。これに対してジョンソン氏は、五輪開催に際して中国を批判した人権活動家達の言葉を引合いに、「開放性、透明性、個人の自由という方針に従いたかっただけだ」と皮肉交りに答えています。

しかもこの北京五輪には、ロンドン副市長もスポンサー集めのために訪中したのですが、バーで出会った美女によるハニートラップに引っ掛かって、重要資料を盗まれたことが明らかになっています。

北京五輪で訪中のロンドン副市長、美人スパイの色仕掛けでめろめろに!重要資料盗まれる―英紙

 ジョンソン氏はこの時の上司ですから、中国の遣り方に就いても良く解っていると思います。また、オズボーンが極端な対中接近で女王陛下からも暗に批判されただけに、同じ轍は踏まないようにするでしょう。

 とは言え、経済的混乱に加えて、スコットランドや北アイルランドの独立問題の再燃等によってイギリスの弱体化が進めば、再び札びら外交を展開して来る中国に靡く可能性もあります。

 一方、中国はイギリスの影響でEUから離脱する国が増えれば、EU迄中国主導の経済圏を広げようという「新シルクロード構想」は完全に瓦解してしまいます。また、脱人民元を進めている中国企業はユーロ債券を大量に購入していますが、ユーロが暴落すれば、これらの債券は紙屑となり、中国経済に深刻な影響を与えるでしょう。

欧州版QEを背景に、中国企業がユーロ債券市場に殺到

 今回のイギリスの国民投票の結果は、迫り来るEU激変の序の口に過ぎません。フランス、オランダを始めEU主要国の内部でも意見の対立があります。しかもドイツ、フランス、オランダは2017年に選挙があり、EU離脱派、懐疑派も年々その勢力を拡大しています。

 EUは一つの方が良いか、多くのヨーロッパ国の方が良いかということが問われることになると思いますが、19世紀から20世紀に掛けても、世界では一時的に合邦国家という国の形が流行りました。

 イギリス等の連合王国のみならず、日本もグレートブリテンをモデルに、琉球や台湾、朝鮮を糾合して大日本帝国を創りました。また、ユーゴやソ連もそうした合邦国家の代表格でした。

 しかし時代と共に、多くの国に分離独立することが理想となったり、大きな集合国家になることが理想となったり、揺れ動いて来たというのがここ200年の世界の動向でした。その意味でも、イギリスのEU離脱は21世紀に於ける歴史的な「事始め」となるでしょう。

 勿論、英EU離脱はアメリカの大統領選挙にも大きな影響を与えます。トランプが大統領に選ばれる可能性が益々現実味を帯びて来ます。こうして各国で保守の流れが強くなると21世紀の国際関係はどうなって行くのか。20世紀はコミュニズムを始めコスモポリタン的な主義や思想が一世を風靡しました。

 しかし私は、21世紀は文化と文明が対立する時代になると予想しています。というのも、国の文化とはその国独自のものです。一方で文明とは普遍的であり、如何なる国にも受入れられるものです。つまり、ユニークな考えとコスモポリタン的な考えの対立が起るということです。それが反グローバリズムの最大のテーマとして顕在化して来るでしょう。

 伊勢志摩サミットの際、安倍首相は既に「世界経済はリーマン・ショックの前後と近い状況にある」と予見し、消費税先送りの理由としていました。キャメロン首相は「リーマン・ショックに近い等というのは大袈裟だ」と同調しなかったようですが、そのキャメロン首相が英国発の大混乱の責任を取って、サミットから1カ月も経たずに辞任せざるを得なくなったのは皮肉なことです。

 そして今、世界経済の最大のリスクは、このEU問題と中国問題です。ある意味で、ユーロも中国も、かなり際どい経済状況をお互いに何とか誤魔化していた部分があります。イギリスのEU離脱によって、遂にその誤魔化しも利かなくなり、大破局へと進む可能性があります。中国は欧州や中近東に対して兆円単位の経済協力を持ち掛けていますが、それも殆んどが口だけで計画倒れに終りそうです。

 同時に、こうした危機感からか、中国の南シナ海や東シナ海での挑発がエスカレートして来ています。先日は、スクランブル発進した日本の空自機に対して、中国軍機が攻撃行動を行なったといった報道もされています。極めて危険で深刻な事態です。

中国機「空自機に攻撃動作」 元空将、ネットで公表

 世界情勢の急速な変化で中国経済も厳しさの度合いを増しています。通商国家は相手国の経済状況に振回されることは避けられません。貿易依存度が高い韓国や中国は最早、通商国家として生きる道しかなく、世界経済の影響を諸に受けてしまいます。

 それだけに、このような状況下では、特に中国の軍事的冒険主義が頻発して来る可能性が高まります。資源・領土獲得への志向が強まると共に、国内のガス抜き、更に権力闘争の激化が他国への軍事行動に繋がり易いからです。中越戦争も鄧小平の権力闘争が一因でした。

 経済と国防は安全保障問題でもあります。貿易依存度が低い日本にとっては、今回の英EU離脱の混乱は、強靭な生命力の国造りを今一度考えるための契機とすべきでしょう。


テーマ : 検証
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中国の挑発に乗るな

 本件に就いては、当ブログでも既に報じていますが、「ダイヤモンドオンライン」さんに「RPE」の見解が纏った形で投稿されていますので、転載させて頂きます。

 とにかく、ここは無法なヤクザに絡まれた高倉の健さん宜しく決して挑発に乗らないことです。中国側から理不尽に仕掛けて来たと国際社会が認める紛争なら、負ける心配はありません。ただ、日本もいざとなれば、武力行使も辞さない覚悟は決めて置きましょう。その時、反日左翼共が騒ぐのは必至ですから、メディア対策もしっかり。


中国は戦前の日本と同じ過ちを犯し自滅に向っている
      2016年7月4日            北野幸伯
http://diamond.jp/articles/-/94064~?page=4)

 参議院選挙や英国のEU離脱の陰に隠れて目立たないが、中国は日本への挑発を続けている。挑発を年々エスカレートさせている中国。尖閣を巡って日中が戦争になる可能性は、強まっている。しかし大局を見れば、中国は戦前の日本と同じ過ちを犯し、自滅に向っている。

挑発の動きを強める中国、真の狙いは何か?

 中国軍艦は6月9日、尖閣周辺の接続水域に入った。そして、6月15日には、鹿児島県・口永良部島周辺の領海に入っている。この2つの挑発に就いて、順番に見てみることにしよう。先ず、中国軍艦が6月9日、尖閣周辺の接続水域に入った件に就いて、産経新聞6月10日から。

 <防衛省等によると、9日午前0時50分頃、中国海軍のジャンカイI級フリゲート艦1隻が久場島北東の接続水域に入ったのを海上自衛隊護衛艦「せとぎり」が確認。フリゲート艦は約2時間20分に亘って航行し、午前3時10分頃、大正島北北西から接続水域を離れた。>

 これは、何を意味するのだろうか? 中国は、年々挑発のレベルをエスカレートさせている。その行動には一貫性があり、戦略的な動きと見るべきだろう。

 ここで少し、中国の動きに就いて振返って見よう。

 2008年、米国発「100年に1度の大不況」が始まった。09年、世界中の多くの人が、「米国の時代は終り、中国の時代が来た」と思った。(09年、米国のGDP成長率はマイナス2.78%だったが、中国はプラス9.2%だった。更に、10年10.61%、11年9.46%成長。中国のGDPは日本を抜き、世界2位に浮上した)

 10年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」が起る。どう見ても中国が悪いのだが、同国は日本に「レアアース禁輸」等過酷な制裁を課し、世界を驚かせた。この時期から、中国政府の高官達は、「尖閣は、我国『固有の領土』であり、『核心的利益』である」と世界中で公言し始めた。

 12年9月、日本政府、「尖閣国有化」を決定。これで、日中関係は「戦後最悪」になってしまう。以後、中国は、「領海侵犯」、「領空侵犯」を繰返すようになって行く。12年11月、中国は、ロシア、韓国に「反日統一共同戦線」の創設を提案。中国の代表団はモスクワで、「日本には尖閣ばかりか、沖縄の領有権も無い」と断言した。(「反日統一共同戦線」戦略の詳細はこちらを参照)。

 13年11月、中国は尖閣も含む「防空識別圏」を設定。このように中国は10年以降、特に12年9月の「尖閣国有化」以降、徐々に挑発をエスカレートさせている。「反日統一共同戦線」戦略で宣言されているように、中国は「日本には尖閣の領有権も沖縄の領有権も無い」とはっきり主張している。その上で、挑発行動を徐々に強めているのだから、「先ず尖閣を、その後、沖縄を奪うことを意図している」と考えるのが自然だ。

中国に付合わされたロシア、“二枚舌外交”でモタモタする米国

 ところで、上に挙げた記事には、重要な続きがある。実を言うと、この時、接続水域に入ったのは、中国鑑だけではなかったのだ。再び産経新聞6月10日付。

 <これに先立ち、8日午後9時50分頃、ロシア海軍のウダロイ級駆逐艦等3隻が尖閣の久場島と大正島の間を南から北に向って航行しているのを海自護衛艦「はたかぜ」が確認した。9日午前3時5分頃に接続水域を離れた。>

 中国より先に、ロシア軍艦が入っていた。これは、当然「中国とロシアが一体化して行動した」と見るべきだろう。米国も、「中露が日米同盟を牽制している」と受止めている。

 <尖閣接続水域侵入 米政府、日米同盟揺さぶりに警戒 自衛隊と連携し監視
        産経新聞 6月10日(金)7時55分配信
 【ワシントン=青木伸行】 米政府は8日、中国、ロシア海軍の艦船が尖閣諸島周辺の接続水域に一時入った事態に就いて、日本と日米同盟への牽制(けんせい)と受止め、自衛隊と緊密に連携し警戒監視活動に当っている。政府は、「状況に就いて報告を受けており、日本政府と連絡を取っている」(国務省東アジア・太平洋局)と強調している。>

 ロシアのこの行動、世界情勢を追っている人には、不思議に感じられるだろう。安倍総理とプーチン大統領は5月6日、ロシアのソチで会談。「両国関係は劇的に改善された」のではなかったか? また、このシリーズでもしばしば取上げているように、「AIIB事件」以降、米国は中国を「主敵」と定め、ロシアと和解し始めたのではなかったか?

 これは、そのとおりである。15年3月、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オーストラリア、イスラエル、韓国等親米諸国群が、米国の制止を無視し、中国主導「AIIB」への参加を決めた。

 米国はこれで、「中国は覇権迄、あと少しの距離にいること」を痛感した。それでオバマは、中国以外の問題、具体的には「ウクライナ問題」、「イラク核問題」、「シリア内戦」を「アッ」という間に解決した。国力を「中国との戦い」に集中させるためだ。オバマは、これら3つの問題を解決する過程でロシアとの協力を深め、米露関係は良好になって行った。
 
 しかし、ここに米国の複雑な事情がある。オバマと国務省は、「中国と対峙するためにロシアと和解する」という「リアリズム外交」を行なっている。しかし、米国防総省は「中国もロシアも封じ込める」という、「単独覇権戦略」を今も継続しているのだ。具体的には、NATOの強化と拡大である。

 NATOは、「反ロシア」の「巨大軍事同盟」で、ソ連崩壊後、拡大を続けている。嘗てロシア(正確にはソ連)の影響下にあった東欧諸国も、ロシア(正確にはソ連)の領土だったバルト三国も加盟している。更に米国は、旧ソ連国でロシアの隣に位置するウクライナやグルジアを、NATOに加盟させたい。

 オバマ・国務省の「和解路線」と、国防総省の「対立路線」。この「二面外交」がプーチンを不審にさせ、「事実上の同盟国」である中国から離れることが出来ないのだ。つまり、今回のロシア軍艦の動きは、「中国に依頼された」ということだろう。それ以外の理由は、見当らない(「米国の外交が分裂している」と書くと、「そんなバカな!」と思う人もいるかも知れない。しかし、省によって、ある国へのアプローチが違うことは、よくあることだ。例えば、米財務省は明らかに「親中」だが、国防総省は、はっきりと「反中」である)。

中国軍艦の領海侵入をスルーした!?、憂慮すべき日本メディアの「平和ボケ」
 
 次に、2つ目の挑発に就いて見てみよう。

 <中国軍艦が一時領海侵入 口永良部島周辺海域 海警行動は発令せず
          産経新聞 6月15日(水)11時7分
 防衛省は15日、中国海軍の艦艇が鹿児島県の口永良部島周辺の領海に入ったと発表した。同海域の領海に中国艦が入るのは初めて。中国艦は既に領海を出ている。自衛隊に対して海上警備行動は発令されていない。政府は警戒監視を強めて情報収集を進めると共に、中国の意図の分析を急いでいる。>

 この出来事に就いて、知らなかった人も多いかも知れない。新聞には出ていたが、テレビニュースでは、完全にスルーされていたからだ。確かにこの日は、「舛添東京都知事辞任」、「イチロー偉業達成」、「北海道地震」等、大きなニュースが沢山あったのも事実だ。しかし、中国軍艦の「領海侵入」という国家の安全保障にとって重大なニュースを完全に無視する日本のテレビはどうなっているのだろうか?

 「メディアが国民の『平和ボケ』を助長している」と批判されても仕方ないだろう。

 「知らぬが仏」と言う。中国が日本への挑発をエスカレートさせている事実を知らなければ、心穏やかに暮すことが出来、夜は熟睡することが出来るだろう。逆に、日本と中国の間で何が起きているか事実をはっきり知れば、安心して眠ることが出来なくなるかも知れない。

 ただ、今回に関しては幸いなことに、日本国民がスルーをしても、大局的には問題が少ないと言える。確かに、中国に対して油断することは決して出来ないのだが、大きな流れで見れば現在、日本はどんどん有利になっているのだ。

 何故か? 15日の領海侵犯の意図に就いて、産経新聞6月15日付は、以下のように書いている。

 <防衛省幹部は中国の狙いに就いて「10日から同海域で行なっている日米印共同訓練『マラバール』に参加しているインド艦艇2隻を追尾した可能性もある」との見方を示している。>

 そう、日本、米国、インドは6月10日から、共同軍事訓練を実施していたのだ。この訓練は、元々米国とインドが行なって来た。しかし、昨年から日本も参加することになり、日米印の安保面での連携が、強固になって来た。この訓練の目的は、勿論「対中国」である。中国は、この訓練に激怒して「挑発した」というのだ。実際、中国はインドに対しても、酷い挑発をしている。

 <中国軍がインド北部に侵入 領有権主張、日米との連携強化に反発か 
            産経新聞 6月15日(水)19時18分
 【ニューデリー=岩田智雄】 インドと中国が領有権を争い、インドの実効支配下にある印北部アルナチャルプラデシュ州に今月9日、中国人民解放軍が侵入していたことが分った。印国防省当局者が15日、産経新聞に明らかにした。
中国は、インドが日米両国と安全保障で連携を強めていることに反発し、軍事的圧力を掛けた可能性がある。中国兵約250人は、州西部の東カメン地区に侵入し、約3時間滞在した。>

 日本に対してだけではない!
米国、インドをも挑発して墓穴を堀る中国。更に、中国は、米軍に対しても挑発行動をしている。

 <中国艦、領海侵入した日に日米印の共同軍事訓練で米空母を追尾
        ロイター 2016年6月15日(水)20時40分配信
 中国の軍艦が日本領海に侵入した15日、沖縄本島の東方沖で行われている日、米、インドの共同軍事演習「マラバール」にも中国艦の影がちらついた。
3カ国は対潜水艦戦などの訓練など通じ、海洋進出を強める中国をけん制しようとしているが、中国は情報収集艦を派遣して米空母を追尾した。>

 ここ迄で解ることは、何だろうか? 中国は、日本だけではなく、米国、インドに対しても挑発行動をしている。しかし、これはむしろ「逆効果」だ。中国の行動で、日本、米国、インドが、「怖いから協力関係は解消しよう」とは決してならない。むしろ、日米印は「対中国」で協力関係を深化させて行くことだろう。つまり中国は、「墓穴を掘っている」のだ。

 「日本は何故先の大戦で負けたのか?」――。色々答えはあるだろうが、筆者は「孤立したから負けた」と考えている。日露戦争が終った1905年当時、日米英の関係は非常に良好だった。しかし、日本は同年、(戦勝の結果、ロシアから日本に移譲された)「南満州鉄道を共同経営しよう」という米国の提案を拒否。戦時中、多額の資金援助をしてくれた同国との仲を悪化させてしまう。

 次いで日本は、第1次大戦(1914~1918年)中、同盟国英国の再三の「陸軍派兵要求」を拒否し続け、同国に「日英同盟破棄」を決意させてしまった。(1923年に失効) 日英同盟失効から10年後の1933年、日本は「満州国建国」に反対されたことを理由に、国際連盟を脱退し、国際的に孤立した。

 結果、1937年に日中戦争が始った時、日本は、米国、英国、ソ連、中国を敵に回していたのだ。

 これでは勝てる筈がない。そもそも、日本が満州に進出した安保上の理由は、ロシア(後にソ連)の「南下政策」を阻止するためだった。もし米国を「南満州鉄道」に入れておけば、どうなっただろう? 米国が「ロシアの南下」を阻止するので、日本の脅威は大いに減っていた筈だ。ところが実際の日本は孤立し、破滅した。

 中国は今、当時の日本と同じ道を突進んでいる。中国は、日本、米国、インドを愚かにも同時に挑発している。南シナ海では、ベトナム、フィリピン、インドネシア等と争っている。一方で、北朝鮮の暴走を事実上黙認しているので、子分だった韓国も、日本と和解して米国の影響下に戻ってしまった。

 チャイナマネーに目が眩んだ欧州は、「AIIB」や「人民元のSDR構成通貨問題」で、米国を裏切り、中国についた。しかし、中国経済は今年からはっきり「世界のお荷物」になっており、「金の切目が縁の切目」とばかり、欧州諸国も露骨に態度を変えて来ている。

 中国の挑発は今も続き、益々エスカレートしている。しかし、孤立を免れている日本は、孤立に向っている中国より有利な立場にいる。勿論、油断は禁物。日本は先の大戦の教訓を活かし、「孤立」しないよう、くれぐれも慎重に進む必要がある。


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中国軍機、空自機攻撃は誤報

 騒ぎの元になった織田邦男元空将の記事(下記参考記事)は、私も昨日の朝、「およよ」さんと「ねずさん」のブログで見て知っていました。特にねずさんの記事は「ついに支那が対日軍事行動を開始」というタイトルでかなりセンセーショナルなものでした。
 しかし、私は心を鎮めて自分の心に尋ね、「中国軍機がミサイルを発射したというのはおかしい」と直感していました。日米同盟が強固な現在、中国側が戦争を仕掛けて来る筈がないからです。あく迄、挑発行為の範囲内です。日本側が挑発に乗って中国軍機を撃墜するようなことでもない限り、戦争にはなりません。ねずさんにその判断が出来なかったとは残念なことです。反面、「RPE」関係者のレベルの高さを示す1例でもあります。(参考記事: 「【RPE】日米印を敵に回した中国」


萩生田光一官房副長官「中国軍用機の攻撃受けた事実ない」 元空将のネットニュースで
     2016.6.29 12:49             産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/160629/plt1606290041-n1.html

  萩生田光一官房副長官は29日午前の記者会見で、元航空自衛隊幹部がインターネットのニュースサイトで、東シナ海上空で中国軍機が空自機に攻撃動作を仕掛けたとする記事を発表したことに就いて「攻撃を掛けられたという事実はない」と述べた。

 萩生田氏は「6月17日に中国軍用機が南下し、自衛隊機がスクランブル発進をしたことは事実」とした上で「攻撃動作やミサイル攻撃を受けたというような事実はない」と説明した。

 また、記事に関し「現役(自衛官)の応援の意味も含めての発信だと思うが、国際社会に与える影響も大きい。内容に就いては個人的には遺憾だ」と述べた。

 元航空自衛隊航空支援集団司令官の織田邦男元空将は28日に中国軍機が「攻撃動作を仕掛け、空自機がミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱した」とする記事を発表していた。


空自機へ攻撃動作「事実無根」=中国大使館
      2016/06/29-19:21         時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016062900817&g=pol

 航空自衛隊の元空将が、中国軍機が空自機に「攻撃動作を仕掛けた」とする記事をインターネット上で公表したことに就いて、在日中国大使館の薛剣(せつ けん)報道官代理は29日の記者会見で、「全く事実無根」と否定した。その上で「人為的な誇張や煽りは、関連問題の処理と解決、中日関係改善のプロセスに悪影響を齎す」と指摘した。


参考記事
東シナ海で一触即発の危機、ついに中国が軍事行動
中国機のミサイル攻撃を避けようと、自衛隊機が自己防御装置作動

     2016.6.28(火)              織田 邦男
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47196~?page=4)

 6月9日、中国海軍ジャンカイ級フリゲート艦1隻が尖閣諸島周辺の接続水域に侵入した。これ迄公船(海警)が接続水域や領海に侵入して来ることは、しばしばあったが、中国海軍が尖閣諸島周辺の接続水域に入ったのは初めてである。

 その6日後の15日、今度は中国海軍ドンディアオ級情報収集艦が口永良部周辺の領海を侵犯した。2004年、中国海軍漢級原子力潜水艦が先島諸島周辺の領海を侵犯して以来、2回目の事案である。

 中国国防省は「トカラ海峡は『国際航行に使われている海峡』で、自由に航行出来る」と正当性を主張している。だが日本政府は「屋久島や奄美群島付近のトカラ海峡は国際的な船舶航行が殆んどなく、国連海洋法条約で定める『国際海峡』には該当しない」と反論し懸念を示した。
       
 国際法上、領海内の無害通航は認められている。ただ中国は自国の領海に於いては、「無害通航」に就いても事前承認を求めている。今回はダブルスタンダードの非難を避けるために、敢えて「国際海峡」を主張したものと思われる。

一触即発の東シナ海上空

 この時、日米印3カ国の共同訓練に参加するインド軍艦が航行しており、中国軍は共同訓練を監視する目的があったことは確かである。その翌日の16日、今度は沖縄・北大東島の接続水域に同じ中国海軍情報収集艦が侵入している。

 これら海上の動きと合せるように、東シナ海上空では、驚くべきことが起りつつある。中国空海軍の戦闘機が航空自衛隊のスクランブル機に対し、極めて危険な挑発行動を取るようになったのだ。

 東シナ海での中国軍戦闘機による米軍や自衛隊の偵察機への危険飛行は、これ迄にもしばしば生起している。他方、中国軍戦闘機は空自のスクランブル機に対しては、一定の抑制された行動を取って来たのも事実である。

 武装した戦闘機同士がミサイル射程圏内でまみえると、一触即発の事態になりかねない。そういうことに配慮してだろう、中国軍戦闘機は空自戦闘機とは一定の距離を保ち、比較的抑制された行動を取って来た。

 これ迄中国軍戦闘機は東シナ海の一定ラインから南下しようとはせず、空自のスクランブル機に対しても、敵対行動を取ったことは一度もなかった。

 だが今回、状況は一変した。中国海軍艦艇の挑戦的な行動に呼応するかのように、これ迄のラインを易々と越えて南下し、空自スクランブル機に対し攻撃動作を仕掛けて来たと言う。

 攻撃動作を仕掛けられた空自戦闘機は、一旦は防御機動でこれを回避したが、このままではドッグファイト(格闘戦)に巻込まれ、不測の状態が生起しかねないと判断し、自己防御装置を使用しながら中国軍機によるミサイル攻撃を回避しつつ戦域から離脱したという。

 筆者は戦闘機操縦者だったので、その深刻さはよく分かる。まさに間一髪だったと言えよう。冷戦期にもなかった対象国戦闘機による攻撃行動であり、空自創設以来初めての、実戦によるドッグファイトであった。

 日中共に戦闘機はミサイルを搭載し、機関砲を装備している。武装した戦闘機同士がミサイル射程圏内で遭遇する訳である。戦闘機同士が一旦格闘戦に陥ると、空中衝突やミサイル発射に至る可能性は十分にある。

 規律の厳格な空自戦闘機操縦者が先にミサイルを発射することは先ずあり得ない。だが中国空軍の戦闘機パイロットは経験も浅く、何をするか分からない。

 2001年、海南島沖の公海上空を飛行中の米海軍EP-3電子偵察機に対し、中国空軍J-8戦闘機がスクランブルを掛け、挑発行動を取った挙句衝突したことは記憶に新しい。

外交手段を取らない日本政府

 今回の事例は極めて深刻な状況である。当然、政府にも報告されている。だが、地上ではその深刻さが理解し辛い所為か、特段の外交的対応もなされていないようだ。だからニュースにもなっていない。問題は、こういった危険な挑発行動が単発的、偶発的に起った訳ではなく、現在も続いていることだ。

 これら上空での状況は、海上での中国海軍艦艇の動きとは比較にならないくらい大変危険な状況である。政府は深刻に受止め、政治、外交、軍事を含めあらゆる観点からの中国サイドに行動の自制を求めるべきである。
 しかしながら、参議院選挙も影響してか、その動きは極めて鈍い。
何故今、中国は海上、航空の2つの領域でこういう挑発的な行動に出て来たのだろう。現段階で確たることは言えないが、偶発的事案とは言えないことだけは確かだ。
              (以下省略)


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失注で良かった豪次期潜水艦

 当ブログの過去記事「豪次期潜水艦共同開発国、仏に決定 (04/28)」の正しさを裏付ける内容です。「RPE」に何度か登場したAJCN(※)の代表・山岡鉄秀氏によるこの記事、「アゴラ」という言論プラットフォームで人気ランキング1位を取ったそうです。さすが、「RPE」に繋がる人脈は一流ですね。 ※ AJCN: Australia-Japan Community Network



「アゴラ」
失注で良かった! 豪州潜水艦
2016年04月30日 06:00          山岡 鉄秀    
http://agora-web.jp/archives/2018920.html

 豪州の次期潜水艦建造の入札で日本が落選し、豪州を拠点とする我々は胸を撫下ろしている。我々は、豪州政府が国内製造に拘り出した頃から反対に転じていた。日本政府は下記の事項を本当に認識しているのだろうか?

1.豪州は製造業に向かない国である

 潜水艦の建造は主に南オーストラリア州のアデレードで行なわれる予定だという。アデレードと言えば、嘗てあの三菱自動車の工場があったが、大赤字を抱えた挙句、2008年に閉鎖している。三菱のみならず、フォード、GM、そしてトヨタも2017年迄に現地生産から撤退する方針を明らかにしている。Toyota Motor Corporation Australia の安田政秀社長が出した声明が印象的だった。

 “「我々は事業変革のために出来る限りのことを行なったが、現実には我々がコントロール出来ない要素が余りに多く、オーストラリアでの自動車生産は割に合わない」(ロイター 2014年2月10日)”

 要するに、コストが非常に高い上に、労組が強力で労務管理が大変過ぎて、「やってられない」状況になってしまったのである。また、元々細かい作業は不得手で、品質管理の意識も高くない。自動車が作れない国で、最新鋭の潜水艦をどうやって作れというのだろうか?

2.機密保持は困難

 我々は昨年から警鐘を鳴らしていたが、北部準州のダーウイン港が中国企業に約450億円で99年間もリースされてしまった。このランドブリッジという中国企業は人民解放軍と繋がりが深く、私兵部隊(プライベートアーミー)まで持っているという。明らかに人民解放軍のフロント企業だ。そのような会社に、米海兵隊も駐留する安全保障の要衝であるダーウイン港をあっさりと明渡してしまうのが豪州政府である。

 今回の失注が表明される直前にもタンバル首相が大勢のビジネスマンを引連れて中国詣でをしている。この期に及んで未だ中国マネーに媚び、自国の安全保障すら妥協してしまうのだ。中国側から強力な妨害工作があったことは間違いない。豪州側が「そうりゅう型」潜水艦の機密を中国側に漏らさないと信じるのは、韓国政府が自発的に大使館前の慰安婦像を撤去すると期待するぐらいナイーブである。

 自動車も作れず、金で要衝をあっさり明渡してしまう国で超ハイテクの潜水艦をまともに建造して、尚且つ機密漏えいを防ぐなぞ、限りなく不可能に近い、ということだ。

 それにしても呆れたのは、採用されたフランスのバラクーダ型は元々原子力潜水艦なので、通常動力に再設計しなくてはならず、その結果、動力部が3倍の大きさになってしまうということだ。それでは実際にどの程度の性能を発揮出来るか分らないではないか。とてもじゃないが南シナ海の有事には間に合わないだろうし、抑止力にもならない公算が高い。「予定の2倍の時間を掛けて作ってみたけど、期待したように出来ませんでした」となる可能性が高いと言って置こう。

 豪州政府が真剣に安全保障を考えるのであれば、日本から完成品を輸入するのが最も合理的だ。政治的妥協の結果、虻蜂取らずに陥る選択をしてしまった。それこそ中国の思う壺だ。

 日本は豪州に期待せず、独自に海中での圧倒的優位性を維持強化する方が賢明だ。むしろ、三菱重工等の参画企業が十分なサイバーアタック対策を取れているかどうかを徹底的に確認すべきだ。「事業部単位で対応していた隙を破られてしまいました」等という言い訳は洒落にもならない。


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日本が核武装したら世界の孤児になる

 これ迄、何回か御紹介した「北野氏の核武装関連の主張」が見事に纏められています。「RPE」メルマガと違って堂々たる論文形式になっており、改めて熟読する価値があります。
(ダイヤモンドオンラインからの転載。但し、文字遣いについてはこれ迄どおり私の好みに従って直しています。その背景は小・中・高校時代の厖大な読書で身に着いた文字感覚です。現代の文字・仮名遣いに抵抗感があるのです)


〔転載元記事〕: DIAMOND  online
日本が核武装したら「世界の孤児」になる理由
     2016年5月2日             北野幸伯     
http://diamond.jp/articles/-/90476~page=4)

 米大統領選で共和党トップを走るドナルド・トランプが、数々の仰天発言で世界と日本を困惑させている。今回は「トランプ爆弾発言」の1つ、「日本の核兵器保有を許す」について考えてみよう。

トランプの爆弾発言で喜んだ日本の「自主保守」論者達

 トランプは、ニューヨーク・タイムズ(電子版)が3月26日に掲載したインタビューで、「日本の核兵器保有を容認する」意向を示した。これは、何と言っても米大統領選で共和党トップを走る人物の発言である。「冗談だろう」と軽く流す訳にはいかない。 

 トランプが「核保有を許す」と発言した時、喜んだ日本人もいた筈だ。日本には「核武装論者」が、少なからずいる。代表的な人物の1人は、石原慎太郎・元東京都知事だ。最近「公職選挙法違反容疑」で逮捕された田母神俊雄・元航空自衛隊幕僚長も、核保有を支持している。

 日本の保守には、「米国に追随するのがベスト」と考える「親米保守」と、「自分の国は自分で守るべき」とする「自主保守」がいる。「親米保守」は、「米国の『核の傘』があるから日本の核保有は必要ない」と主張するが、「自主保守」は「核武装が必要」と考えていることが多い。

 「自主保守」論者達のロジックとは、次のようなものだ。

 日本の周りを見ると、中国、ロシア、北朝鮮が核兵器を保有している。ロシアのプーチン大統領は比較的親日だが、日露は「北方領土問題」を抱えている。そして、中国と北朝鮮は、はっきりと「反日国家」である。北朝鮮に就いては、「金正恩が何をしでかすか分らない」という恐怖がある。核大国・中国は、「反日」で、尚且つ「日本には尖閣ばかりか沖縄の領有権もない」と宣言している(証拠はこちらの記事を参照)。

 つまり、日本は「反日核保有国」に囲まれた国であり、安全保障上極めて不安定な位置にある。そして「米国の『核の傘』は、果して信用出来るのか?」という疑念がある。

 例えば、中国が日本を核攻撃した。その時、米国は中国に核攻撃するだろうか? 「恐らくしないだろう」というのが、「核武装論者」の考えだ。何故なら、米国が中国を核攻撃すれば、中国も核で反撃するからだ。結果、米国で何百万人犠牲者が出るか分らない。「そんなリスクを取って米国が日本を守る筈がない」というのだ。 

 尤もな意見だろう。更に近年は、「米国の衰退が著しい」という現実がある。米国政府は今年年初、中東一の親米国家・サウジアラビアとイランの対立が激化し「国交断絶状態」になった時、「仲介はしない」と宣言して世界を驚かせた。「米国は弱く、最早日本を中国から守れないのではないか?」という恐怖が生れている。だから「日本も、中国や北朝鮮に対抗すべく、『核武装』すべきだ」というのは、極めて真っ当な議論なのだ。

 しかも、核兵器は、世界の最貧国・北朝鮮が保有していることからも分るように極めて安価で、破壊力は強い。純粋に軍事的観点から見れば、「保有した方が良いに決っている」とすら言える。しかし、事はそう単純ではないのだ。

日独をターゲットにして出来た「核兵器拡散防止条約」

 「単純でない」ことを説明するために、世界の「核兵器保有」の現状を見てみよう。先ず、核兵器の無秩序な拡散を防止するために1968年、「核兵器拡散防止条約」(NPT)が作られた(発効は70年)。日本は70年に署名し、76年に批准している。

 NPTは、米国、英国、フランス、ロシア、中国の核兵器保有を認め、その他の国々の核兵器保有を禁止するという、極めて「不平等」な条約である。しかし、それでも現在190ヵ国が加盟しており、NPTは「世界的秩序」になっている。

 世界には、この5大国の他にも、核兵器を保有している国がある。まず、インドとパキスタンは、最初からNPTに参加せず、核兵器保有を実現した。北朝鮮はNPTに加盟していたが、93年に脱退。厳しい制裁を受けながら核兵器保有を果した。イスラエルは、「核兵器保有を肯定も否定もしない国」だが、「全世界がイスラエルの核保有を知っている」という変った状況にある。

 以上、現在世界で核兵器を保有しているのは、9ヵ国である。そして、ここからが重要なのだが、「NPTは、日本とドイツの核武装を封じる目的で作られた」のだ。これは、筆者の妄想ではなく、NPT加盟時の村田良平・外務事務次官の言葉である。

 これに関連して、米国在住国際政治アナリスト伊藤貫氏の『中国の「核」が世界を制す』(PHP)の中に、驚愕の話が登場する。米国と中国は「日本に核武装させない『密約』を結んでいる」というのだ。(著者による太線省略)

 <1972年2月、北京でニクソンとキッシンジャーが習恩来と外交戦略の会談をした時、米中両国首脳は、「日本に自主的な核抑止力を持たせない。日本が、独立した外交政策・軍事政策を実行出来る国になることを阻止する。そのためにアメリカは、米軍を日本の軍事基地に駐留させておく」という内容の、米中密約を結んだ(この密約の要点を書留めたニクソンの手書きのメモが残っている)。>(78p)

 米中は70年代、「日本に核兵器を持たせない」ことで合意していたことがはっきり分る。更に、この本には伊藤氏が94年、当時米国防総省の日本部長だったポール・ジアラ氏と会った際の会話が再現されている。

 ジアラ氏は次のように述べたという。

 <「クリントン政権の対日政策の基礎は、日本封じ込め政策だ。>
<1990年にブッシュ政権は対日政策のコンセプトを大きく修正『日本を封じ込める』ことを、米国のアジア政策の基盤とすることを決定した。>

 <クリントン政権も同じ考えだ。クリントン政権のアジア政策は米中関係を最重要視するものであり、日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行なう能力を与えないことを主要な任務として運用されている。>(以上200p)

 因みに当時から北朝鮮の「核問題」はあった。これに就いてジアラ氏は、どういう見解だったのだろうか?

 <現在、北朝鮮の核開発が問題となっているが、仮令今後、北朝鮮が核兵器を所有することになっても、アメリカ政府は、日本が自主的核抑止能力を獲得することを許さない。東アジア地域に於いて、日本だけは核抑止力を所有出来ない状態に留めて置くことが、アメリカ政府の対日方針だ。この方針は米民主党だけでなく、共和党政権も賛成して来た施策だ。>(200~201p)

トランプ大統領が誕生しても日本が核武装をすれば世界の孤児に

 日本には、「共和党は、日本の核武装を支持する」という楽観論がある。しかし、ジアラ氏の言葉を読むと、共和党がそれを許すかは極めて疑わしいことが分る。「米中が共同で日本の台頭を阻止する」という70年代の方針は、極最近になっても不変だった。特に民主党系の学者や言論人は、新世紀に入っても相変らず日本の自主防衛、核武装に反対している。

 <彼等の多くは、「台湾が中国に併合されるのは止むを得ない。米中両国は東アジア地域に於いて、日本にだけは核を持たせず、日本が自主防衛出来ないように抑え付けて置き、米中両国の利益になるように日本を共同支配すれば良い」と考えている。>(113p)

 このように米国と中国は、70年代から現在迄、「日本の核武装に反対すること」で一体化している。勿論トランプが大統領になり、全世界に向けて、「私は日本の核武装を絶対的に支持する! 国連安保理で制裁決議案が出ても、拒否権を使って阻止する!」と公式に宣言すれば情勢は変る。しかし、歴史的経緯と現状を見ると、そんなことは起りそうにない。第一、トランプは決して「親日」ではない。

  「問題の本質」を整理してみよう。日本が「核武装」を目指すとすれば、それは、(北朝鮮問題もあるが)主に中国に対抗するためである。しかし、中国に対抗するために「核武装」すると、結果として中国ばかりでなく、米国も敵に回してしまう。

 そればかりでなく、「核兵器寡占体制」を維持したい英国、フランス、ロシアも敵に回してしまう。米中英仏露は、「公認」の核兵器保有国であると同時に、国連安保理で「拒否権」を持つ「常任理事国」でもある。つまり彼等は、その気になれば国連安保理経由で「強制力を伴った対日本制裁」を課すことが出来る。

 一方、日本は核武装を決意すれば、NPTを脱退することになる。190ヵ国が参加・支持するNPTからの脱退は、日本を「世界の孤児」にしてしまうことだろう。実際、NPT元参加国で、後に脱退して核武装した北朝鮮は、過酷な制裁を受ける「世界の孤児」になっている。つまり、日本が核武装に突進めば、世界を敵に回して孤立し、過酷な経済制裁を課される可能性が高い。最悪、戦前戦中の「ABCD包囲網」のように、「エネルギー封鎖」をされるかも知れない。

 こう書くと、必ず「GDP世界3位の大国に経済制裁等出来ない。自分達が損をするのだから」と反論される。しかし、「自分達が損をしても」制裁が行なわれることはある。例えば、日本と欧米は今、経済的損失を出しながら「対ロシア制裁」を続けている。ロシアとの結び付きが薄い日本と米国は余り損失を感じないが、ロシア経済と深く結び付いている欧州では大きな影響が出ている。

 更に、「制裁する側」の利点は、「自分達が困る製品は、制裁リストから外せる」ということだ。例えば欧州は、ロシアに制裁する一方で、同国からの原油・天然ガス輸入は続けている。もし「この日本製品が入って来なければ困る」というのなら、その製品を制裁リストから外すことが出来るのだ。

 既述のように、核兵器は安価で抑止力が強く、純粋に軍事的観点から見れば「持っていた方が良い」ものである。しかし、中国ばかりか米国、そして全世界を敵にまわすリスク、そして過酷な制裁を受けるリスクを考えれば、「メリットよりデメリットの方が多い」と言わざるを得ない。

 日本の核保有論者は、「日本の立場は特殊」と考え勝ちだ。しかし、「敵対的核保有国が近くに存在している国」は、日本以外にも沢山ある。例えば、日本と同じように中国の脅威に怯える、ベトナム、フィリピンは、核武装するべきだろうか? あるいは、2008年に核超大国・ロシアと戦争したジョージア(旧グルジア)や、クリミアを奪われたウクライナは、核武装するべきだろうか?

「すべての国は平等だ」という「理想論」に従えば、「持つべきだ」となるだろう。或いは、「全ての国は、核兵器を持つべきではない」となるだろう。しかし、これらは何れも「非現実的議論」に過ぎない。そして、「国際社会は、中国の脅威に直面している日本にだけは核武装を許す」と考えるのも、現実離れした楽観論である。

孤立せずに事実上の核保有が出来る「ニュークリアシェアリング」とは?
 
 ここ迄、「核武装で日本は世界の孤児になる」という話をして来た。実を言うと、孤立せずに「事実上の核保有」を実現する方法がある。「ニュークリアシェアリング」だ。これは、核兵器を持たないベルギー、ドイツ、イタリア、オランダが、米国と結んでいる条約である。

 ニュークリアシェアリングによって上記の4ヵ国は有事の際、米国の核を使って反撃出来るのだ。そのため、これらの国々は日常的に米国の核を使って訓練している。第2次世界大戦時、日本の同盟国として米国と戦ったドイツ、イタリアが入っているが、ニュークリアシェアリングに参加していることで、「ドイツとイタリアでファシズムが復活している!」という批判はない。

 つまり、日本が同じ決断をしても「世界的孤立」は避けられるということだ。よって、「国連で制裁を受ける」とか、「エネルギー供給を止められる」といった心配をする必要がない。そしてニュークリアシェアリングによって、日本は米国の核兵器を利用することが出来るようになり、中国に対する強力な「抑止力」を得る。これは、「自国は核兵器を保有しなくとも、核兵器保有国と同じ抑止力を持てる」という仕組なのだ。

 米国が日本にニュークリアシェアリングを許すか否か、現段階では分らない。しかし、日本単独の「核武装」よりはずっと、抵抗が少ないことは確かだろう。

 但し、問題となるのは中国、ロシア、北朝鮮の反応だ。彼等は反発し、相応の対抗措置を取るだろう。中・露は益々反米・反日化し、一体化する。ロシアは、北方4島を軍事要塞化させ、北方領土返還は事実上「不可能」になる可能性がある。こういう副作用を考えると、ニュークリアシェアリングですら、現時点で必要か疑問だ。

 今回の話は、読者の皆さんには、「時期尚早過ぎる議論」と思えるかも知れない。しかし、安倍総理は、日本人離れした「決断力」と「実行力」を持っている。「決断力」と「実行力」は、肯定的な場合もあれば、「間違った決断を大胆に行なう」ことにも使われかねない。「気が付けば、核武装を目指すことが既定路線になっていた」とならないよう、今の内から「予想される悲惨な結末」を明示しておくことが大切なのだ。


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平成のゼロ戦初飛行

 「平成のゼロ戦」復活は、中・韓や日本国内左翼から見ると、戦争へ繋がる禍々しい事象に見えるでしょうが、私は日本自立への確かな一歩と捉えたいと思います。そうなるか否かは私達日本人の意識次第です。軍需産業に心理的抵抗はあるものの、この平和で美しい日本を守るためには武力も戦略も要るという冷厳な現実から目を逸らすことは出来ません。


 復元され、離陸した往年の名機ゼロ戦 この後、脚を畳む (クリックして拡大)
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画像転載元: (http://www.sekainohatemade.com/archives/3748


 平成のゼロ戦「心神」
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 画像転載元: (http://blog.livedoor.jp/mietansui/archives/4767236.html


大空に舞った「平成の零戦」 米軍「F-35」を凌駕する「心神」 
     2016.4.22 09:03         産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/160422/plt1604220011-n1.html~n7.html)

 驚くほど細身で、しなやかささえ漂う「白地に赤く」彩られた機体は、前脚が滑走路から離れるや、グイと大空を見上げた。「空の青」に鮮やかに溶け込み始めた操縦席直下に映える「日の丸の赤」に感動したのも瞬く間、頼もしい爆音と共に、彼方へと消えて行った。国産初となるステルス戦闘機開発に向けて《心神》は22日初陣を飾り、眼下に広がる濃尾平野が「若武者」の門出を祝った。心神は、防衛省の発注で三菱重工業等が製造する《先進技術実証機》の愛称であるが、誰が付けたか分らぬものの、富士山の別称とは心憎い。航空自衛隊・小牧基地(愛知県小牧市)を飛立った心神は30分後、空自・岐阜基地(岐阜県各務原市)に着陸を果したが、国産戦闘機開発の再生は緒に就いたばかり。我国を取巻くキナ臭い情勢を観察すれば、嘗て我国が掲げたスローガン《翼強ければ国強し》を、再び強力に実行する時代を迎えた。

日本航空史の屈辱「大学の応用力学科」

 心神が、零戦と縁(えにし)が深い三菱重工業の愛知県内の工場で生れたためかも知れぬ。心神の晴れがましい姿が見えなくなると、水を差す言葉が頭を過った。
 《応用力学科》
大東亜戦争後、大日本帝國陸海軍の傑作機復活を恐れる連合国軍総司令部(GHQ)は日本の航空機産業をズタズタにした。《航空禁止令》により、航空機の研究開発はメーカー各社も大学も全面的に禁じられた。
 大学では《航空工学科》の看板が下ろされ、《応用力学科》等と名称変更を強いられた。世界に冠たる名機(ゼロ戦)製造に参画した技術を泣く泣く封印し、鍋・釜の製造で糊口を凌いだメーカーもあったやに聞く。昭和27年の《サンフランシスコ講和条約》発効で主権を回復し、航空禁止令は解かれたが、時既に遅し。世界はジェット戦闘機の開発競争時代に突入していた。

ジェット戦闘機開発封印で海外メーカーの「下請け」

 この遅れは痛く、技術大国でありながら長きに亘り海外メーカーの「下請け的」存在に甘んじて来た。
心神こそ、我国の航空機産業を蘇生・復活させる先駆けと成るのである。心神が一身に背負う「重み」は戦略レベルと言切って差支えない。

心神の背負う「重み」

 中谷元・防衛相は2月24日、愛知県小牧市の航空自衛隊小牧基地で実施された心神の地上滑走試験を視察したが、心神の背負う「重み」をよく理解している。中谷氏は強調したー
 「(開発が)順調に進展していることを確認した」
「将来の我国の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新、他分野への応用に大変期待が持てる」
 中谷氏が「順調な進展」に言及した背景には、平成7年の研究開始以来、技術的にほぼ未開の、しかも高度な分野に踏込み、克服しつつある安堵感が横たわる。何しろ、米軍のF-35といった《第5世代》戦闘機の上を窺う、将来の《第6世代》戦闘機開発に備えた開発・製造なのだ。30万点もの部品を組合せ、国産化率9割超の軍用機を造り上げた技術陣や参加企業220社は褒められて良い。

エンジン開発にも成功

 特徴の第一は、炭素繊維を駆使し、形状を“彫刻”した、敵レーダーに探知されず敵を捕捉するステルス性で、国産成功例は米露中3カ国のみ。繊維の他▽耐熱素材▽電子機器▽小型燃料装置…、我国の得意技術を活かした点も特筆される。強い向い風を受けても失速せず、旋回半径の著しい短縮を可能にしたエンジンの開発も、担当のIHIが成功した。結果、軽量化を図り高い運動性を実現する。
 2つ目の「重み」は、中谷氏の言葉にもあるが、将来の戦闘機開発や航空機産業全体の技術革新に資する展望だ。
平成22年3月に国内企業群が試作を始めた心神は2月以降、9回の地上滑走試験を重ねた。そして迎えた今次初飛行は、防衛装備庁引渡し前の最終段階にして、最大の難関であった。

「失敗は成功の元」

 あと1回有視界飛行を試し、引渡されても、研究中だった最新技術を追加→試験飛行を反復→問題点を焙り出し→分析→改善を施し→対応技術を付加→再び飛行する。回転を止めず進化を求め続ける、以上の過程の繰返しを軍事の要諦《スパイラル・セオリー》と呼ぶ。

 実動・実戦で使う兵器の不具合は「自衛官の死」を意味する。従って、セオリー途中での不具合や問題点は貴重な発展的改善材料で、次の次の戦闘機開発にも性能アップした上で導入される。実動・実戦で失敗をしなければそれで良く、兵器の分野では当に「失敗は成功の元」なのだ。加えて「学び取った技術・ノウハウは、許される範囲で最大限民間にも伝授出来る」(三菱重工業の浜田充・技師長)。

絶大な経済効果

  経済効果も絶大だ。武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立と相俟って、期待は否が応でも高まる。心神には220社が関わったが、戦闘機量産ともなれば、直接従事する企業(孫請け、曾孫請け…を含む)ばかりか、工場建屋建設を始め、工場の社員食堂に食品や白衣を納入する業者迄、更に企業数が増える。小欄の認識で、広義の「防衛産業」とは関連業者も入り、兵器によっては総計数千社が恩恵を受ける。開発資金の不足以外、良いこと尽しだ。

F-2戦闘機の後継機は国産か共同開発か?

 ところで、平成30年度迄に空自のF-2戦闘機の後継機の取得方式を決定する方針が決っている。その際、後継機を《国産》にするか《共同開発》にするかが注目されているが、大事な視点が抜けている。心神が授けてくれる数々の技術の完成度が、将来型戦闘機の生産・開発形態を決めるからだ。

 関係者は「未定で良い」と言切る。国産戦闘機製造への総合力を持てば、外国が注目し擦り寄って来る。逆説的に言えば、国産戦闘機製造への総合力を持たぬと軍需大国に相手にされず、共同開発には参画出来ない。この関係者は「国産戦闘機の製造段階に上った時点で、防衛技術基盤の発展や費用対効果、企業収益等国益を冷静に勘案し、国産か共同開発かを判断すれば良い」と、先ずは「国産力」蓄積を目指す方向が基本と考えている。

 仮に国産にすれば開発費は5000億~1兆円超。一方で防衛省は、最低でも4兆円の新規事業誕生+8.3億円の経済波及効果+24万人の雇用創出を試算する。
 他方、共同開発であれば費用・技術上のリスクを、同盟・友好国とシェア出来る。
国産・共同開発何れにしても、海外に売込むスキームは早期に構築しなければならない。

ヒト・モノ・カネ流失防止の法的スキーム

 スキームと言えばもう一つ必要だ。前述した武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立による「副作用」対策。3原則に縛られ兵器貿易と貿易管理面で「鎖国」状態だった微温湯時代とは違い、「開国」し、日本政府が外国との輸出入に乗出した現在では不可欠となった、人材(ヒト)・技術(モノ)・利益(カネ)の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。別の関係者は日本メーカーの具体名を挙げ(仮にA社)、「A社と提携関係を切って、ウチに来ないか?と、外国企業に手を突っ込まれる日本企業は次第に増えている」と証言。「開国」が齎した現状を「舌なめずりするオオカミがうろつく荒野で、ヒツジが閉籠もっていたオリの扉が開いた」と表現した。

国家守護の礎

 空自出身の宇都隆史・参院議員は「戦闘機開発は国家の体制を守る礎の一つになる。礎の構築は、我国が独自の技術力をしっかりと確保して、初めて達成する」と、小欄に期待を語った。心神は上空で、国花・桜が散った《小牧山》を愛でたであろう。織田信長が450年程前、天下統一の夢を描き、自ら築いた最初の城が《小牧山城》とも伝えられる。
「国家の体制を守る礎」と成る心神の、門出に相応しい風景ではないか。(野口裕之)


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豪次期潜水艦共同開発国、仏に決定

 共同開発国を日本ではなく、フランスに決定した理由は、
1.最大の貿易相手国である中国からの圧力(加えて、ターンブル主相は親中派)、
2.国内政治的理由(参考記事2.参照)、のようです。
 何れにせよ、「中国の脅威」より、経済や雇用や政局を優先させる辺り、この国の政治的レベルは大したことはありません。
日本はむしろ、虎の子の「そうりゅう型」潜水艦の機密技術情報が中国に筒抜けになってしまうリスクを回避出来たことを喜ぶべきかも知れません。

 
関連記事1.
「中国外交の勝利だ」 中国がアメとムチで豪政権に圧力か、南シナ海で日米豪と対峙回避
     2016.4.26 18:58          産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160426/wor1604260042-n1.html

 【北京=矢板明夫】 オーストラリアの次期潜水艦の共同開発相手に日本が選ばれなかったことに就いて、北京の共産党関係者は「中国外交上の勝利だ」との感想を洩らした。

 豪州が日本の「そうりゅう型」潜水艦をベースにした提案を採用する可能性が囁かれた昨年夏頃から、中国メディアは「日本の野心が南太平洋に膨張した」等と伝え、警戒感を強めた。「そうりゅうが採用されれば、地域の軍事バランスが崩れる。日本は軍事的トラブルメーカーになろうとしている」と分析する軍事評論家もいた。

 中国が最も警戒したのは、潜水艦の共同開発による日豪の軍事的接近だったと見られる。共産党関係者は「南シナ海で日米豪の3強と対峙(たいじ)することを避けることは中国にとって大きな外交課題だ」と語った。

 2015年9月、豪州でターンブル政権が発足すると、中国当局は豪州への外交攻勢を展開。ターンブル首相の息子は中国の政府系シンクタンクに所属した元共産党幹部の娘と結婚しており、豪州の歴代政権の中で最も親中的と言われている。また、豪州にとり中国は最大の貿易相手国で、鉱石等の主な輸出先でもある。中国は経済分野で「アメとムチ」を使い分けながら潜水艦問題で豪州に圧力を掛けた可能性がある。

 中国としては同年10月、中国企業が南シナ海に隣接する豪州北部ダーウィン港の99年間「リース権」を獲得したのに続く、対豪州外交の成果となった。


参考記事2.
「中国を喜ばせる結果に」 ローウィ国際政策研究所(シドニー)のユアン・グラハム氏に聞く
     2016.4.27 11:05         産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160426/wor1604260040-n1.html~n2.html)

 ターンブル政権は、次期潜水艦の共同開発相手決定で、性能等を考慮したと強調した。ただ、野党労働党は潜水艦の国内建造を主張して政権攻撃していた。安全保障面だけではなく、雇用等国内問題が今回の決定に影響した側面は否めない。

 ターンブル氏が政権浮揚のため打って出る今年7月の総選挙では、次期潜水艦が建造されるという南オーストラリア州の議席がカギを握る。政局も考慮されたと思われても仕方がない。日本からの潜水艦調達を主張していたアボット前首相は、今回の決定が「不純」だと選挙戦で攻撃するだろう。

 米軍は豪側に、現役の「コリンズ級」と同様、フランスの次期潜水艦でも、戦闘システムを提供はするだろう。だが、日本の「そうりゅう型」に提供される予定だったものと比べれば性能面で制約を受ける。日豪と連携して南シナ海などの抑止力維持を目指す米国の落胆は深い。

 ターンブル氏は会見で、敢えて日本との安保上の連携の重要性を訴えた。日本の安倍首相が、今回の決定で対豪関係を厳しく見ると承知しているためだ。他の防衛装備品を日本に発注する等し、日本との関係改善を模索する必要がある。

 「そうりゅう型」の調達に反対していた中国からの圧力が、どう影響したかは不明だ。だが、現実政治として、今回の判断は中国を喜ばせる内容となった。次期潜水艦の実践配置迄には時間が掛る。国内建造にしたことで更に長期化するだろう。その間、国際安保情勢が想定以上に厳しさを増せば、ターンブル政権の今回の判断は禍根を残す結果を招くだろう。(談)


テーマ : 検証
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日米のバックパッシング

 米国が日本の防衛力強化に協力し、軍事産業への規制を原則撤廃した目的は二つ考えられます。
1.アメリカの衰退を見越し、日本を頼りになる同盟国として育成する。
2.自衛隊を米国のバックパッシング(責任転嫁=代理戦争)に利用する。

 北野氏の下記記事は後者の可能性を指摘するものです。しかし、日本は韓国とは軍事同盟を結んでいませんから、朝鮮半島有事の際、米国抜きで北朝鮮(+中国)と戦うことはありません。
 中国とは、尖閣を盗りに来たら戦争になりますが、日米軍事同盟がありますから日本単独の戦いにはなりません。それはあのトランプ氏でさえ認めています。(安保条約の片務性を批判することは裏を返せばそういうことです)
 よって、現在の日米韓の問題に当て嵌めるには少し無理があると思います。「AIIB」問題が起きる以前のオバマ政権なら可能性はあります。
下の参考記事は今朝、ブログ更新前に見付けたものですが、私の直感を裏付けています。

参考記事: 日米中を例に具体的に「バック・パッシング」を考えてみた。|THE STANDARD JOURNAL」 
〔要旨〕
1.バックパッシングする側(バック・パッサー、米国)は、 侵略的な国(中国)と良い外交関係を保とうとする、若しくは、少なくとも刺激しないようにする。
2.バック・パッサー(米国)は、バック・パッシングされる側(バック・キャッチャー、日本)との関係を疎遠にする。
3.バック・パッサー(米国)は、いざという時に備えて、 自国の力を増強しようとする。
4.バック・パッサー(米国)は、バック・キャッチャー(日本)の国力増強を支持する。


【RPE】★ アメリカは、日本を北朝鮮、中国征伐に利用するか?
         ロシア政治経済ジャーナル No.1376
       2016年04月20日            北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160420000000000.html

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。

 読者のM様から、興味深いメールを頂きました。

 <北野幸伯 様
 初めてメールを認めております。何時もRPEジャーナルを深い興味と共に感嘆を以って拝読させて頂いています。
私は全くの素人で政治にも疎く、メルマガ等で読む程度の知識しかありませんが、今日いつものように拝読していて更にいつも以上の危惧を感じてしまい、不安にも駆られて宜しければ聞いて頂けるだけでもと、こうしてキーを叩いております。
 いきなりですが、トランプ氏の3つの発言に就いて、あれはこの先,日本と中国若しくは北朝鮮との(代理)戦争を実際にさせることを目指しているのではないんでしょうか。
相手が北朝鮮となったとしても、当然中国もそのバックに着きますし、そうやって中国の国力を弱まらせる、或いは世界各国から非難させる等に向わせるため、日本が彼等と戦争し易く、しかもそうなってももう、アメリカが直接関わらなくて済む体制を整えてアメリカが何のダメージもなく、中国を弱体化させるシナリオとなっているような気がします。
 (中略)
 どうでしょう。アメリカがそうと決めて、この先その方に進ませれば、日本なんてあっという間に掌で転がされて、リアルの戦争にまっしぐら、なんてなりそうな気がします。
 (以下略)>

 全文は、「お便りコーナー」で掲載させて頂きます。Mさんが7年間アメリカに住んで感じたこと等が書かれていて興味深いです。是非御一読下さい。さて、

 <日本と中国若しくは北朝鮮とを(代理)戦争を実際にさせることを目指しているのではないんでしょうか。>
<アメリカが直接関わらなくて済む体制を整えてアメリカが何のダメージもなく中国を弱体化させるシナリオ>

 とのことです。つまり、「アメリカは直接戦わず、日本を中国、北朝鮮にぶつける」というのです。これ、「善悪論」は抜きにして、「大いに有り得る」と言えるでしょう。アメリカが悪い国だからではありません。「そういうもの」なのです。

「バランシング」と「バックパッシング」とは?

 ここにA国がいます。B国が経済力と軍事力を増し、大いなる脅威になって来ました。A国は、「B国を叩こう」と決意していますが、この時大きく二つの方法があります。
 一つは、「バランシング」(直接均衡)と呼ばれる方法。
これは、A国が主導権をもって、B国を叩くのです。国内では軍事力を増強し、国際社会では「反B国同盟」「B国包囲網」形成を主導します。
 もう一つは、「バックパッシング」(責任転嫁)と呼ばれる方法。
これは、自分で戦いを主導せず、「他の国とB国を戦わせる」のです。例えば、A国がB国を潰すために、C国やD国を使ってB国を叩かせる。
 Mさんが心配されている、「アメリカは、日本を中国や北朝鮮と戦わせるのではないか?」というのは、「アメリカは、日本をバックパッシングするのではないか?」と言い換えることができます。
 ところで、大国は、自分が中心になって戦う「バランシング」と、他国に戦わせる「バックパッシング」、どちらを好むのでしょうか?
これ、他国に戦わせる「バックパッシング」を好むのです。世界で最も尊敬されているリアリストの権威ミアシャイマー・シカゴ大学教授は、何と言っているか?

 <事実、大国はバランシングよりも、バック・パッシングの方を好む。何故なら責任転嫁の方が、一般的に国防を「安上り」に出来るからだ。>(大国政治の悲劇 229p)

 どうですか、これ?
「日本はもっと金を出せ!」
「韓国はもっと金を出せ!」
「NATOはもっと金を出せ!」
 と叫んでいるトランプさん好みのセオリーではありませんか?
「大国は、バックパッシングの方が好き。何故なら、そっちの方が『安い』から」(!)だと。これを、アメリカ、中国とアジア諸国の関係に当て嵌めてみましょう。
 「アメリカは、直接中国や北朝鮮と対峙する(バランシング)より、日本、韓国をぶつける(バックパッシング)の方を好む。何故なら、そっちの方が『安上り』だからだ」となるでしょう。
つまり、Mさんの懸念は、「常識的に有り得る」のです。繰返しますが、これは「アメリカが悪い国だから」ではありません。「どこの国もやっていること」なのです。

アメリカに利用された国1~グルジア

 最近の例を二つ挙げておきましょう。
皆さん、もう忘れていると思いますが、08年8月、ロシアとグルジア(ジョージア)の戦争がありました。これ、プロパガンダで、「ロシアが小国グルジアを攻めた!」と思っているでしょう?
実を言うと、グルジアがロシア軍を先に攻撃したのです。証拠をお見せしましょう。熟読して下さい。

 <グルジアの南オセチヤ進攻に対抗、ロシアも戦車部隊投入
       (読売新聞2008年8月8日)   
 【モスクワ=瀬口利一】 タス通信等によると、グルジア軍が7日夜から8日にかけて、同国からの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリに進攻し、同自治州で平和維持活動を行なうロシア軍司令部や兵舎等を空爆、戦車による砲撃も行なった。
 ロイター通信等によると、これに対抗して、ロシア軍がトビリシ郊外のグルジア空軍基地を報復空爆し、戦車部隊等地上軍もツヒンバリに向っている。>

 グルジア軍が、ロシア軍を攻撃した。それで、「これに対抗して」ロシアが「報復」したと、はっきり書いてあります。何故小国グルジアは、核大国ロシア軍を攻撃したのでしょうか?
 当時、グルジアの大統領は、親米のサアカシビリさんでした。03年の「バラ革命」で政権に就いた人で、「アメリカの傀儡だった」と言われています。つまり、「アメリカに唆されて」或いは、「アメリカに命令されて」「ロシア軍を攻撃したのではないか?」と常識的に想像出来ます。でなければ、「何故無謀な戦いを挑んだのか?」説明出来ません。

 何れにしても、この戦争でグルジアは、「南オセチア」と「アプハジア」を失いました。この二つの自治体は、事実上「独立」してしまった。全くグルジアにとって、「破滅的な戦争」でした。

アメリカに利用された国2~ウクライナ

 もう一つの例は、ウクライナです。皆さん御存知のように、2014年2月、ウクライナではクーデターが起りました。親ロシアのヤヌコビッチ大統領はロシアに亡命し、親欧米新政権が誕生したのです。この新政権は、クリミアからロシア黒海艦隊を追出し、代りにロシアの宿敵NATO軍を入れると宣言していた。
 プーチンは、2014年3月、「クリミア併合」を断行。続いて、ロシア系住民が比較的多いウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州は、「独立宣言」した。親欧米ウクライナ新政府は、軍隊を東部に送り、内戦が勃発しました。結局、親欧米新政府軍 対 東部親ロシア派の「米露代理戦争」と化してしまった。
 ルガンスク、ドネツクは現在、「事実上の独立状態」にあります。そしてウクライナ国は、「国家破産状態」にある。大国に利用された小国の運命は、悲惨です。

日本が気をつけるべきこと

 という訳で、「バックパッシング」は「日常茶飯事」で行なわれています。
ですから、日本は「めちゃくちゃ用心深く進む」必要があります。具体的に、どんなことに気をつけるべきなのでしょうか?
先ず、私達が目指すのは、「アメリカを中心とする対中バランシング同盟(中国包囲網)を結成、強化すること」。この目標を忘れて、「日本を中心とする対中バランシング同盟」を結成しようとすれば、日中戦争になり、アメリカは、「梯子を外す」かも知れません。
 そして、注意点が幾つかあります。

1.米中を天秤に掛けるような、「二股外交」は控えること。
 安倍総理は2015年4月、「希望の同盟演説」で日米関係を劇的に改善させました。ところが翌月、中国に3000人の訪中団を送り、日中関係改善にも動いた。この時、米中関係は「南シナ海埋立て問題」でかなり緊張していたにも関わらずです。
 この「不誠実」な動き。
世界的常識では、「日本はアメリカと中国を戦わせる心算だ!」と見られます。つまり、「日本はアメリカを対中国で利用しているだけだ!」と。
日本は、韓国の「二股外交」を批判します。しかし、「自分達も同じことをしている」現実もしっかり認識した方が良い。
 日本政府は、アメリカ、中国との関係に於いて、「何時もアメリカの味方である」と思われる言動を続ける必要があります。

2.日本は、中国を過度に非難したり挑発してはいけない。
 これは「バックパッシング」を避けるためです。では、中国との関係は、どう距離を取るべきなのでしょうか? 日本は戦略的に、「アメリカのオウム」になるべきです。
アメリカが「南シナ海の埋立ては国際社会の脅威だ!」と言えば、「そうだ!そうだ!脅威だ!」と言う。アメリカ以上の激しさで中国を批判するべきではありません。
これ、何とも「情けない」話ですが、「何時もアメリカに主導権を握らせること」が大事なのです。日本が中国バッシングの主人公になると、「梯子を外される』可能性が出て来ます。

3.アメリカの許可を得て、「自主防衛能力」を高める。
 ところで、アメリカの行動を見て、「何と狡猾な!」と思いましたか?
実を言うと、アメリカ側も日本に就いて、「狡猾な!」と考えていることを知っておく必要があります。
世界3大戦略家ルトワックさんの「中国4.0」に面白い記述があります。

 <過去6年間の日本の政策の主軸は、「チャイナ2・0」への対抗にあった。「チャイナ2・0」は日本にとって大きな挑戦であった。これが、日本の領土の保全に対する挑戦でありながら、日本は国家安全保障面でアメリカから独立していないからだ。だからこそ、中国からのあらゆる圧力はアメリカ側にそのまま受渡される形となった。
言わば、アメリカへの「バックパッシング」、つまり「責任転嫁」である。>(148p)

 ここでルトワックさんは、「日本はアメリカを『バックパッシング』している!」と指摘しています。言われて見れば、確かにそのとおりですね。
勿論日本としては、「そういう状態にしたのは、あんた(アメリカ)だろう!」と主張出来ます。
しかし、戦後70年が経って、アメリカも弱って来た。アメリカは、「日本も自国の防衛にもっと責任を持て!」と態度を変えて来ている。ですから、感謝して「自主防衛能力」を高めて行ったら良いのです。

 以上、注意点を挙げました。
日本は、中国から尖閣、沖縄を侵略されないように、アメリカからバックパッシングされ、中国と戦争にならないように、極めて用心深く、慎重に進んで行く必要があるのです。


テーマ : 考察
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【RPE】核シェアリング

 前記事で北野氏が「アメリカを敵に回さずに【実質】核保有国になる方法」と言っていたのがこれです。あまりよく御存知でない方もおられると思うので転載しておきます。尚、記事中「ニュークリア=nuclear=核」です。
 アメリカによる「核弾頭売却」(日本側から見れば購入)よりは受容れ易いでしょう。要は、アメリカにその意思さえあれば、後は日本国内の世論だけの問題です。安保法でも問題になっている「安全保障と観念論の激突」が予想されます。


【RPE】★ 世界の孤児にならずに、事実上の核保有を実現する方法
        ロシア政治経済ジャーナル No.1375
      2016/4/19             北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160419000000000.html)   
  
 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。

 トランプさんが、
「在日米軍を撤退させる可能性がある」
「朝鮮戦争には関わらない」
「日本の核保有を認める」
 と発言した。
それで、「日本も核保有を!」という話がこれから彼方此方で聞かれるようになるでしょう。これは、「満州国問題」によく似ています。
日本が満州に進出したのは、「ロシア(後にソ連)の南下政策を防ぐため」でした。ところが、満州に固執し過ぎて、中国、アメリカ、イギリスも敵に回してしまった。それどころか1933年には、国際連盟を脱退し、「世界の孤児」になってしまった。
 日本が核兵器を保有するとすれば、理由は、「中国と北朝鮮が持っているから」となるでしょう。核兵器保有を目指す際、口では「北朝鮮の脅威に備えるため」と言いつつ、本音は「中国の脅威に対抗するため」となる筈です。
 ところが、問題があります。日本は、「対中国」で核保有を目指したい。
しかし、アメリカもロシアも欧州も、日本の核保有には反対するだろう。
(勿論、トランプさんが大統領になり、「私は日本の核保有を断固支持する。安保理で制裁論議になったら、必ず拒否権を出して阻止する!」と公式に宣言してくれれば話は別ですが)
 核拡散防止条約(NPT)から脱退する必要があるので、190か国を敵に回し、満州国の時同様、「世界の孤児」になる。
最も本質を書けば、中国の脅威に対抗するために核保有を目指したら、アメリカと中国、両方敵になり、「反日 米中同盟」が成立してしまう。こういう事態が最も恐ろしい。アメリカは、そういうことを平気でやる国です。
 例えば、第2次大戦時、ドイツと日本をぶちのめすために、仮想敵NO1ソ連と組みました。大戦が終ると、今度は敵だったドイツ(西ドイツ)、日本と組みソ連と対峙した。

ニュークリア・シェアリングとは?

ところで、「アメリカを敵に回さず、世界の孤児にならず、事実上核保有を実現してしまう方法」があります。
● 『日本自立のためのプーチン最強講義』(集英社インターナショナル)から一部転載してみましょう。
【転載ここから▼】
 <「ニュークリアシェアリング」で、中国に対抗せよ
「一番危険な仮想敵国は中国」という話を第一章でしました。
日本で「核武装を主張する人達」も、結局、最大の脅威は中国。次に同国の属国、北朝鮮。その次にロシアであることを同意してくれるでしょう。
「だから、日本も核を持て!」という論理ですが、それをやると、「中国どころか、アメリカ、欧州、ロシアも敵に回してしまう」という話をしました。
 では、「核を持てない」日本は一体どうすれば良いのか?
第一のステップは、既述のように、日米安保を「片務」から「双務」にすること。そのために、「集団的自衛権を認めよう」と。
次のステップですが、「ニュークリア・シェアリング」(核の共有)という仕組みがあります。これは核兵器を持たないベルギー、イタリア、ドイツ、オランダがアメリカと結んでいる条約です。過去には、カナダ、ギリシャ、トルコも参加していました。
 「ニュークリア・シェアリング」とは何かと言うと、右の四国は、有事の際、アメリカの核を使って反撃出来るのです。そのため、この四国は日常的にアメリカの核を使って訓練をしています。
「集団的自衛権」を自らに認めることで、アメリカと対等な同盟国に成り得る日本。アメリカと数年間信頼関係を醸成した上で、「ニュークリア・シェアリング」を要求したら良い、と私は考えます。
 そのメンツを見て下さい。
第二次世界大戦で、日本の同盟国としてアメリカと戦ったドイツ、イタリアが入っています。両国が「ニュークリア・シェアリング」に参加していることで、これ迄「ドイツとイタリアでファシズムが復活している!」という批判はありませんし、これからも起らないでしょう。ですから、日本が同じ決断をし、同じ行動を取ってもおかしくはありません。
 次のメリットは、「ニュークリア・シェアリング」の場合、日本が単独で「核兵器保有」を目指すのと違い、「アメリカ」、「欧州」を敵に回すことがありません。よって、「国際的に孤立する」とか「国連で制裁を受ける」とか、「エネルギー供給を止められる」といった心配をする必要がないのです。
 そして、最後のメリット。
この「ニュークリア・シェアリング」によって、日本はアメリカの核兵器を利用することが出来るようになるので、中国の武力的圧力に対する強力な「抑止力」になります。
これは、「自国は核兵器を保有しなくとも、核兵器保有国と同じ抑止力を持てる」という素晴らしい仕組みなのです。
 しかし、これはあく迄も現時点での話。既述のように、アメリカの衰退トレンドは止まりません。ですから、日本は、同国の衰えを補完するという名目で徐々に軍事的自立を成し遂げて行くべきなのです。>
【転載ここまで▲】

ニュークリア・シェアリングの前にやるべきこと

 この本を出したのは、2013年11月です。
良い仕組みだと思いますが、一つ考慮しておくべき事実があります。
世界3大戦略家のルトワックさんや、リアリストの大家ミアシャイマーさんは、大昔から「中国がアメリカ最大の脅威になる」と断言していました。
 そして、アメリカが中国に勝つための重要ポイントは、「中国とロシアを分断し、日米側に引入れよ」ということ。
オバマさんは、「AIIB事件」後、漸くロシアとの和解に動き始めました。
この「ニュークリア・シェアリング」ですが、中国が猛反発するのは勿論、現時点ではロシアも「大いなる脅威」と認識する可能性が高いです。
 そうなると、中国とロシアは、反米・反日で益々一体化してしまう。
日本がニュークリアシェアリングを目指すなら、その前にロシアが最早日本を警戒しないレベル迄和解する必要がある。これ、如何にも「ロシア在住者」、「ロシア寄り」の発言ぽいですね。その疑念は解りますが、「対中国でロシアが最重要」と主張しているのは、ルトワックさんやミアシャイマーさんです。
証拠として、ルトワックさんの超名著● 『自滅する中国』から引用します。

 <日本が引続き独立を保っていられるかどうかは、反中同盟全体の強さに大きく左右されることになるからだ。>(同上187~188p)
 
 衝撃的ですね。反中同盟が形成されない、或いは脆弱な場合、「日本は独立を保てない」、つまり、「中国に実質併合される可能性もある」と言っているのです。では、どうすれば、日本は勝てるのか?

 <勿論日本自身の決意とアメリカからの支持が最も重要な要素になるのだが、ロシアがそこに参加してくれるのかどうかという点も極めて重要であり、むしろそれが決定的なものになる可能性がある。>(同上188p)

 という訳で、今回は、「米中を同時に敵に回さず、事実上の核保有国になる方法」に就いてでした。
今は、1930年代同様、大国間の関係がコロコロ変っています。日本も大局を見ながら、「孤立しないよう」慎重に行動する必要があります。


テーマ : 知ってほしいこと。
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【RPE】日本核武装亡国論

 下記の記事は昨日アップされたもので、北野氏の持論です。
しかし、当ブログ前記事で書いたように、その前提となっているアメリカの対日基本政策が20年前と大きく変っている可能性があります。
 状況証拠の一つは、日本の防衛力強化への協力。また戦後の軍事産業に掛かる制限や規制を原則解除・容認・黙認していること。そのため、三菱重工を始め防衛産業が復活し、自衛隊の装備は世界第一級のレベルになっている。アメリカは明らかに自衛隊を米軍の弟分として育成する方針を執っています。そうしても、日本は韓国や中国のように、過去の恨みを何時までも忘れず、裏切りや復讐するようなことはしないと判断しているのでしょう。
 アメリカが依然として、「日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行なう能力を与えないことを主要な任務として運用している」のなら、このような「リスク」を敢えて冒すでしょうか?
前記事にあるように、アメリカ自身が日本に核弾頭を売却するのであれば、北野氏の下記論拠は成り立ちません。

 尚、この記事の最後に書いてある、「アメリカを敵に回さずに【実質】核保有国になる方法」というのは、当ブログの前記事、前々記事でも触れた「核シェアリング」のことだと思います。(実は北野氏の著作『日本自立のためのプーチン最強講義』の中に書いてある)


【RPE】★ 日本が核武装しても「殆んど問題は起らない論」について
         ロシア政治経済ジャーナル No.1374
        2016年04月18日          北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160418000000000.html

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは。北野です。

 大変なことが起ってしまいました。
熊本地震で亡くなられた皆様の御冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。

 前号で日本の核武装について触れました。
未だの方は、是非ご一読下さい。(http://archives.mag2.com/0000012950/20160415000000000.html

 結論だけ書くと、
・ アメリカは、日本の核武装を許さないだろう。
・ 中国、ロシアも、勿論許さない。
・ 欧州も、恐らく許さない。
・ 日本が核武装するためには、190か国が参加するNPTから脱退する必要がある。
・ 日本がNPTから脱退し核武装に突進めば、「満州国」の時と同じように、世界的に孤立して破滅するだろう。
・ 戦前・戦中と同じように、アメリカは日本への石油輸出を止めることも出来るし、過酷な経済制裁、金融制裁も課すことも出来る。
 とまあ、こんな話でした。
この件、「賛成」、「反対」、本当に多くのメールを頂きました。
日本の未来や安保に就いて真剣に考えている読者さんが多く、とても嬉しく思いました。
 今日は、「T様」から頂いた「核武装賛成メール」に回答させて頂きます。T様は、「核武装しても大して問題は起らない」という意見です。
全文は、「お便りコーナー」に掲載して置きます。

日本の核武装に『反対しない国』は『多い』?

 <戦前の独立国は殆んどが白人国家でした。そのため日本は孤立していましたが今は非白人国家の方が多くなっています。
核武装により日本が世界から孤立するでしょうか。>(● T様のメールから)

 T様の意見では、 
・ 戦前は、白人国家ばかりだったので日本は孤立した。
・ 今は、非白人国家が多く、「核武装」しても日本は「孤立しない」。
 これ、どうなのでしょうか?
先ず世界の構造からお話しましょう。世界の問題を決める最大の機関と言えば、「国連」ですね。国連の中でも特に重要なのは、二つです。
・ 国連総会
・ 国連安保理
 国連総会は、全加盟国が参加出来ます。ここで色々な問題が協議され、多数決で決議が採択されたり、採択されなかったりします。
非常に重要なのですが、
・ 総会の決定には、「法的拘束力」がありません。
はっきり言えば、ある国が総会の決定に従う義務はないのです。
 では、「国連安保理」はどうなのでしょうか?
安保理は、「常任理事国」5か国と、「非常任理事国」10か国から構成されます。
ここ、とても重要なポイントです。
・ 安保理の決定には、「法的拘束力」、「強制力」があります。つまり、安保理の決定には、全ての加盟国が従う「義務」があるのです。
 別の重要なポイントを見てみましょう。
常任理事国5か国、即ち、
・ アメリカ
・ イギリス
・ フランス
・ ロシア
・ 中国
 には、「拒否権」があります。
つまり、自国に都合の悪い決定は、「拒否」することが出来るのです。
以上纏めると、
・ 全加盟国が参加する国連総会の決定には、「強制力」が「ない」。
・ 国連安保理の決定には、「強制力」が「ある」。
・ 安保理常任理事国・米英仏露中には、「拒否権」がある。
 こういう国連の構造を見れば、
・ 国連総会は重要な決定を下せない。
・ 安保理でも非常任理事国は、影響力がそれ程ない。
・ 結局、国連を支配しているのは、安保理で拒否権を持つ「米英仏露中」である、という「事実」が見えて来ます。
 これはどういうことでしょうか?
「非白人国家が多いので、日本は核武装しても孤立しない」と言うのは、「感情的なレベル」である。「法的なレベル」では、「国連安保理常任理事国以外の国々には、何の決定権もない」のです。
 つまり、「非白人国で影響力を持つのは、常任理事国・中国だけ」と言うことになります。ご存知のように、中国は世界1の反日国家ですから、勿論日本の核武装を許さないでしょう。
 もう一つ、「非白人国家が日本の核武装に賛成するか?」と言えば、「そんなことはないだろう」と思います。何故でしょうか?
全世界の実に190か国が、「核拡散防止条約」(NPT)に参加しています。
つまり190か国が、「これ以上核兵器保有国を増やさないこと」を支持している。
自らが調印し参加したNPTを破って、「公的に日本の核武装を支持する」。そんな国が存在するとは思えません。
 日本は、イランと比較的良好な関係ですが、イランの核兵器保有を支持しますか? 勿論支持しません。自分がやらないことを、他国に期待するのは、無理があります。

インド、パキスタンは核兵器保有したから、日本も大丈夫?

 <インド、パキスタンは核を持ちましたが、制裁措置を受けていません。オーストラリアは当初、インドに対し、ウランの輸出を禁止しましたが今ではインドにウランを輸出しています。>(T様のメールから)

 これは、そのとおりです。
インドは、1974年と1998年に核兵器実験を行なっています。
パキスタンは、1998年に核兵器実験を行なっています。
「だったら、日本だって良いじゃないか!」と思えますね。
しかし、インド、パキスタンと日本には、大きな違いがあります。インドとパキスタンは、最初から「NPT」に「参加していない」のです。
 条約に調印していないので、そもそも「NPT」の決まりを守る義務がありません。では、日本が目指す「NPTに参加していたが『脱退』して核兵器保有国になった国」はあるのでしょうか?
一か国だけあります。北朝鮮です。
 日本が「NPT」を脱退して核保有国になれば、「北朝鮮と同じことをした」ことになります。勿論北朝鮮のように「孤立」し、北朝鮮のように「制裁される」ことでしょう。

日本に経済制裁はできない???

 <日本は世界三位の経済規模を持っています。これは世界各国から多くの物を輸入しているということです。禁輸によってむしろ今迄日本に多くの物を輸出していた国の方が困ることになります。>(T様のメールから)

 「日本はGDP世界3位の大国なので、経済制裁など無理」。ところで、2010年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」が起りました。この時、中国は、サクッと「レアアースの禁輸」を決めています。これも、一種の経済制裁ですね。
 日米欧豪は現在、世界有数の資源大国ロシアに対し経済制裁を続けています。
「経済制裁」の凄い(?)ところ。それは、「自分達が損をする部分は、制裁リストから外すことが出来る」ということです。
「日本が輸入をしなくなると、世界が困る」と言うのなら、「日本の輸出は禁止、日本の輸入は、制裁する側が困るのでOK」と自分達でルールを設定することが出来る。
 「日本の輸出を禁止したら困る」ということであれば、「輸出したら困る品目だけリストから外す」ことも出来るのです。
要は、「制裁する側はあまり困らない」、「日本だけが困る」方法で制裁出来るということです。
欧州はロシアに経済制裁していますが、ちゃっかりロシアから原油とガスを輸入し続けています。
 つまり、「日本に制裁したら、世界が困るから制裁しない」ということにはならない。「日本だけが困り、俺達はあまり困らない制裁をしよう」となるでしょう。

産油国は、日本への原油輸出を止めない?

 <イランは反米国家なので日本に石油を輸出することは止めないでしょう。
また、中東の産油国は日本に輸出出来なければ自分達が困るので禁輸に賛成しないと思います。>(T様のメールから)

 イランも中東産油国も、「禁輸はしない」。もう一度「国連の構造」を思い出して見ましょう。
国連安保理の決定は、「法的拘束力」を伴います。ですから、安保理が決めたら、全世界が従わなければならないのです。
安保理が「日本に石油を輸出するな!」と決めたら、そうしなければなりません。

日本に金融制裁は出来ない?

 <金融制裁も出来ないのではないでしょうか。日本は海外から借金はしていません。全て日本国内で資金を回しています。むしろ日本がアメリカ国債を買わなくなれば困るのはアメリカです。
以前、橋本首相がアメリカで米国債の売却に言及したところ米国債が暴落して金利が跳ね上がり、ニューヨーク証券取引所の株価が一時急落したことがありました。>(T様のメールから)

 「金融制裁」の一種に「資産凍結」があります。つまり、資産の処分を禁止するのです。米国債は、アメリカの借金で、日本の資産です。
「核武装で世界秩序を壊そうとする日本が米国債を売ることを禁止する!」とアメリカが決意すれば、英仏中露は支持することでしょう。

問題の本質は?

 「核武装問題」の本質は何でしょうか?
日本は、「中国の脅威」があるので、「核武装」したい。ところが「核武装」すると、中国だけでなく、アメリカ、全世界を敵に回してしまうリスクがある。そういうことなのです。
 ところで、何故戦前日本は満州に拘ったのでしょうか? そう、ロシア(後にソ連)の南下を恐れたからです。
ところが、満州に固執する内に、何時の間にかアメリカとイギリスも敵にしてしまった。
 1933年、国際連盟で「満州国建国」を支持する国は日本以外になく、結局脱退に追込まれます。こうして日本は、世界的に孤立し、「破滅への道」を歩み始めたのです。
 戦前、戦中の重要な教訓は何でしょうか?
「孤立すれば破滅する」です。「核兵器さえ持てば、全て解決」という思考は、「満州国は我国の生命線」と決めていた思考によく似ています。
 ところで、「アメリカを敵に回さずに【実質】核保有国になる方法」があります。長くなりましたので、次号で!


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安倍内閣と米国の極秘合意?

 熊本地震に就いては、他のブログで色々コメントされているので今更私が書き加えることはありません。何が起きてもおかしくないご時世です。それに霊的に見れば、こういう自然災害が起る理由を人間の物指しで測ることは出来ません。

 さて、昨日は雨に強風という荒れたお天気だったので、『余命3年時事日記』(青林堂)を読んでいたところ、前記事と関連する興味深い内容があったので引用します。これが事実なら、「RPE」の認識を多少修正する必要があるかも知れません。
 因みに反韓本の代表挌とも言えるこの本、発売前アマゾンの総合1位だったとカバーに書いてあります。現在アマゾンのベストセラー1位『中国4.0 暴発する中華帝国』(文春新書)と並んで、日本人の中国・韓国問題に対する関心の高さが窺われます。


余命3年時事日記』(青林堂)
〔抜粋〕 p30~33

 <第一次安倍内閣の時代、日米安保で極秘交渉があった。(2007年と思われる)
   (中略) 
 米側からの情報でその交渉の中身は全て分っている。何十年か後に米国公文書館に於いて見付かる可能性がある。

 「我々は日本側が一切の記録を残さないことを前提にこの提案を行なう。米国は韓国に対し、過去、現在、将来の各種分析を行なった結果、同盟国としては不適格との結論に達した。
 よって経済的には、スワップの延長停止を始めとして積極的に関わる援助等は行なわないことを決めた。
軍事に関しては、最先端軍事技術の供与停止を始めとして、軍事訓練等もそれを考慮して対応する。
 来る2013年米韓戦時作戦統制権委譲後は速やかに在韓米軍の撤退を進め、統合司令部だけを残す予定である。その後の北朝鮮侵攻のような事態については、朝鮮戦争勃発当時とは大きく周辺国の状況が変化しているので、韓国の国防力と中国非参戦を考慮すれば、米国や日本が巻込まれることはないと判断している。原則、米国は介入しない方針だ。
 韓国との原子力協定改定を認めることはない。陰で核開発を進める国に核開発のお墨付き与えるようなもので論外である。米中ともに朝鮮半島非核化を望んでいる。このままの中途半端な米韓同盟は北朝鮮の核武装を進め、それはIAEA脱退による韓国の核武装と必然的に日本の核武装に繋がる。

 米国が半島から手を引いて日本と共に第一列島線防衛に専念することは両国にとっても多くのメリットがあると考える。半島は中国の影響を受け韓国は半属国となるであろうが、即、侵攻、占領のパターンは考え難い。韓国が国として存在するならば中国は北朝鮮と韓国に自国の安全保障上、絶対に核を持たせないであろうから半島は非核化されるであろう。

 就いては事実上、敵となる韓国と直接向合い対峙することとなる日本に対し、米国は以下の対応を執る。
先ず、日米安保の密接強化、軍事共同訓練の強化、日本の防衛力強化への協力。また戦後の軍事産業に掛かる制限や規制を原則解除、容認、黙認することとする。
 米国は直接の脅威となりうる原潜と大陸間弾道弾は認めないが、それ以外は注文を付けない。日本の国内事情が許せば、中国に対する抑止力の範囲で核弾頭を売却しても良い。日本が軍備増強し、中国に対する核抑止力を持つことはアジアの平和、世界の平和に繋がると我々は確信している。日本はこの提案を踏まえて適切な対応を執られたく思う
」>以上。

 この文言の内、実現していないのは、「在韓米軍の撤退」と「日本に対する核弾頭の売却」だけです。これは中国に対するアメリカの戦略が大きく変化した所為だと考えられます。つまり、中国包囲網を構築する上で、地政学的に重要な韓国から手を引くことが出来なくなったからです。
 勿論、目的を達成したらさっさと撤退し、後は北朝鮮に「お好きなようにどうぞ」となるでしょう。その時点で「核弾頭売却」が必要かどうかは状況次第ということになります。必要がなくなっている可能性もあります。(中国の脅威がなくなった場合)
 前後の状況から見て、この提案は第一次安倍内閣によって密かに受入れられ、第二次安倍内閣によって強力に実行されて来たと思われます。

 つまり、前記事にある20年前の「アメリカの日本に対する基本方針」は、現時点ではかなり変化している可能性が高いです。日本からのプルトニウムや高濃縮ウランの回収も「核シェアリング」や「核弾頭売却」と矛盾しません。将来的な日本自立のために、極めて幸運な状況と言えます。



テーマ : 検証
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日本の核武装問題

 「日本の核保有を許す」というトランプ氏の発言は、アメリカの対日政策の根幹を変更するものです。ですから、仮にトランプ氏が大統領になっても本当に実行するかどうかはかなり怪しいと思っていた方が良いです。それより、同じ核保有国であるロシア、インドとの友好関係を強化することの方が対中国・北朝鮮策としては現実的でしょう。(核シェアリング条約を結ぶという手もあります)
 それにしても、憲法9条はもとより、「日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行なう能力を与えないことを主要な任務として運用されている」ことを日本国民はよくよく認識しておく必要があります。日本民族は、それほど世界支配層に恐れられていると言っても良いでしょう。


【RPE】★ アメリカは、日本の核武装を許すか?
        ロシア政治経済ジャーナルNo.1373
      2016/4/15             北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160415000000000.html

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。

 アメリカ大統領選で、共和党トップを走るトランプさん。数々の爆弾発言で、日本と世界を怯えさせています。曰く、
・ 在日米軍を撤退させる。
・ 日本の核保有を許す。
・ 朝鮮戦争が起こっても、アメリカは関らない。
 この二番目、「日本の核保有を許す」について。核兵器、軍事的には確かに優れています。北朝鮮のような最貧国でも造ることが出来、抑止力は抜群。アメリカのような超大国でも、横暴の限りを尽す「核保有国」北朝鮮への攻撃を躊躇する。
 一方、核を持っていなかったアフガン、イラク、リビア等は、アメリカにメチャクチャにされてしまいました。トランプ発言に就いて、日本の一部の人は、喜んでいるようです。「よっしゃ!これで核武装して、日本は自立出来る!」と。
 ところが、この問題はそう単純ではありません。先ず、所謂戦勝国群、イギリス、フランス、中国、ロシアが反対する。そして、アメリカは、本当に「日本の核保有を支持するのか」極めて怪しい。日本が核武装するためには、「核拡散防止条約」(NPT)から脱退する必要がある。世界190か国が加盟しているNPTから脱退することで、日本は、世界で孤立します。

 戦前も同じようなことがありました。そう、世界が反対しても満州国を存続させたかった日本は、国際連盟を脱退したのです。その後どうなりましたか? 1937年時点で、アメリカ、イギリス、ソ連、中国を敵に回し、必然的に敗北しました。
「全世界を敵に回しても」と決意すれば、日本は核武装を達成出来るでしょう。しかし、それで「世界の孤児」になってどうするのでしょうか? 軍事的安全は得ることが出来るかも知れません。

 とは言え、例えばアメリカは、戦前・戦中のように、日本への原油の流れを止めることが出来る。「エネルギーがなくなった国民生活」、ちょっと想像してみましょう。更に、過酷な金融制裁、経済制裁を課すことも出来ます。「日本が核兵器を手放す迄制裁を続ける」と国際社会が決意したら、国民生活はどうなるのでしょうか?

 「核武装派」の人達は、国連安保理常任理事国を全部敵に回し、
・ 原油、ガス、ウランが輸入出来なくなる。
・ 過酷な金融制裁、経済制裁を課される。
 この二つからどうやって日本国を守るのか、説明する義務があると思います。
「・・・て言うか、トランプさんは、『日本の核保有を許す!』と言ってますよね? だったら、アメリカは許すのではないですか?」
 これは、そうかも知れないし、そうではないかも知れません。
何れにしても、過去と現在の状況を見ると、「アメリカは日本の核武装を断固として許さない」可能性が高いのです。

アメリカ、驚愕の本音

 日本を代表するリアリスト伊藤貫先生は、
● 『中国の「核」が世界を制す』伊藤貫(http://hec.su/dubG
 という名著を出されています。(伊藤先生は、核保有派ですが、私は心から尊敬しています)
この名著の中に、ペンタゴンの日本部長ポール・ジアラさんと1994年に会った時の会話が出て来ます。仰天の内容ですので、皆さん、ゆっくり熟読して下さい。ジアラさん曰く、

 <「クリントン政権の対日政策の基礎は、日本封じ込め政策だ。>
<1990年にブッシュ政権は対日政策のコンセプトを大きく修正し、『日本を封じ込める』ことを、米国のアジア政策の基盤とすることを決定した。>
<クリントン政権も同じ考えだ。クリントン政権のアジア政策は米中関係を最重要視するものであり、日米同盟は、日本に独立した外交、国防政策を行なう能力を与えないことを主要な任務として運用されている。>(以上200p)

 因みに当時から北朝鮮の「核問題」はあったのですね。これについてジアラ日本部長(当時)は、どういう見解だったのでしょうか?

 <現在、北朝鮮の核開発が問題となっているが、仮令今後、北朝鮮が核兵器を所有することになっても、アメリカ政府は、日本が自主的核抑止能力を獲得することを許さない。
東アジア地域に於いて、日本だけは核抑止力を所有出来ない状態に止めておく事が、アメリカ政府の対日方針だ。この方針は米民主党だけではなく、共和党政権も賛成して来た施策だ。>(同上)

 どうですか、これ? 20年前からアメリカは、「北朝鮮が核兵器を保有しても、日本に核武装はさせない」と決めていた。

アメリカは、日本の核武装を警戒し始めた?

 「とは言え、20年も経てば状況も変るのではないですか? アメリカも、『核武装容認』の方に振れているのでは?」。こういう意見も出るでしょう。興味深い情報があります。
アメリカが日本から核物質を持出し初めているのです。(私註: オバマ政権の話)

 <プルトニウム輸送船が到着 東海村から米国へ返還、21日にも出航
            産経ニュース3月21日

 核物質の管理強化を進めるオバマ米政権の方針に沿って日本が米国への返還に合意した研究用プルトニウム等の核物質を運ぶと見られる英国の輸送船が21日朝、茨城県東海村の港に到着した。日本原子力研究開発機構(原子力機構)の施設に保管されていた核物質を積込み、同日にも米国に向け出航する見通し。
 プルトニウムは331キロで原爆40~50発分に相当。冷戦期に英米仏が日本に提供し、高速増殖炉の実験に使われた。
米国の核監視団体によると、これほどの量のプルトニウムが海上輸送されるのは1993年に「あかつき丸」が約1トンをフランスから日本に運んで以来となる。>

 今年は、年初から北朝鮮が「水爆」実験したり、ミサイルぶっ放したりして騒がしいですね。それでアメリカは、「日本は核武装するのではないか?」と恐れ始めている。
今回の「プルトニウム回収」は、「核武装は許しませんよ!」というシグナルだというのです。

親日派のケント・ギルバートさんでも

 190か国が加盟するNPTから脱退し、日本が核武装に突進む。
すると、アメリカは黙認せず、欧州、ロシア、中国を巻込んで「日本潰し」を主導する可能性があります。
「核武装しても、アメリカは日本の同盟国」等と甘い見通しは持たない方が良い。
 日露戦争時、日本は当時の覇権国家イギリスと「日英同盟」を結んでいました。イギリスは、日本の勝利に大いに貢献してくれたのです。
そして、第1次世界大戦が起った。
イギリスは、同盟国日本に「陸軍を欧州に派兵してくれ!」と懇願します。しかし、日本は、(海軍は出したが)この要求を一蹴したのです。
結果、イギリスは日英同盟の意味を見出せなくなり、1923年破棄しました。
 その後、同盟国でなくなったイギリスは、「遠くから日本を暖かく見守った」のではありません。アメリカと組んで、日本潰しに動いたのです。
今の同盟国アメリカだって同じことです。
コントロール不能になった日本を、中国やロシアと組んで潰さない保証が何処にあるでしょうか? 中国は、「思い掛けず反日統一共同戦線戦略が成就した」と大喜びすることでしょう。

(● 必読 中国の反日統一共同戦線戦略とは?(http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/2012_11_15/94728921/

 さて、「アメリカは日本についてどう思っているのだろう?」
このことについて最近興味深い動画を見ました。「日本を守る三大アメリカ人」と言えば、
・ テキサス親父さん。
・ マイケル・ヨンさん。そして、
・ ケント・ギルバートさん。でしょう。
 そのケント・ギルバートさんが、「龍馬プロジェクト」の神谷先生と対談した。神谷先生が「日本核武装の可能性」に就いて質問したところ、ケントさんは、「絶対反対」なリアクションでした。9分30秒ぐらいから、「日本核武装」の話になって行きます。
 ケントさんは、「韓国と日本が核兵器を持つことは、アメリカが許しません」と断言。その心は、「アメリカが持ってるんだから、要らない」そうです。更に、「核兵器保有国は、新たに核兵器を持とうとする国を許しません。これ鉄則です!」。

 つまり、日本が核保有しようとすれば、アメリカ、イギリス、フランス、ロシア、中国が一体化して叩き潰すということです。
ケントさんは、日本が対中国で核保有すれば、「より不安定になる」と仰っています。
皆さんも是非、この動画を見て頂ければと思います。(https://www.youtube.com/watch?v=dOGDQSQ8O3M

 今回の話は、トランプさんに唆されて、日本が核武装に突進めば、「全世界を敵にして破滅する可能性が高い」という話でした。
そして、メルマガでは、細かく書けませんでしたが、このテーマに興味のある方は是非、
● 『日本自立のためのプーチン最強講義』(集英社インターナショナル)を御一読下さい。


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海自潜水艦の話題2件



「じんりゅう」(仁龍、神龍)の同型1番艦「そうりゅう」(蒼龍) クリックして拡大
501_04l「そうりゅう」     画像転載元: (http://find-travel.jp/article/32654


1.海自潜水艦が15年ぶり比寄港=中国けん制、防衛協力強化
    2016/04/03 15:43        時事ドットコム
http://www.sankeibiz.jp/gallery/news/160322/gll1603220701001-n1.htm

 【マニラ時事】 練習航海中の海上自衛隊の潜水艦「おやしお」が3日、フィリピン・ルソン島中部のスービック港に寄港した。海自潜水艦のフィリピン寄港は15年ぶり。初級幹部自衛官の研修と友好親善が目的だが、人工島建設で南シナ海への進出を強める中国を牽制する狙いもあると見られる。

 潜水艦には護衛艦「ありあけ」「せとぎり」が同行し、参加人員は3隻で計約500人。潜水艦を率いる吉野宏昭・1等海佐は「フィリピンは海自にとって非常に重要なパートナーだ」と強調した。6日迄滞在し、護衛艦2隻はベトナム南部のカムラン湾にも立寄る予定。
 日比両国は中国を念頭に防衛協力を強化しており、2月には防衛装備品・技術移転協定を締結。協定に基付き、日本側は海自練習機の貸与を検討している。


2.海自潜水艦「じんりゅう」の性能が羨ましい 韓国は欠陥だらけ、中国はコピー…
       2016.3.22 07:01         Sankei Biz
http://www.sankeibiz.jp/gallery/news/160322/gll1603220701001-n1.htm~n5.htm)
              
 海上自衛隊の潜水艦「じんりゅう」の引渡し式と自衛艦旗授与式が3月7日、兵庫県神戸市の三菱重工神戸造船所で行なわれた。海自最新型「そうりゅう」型の7番艦で、潜水艦の弱点であるシュノーケル(吸排気装置)走行を極限迄減らせる上、他艦とネットワークで連携して戦える新世代の潜水艦だ。(岡田敏彦)

 米国や英国が第二次大戦以降、原子力を動力とし、大陸間弾道弾を搭載した大型の原子力潜水艦を配備する中、日本はディーゼルエンジンを積んだ通常動力型の潜水艦を配備して来た。その特徴は静かさだ。

 原子力を動力とした場合、タービンの回転音等大きな音が発生する。水中で音波探知を“目”として戦う潜水艦にとって、騒音源を抱えるのは敵に位置を知らせることとなり、大きな欠点となる。
米国の原子力潜水艦は高度な技術でこの騒音をかなり減らしているとされる。隠密性が命の潜水艦では、静粛性が重視されるのだ。

 一方、ディーゼルエンジンは酸素を必要とするため、シュノーケルを海面に突出して空気を取入れ、エンジンを動かして充電し、潜行時は圧倒的に作動音の静かな電気モーターで進む。しかし、シュノーケルを海面に突出すことは、敵対潜哨戒機のレーダー等に発見される危険性を伴う。この問題を解決したのが「そうりゅう型」の非大気依存推進(AIP)システムだ。

 AIPは海上自衛隊で1950年代から研究され、燃料電池を使う方式等が検討されたが、そうりゅう型ではスウェーデン海軍が実用化したスターリング機関(高温によるガスの膨張と海水冷却による圧縮を利用)を採用し、国産化して搭載している。

 スピードは5ノット程度と遅いものの連続航行性能は群を抜く。ディーゼル方式との併用により、これ迄数日間だった連続潜水航行期間を3~4週間に迄延ばした。

 もう一つの特徴は「ネットワーク化」だ。各種センサーや兵装等艦内のシステムを光ファイバーによるLAN(統合通信網)で接続し、情報処理を一元化した。そして、このネットワークを艦外へも繋げるシステムも備え、陸上の司令部との情報統合が可能となった。
 かつて第二次大戦でドイツ潜水艦Uボート部隊が繰広げた、複数の潜水艦を集中運用する「群狼作戦」を想起させる、他艦との連携運用が可能となっている。

 この高性能に目を着けたのがオーストラリアだ。現在運用中の豪製「コリンズ級」が当初計画通りの性能が出ず、不具合が続発していることもあり、次期採用の潜水艦では信頼と実績のある他国の潜水艦を導入することを決めている。
 その筆頭候補として「そうりゅう型」が上がっている。製造元の三菱重工等が豪州に提案しているのは、AIPにリチウム電池を採用した「そうりゅう改型」とも呼べるもので、海上自衛隊でも今後「改」が導入される予定だ。

 豪州を含む東南アジア海域の各国では、中国の強引な海洋進出により海軍力増強が課題となっており、「そうりゅう型」は、扱い難く運用経費の嵩む原子力潜水艦を導入出来ない国にとっては羨望の的でもある。

 韓国でも潜水艦を国産しているが、ドイツの潜水艦「214型」をライセンス生産したものだ。2006年に1番艦「孫元一」が進水、これ迄に6隻が完成したとされるが、AIPを装備したとしながら電池の不良で数日しか連続潜水出来ず、スクリューシャフトから基準値を超える騒音が発生する等欠陥だらけで、とても実戦に使えるものではないことが明らかになっている。

 北朝鮮では旧ソ連のロメオ級等を運用しているが何れも骨董(こっとう)品レベルだ。
3月12日には、全長21メートルの潜水艦が行方不明になったと米CNNテレビ(電子版)が報じている。同テレビでは、米政府高官の話として「先週初め、北朝鮮海軍と当該の潜水艦の交信が途絶え、北朝鮮海軍が大掛りな捜索を行なった」と報じており、北潜水艦の“性能”が窺える。

 また、中国の潜水艦は基本的に旧ソ連の潜水艦を模倣したもので、最初の本格的な原子力潜水艦「漢級」は騒音が酷く静粛性等無いに等しいと低評価だったが、近年量産された「商級」は静粛性も向上しており、これを元にした新型も開発中とされる。また通常動力の潜水艦「元級」ではAIPを装備しており、ディーゼルエンジンはドイツ製を使用。3月中旬にはタイへの売却契約が成立する等、侮れない性能を持っているとされる。

 じんりゅうが広島県の呉基地に配備されることで、海上自衛隊の潜水艦戦力は17隻態勢に増強される。防衛省は2021度末迄に22隻態勢とする計画だ。


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「駆け付け警護」の限界

 3月29日から安保法が施行されるに伴い、NHK等では、新たに「駆け付け警護」が出来るように報道されていましたが、実際は難しいようです。


  「安保法施行 自衛隊の活動は?」
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画像転載元: (http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2016_0330.html


<駆け付け警護>武装集団に対処せず PKOで政府検討
     2月21日(日)11時15分      毎日新聞
http://mainichi.jp/articles/20160221/k00/00e/010/093000c

 政府は、国連平和維持活動(PKO)等に参加している自衛隊による「駆け付け警護」に就いて、救援対象が武装集団に襲われている場合、原則として部隊を出動させない検討に入った。駆け付け警護は安全保障関連法で新たに盛り込まれた活動だが、同法に定めた自衛隊の武器使用基準は相手の殺傷を目的とした「危害射撃」が正当防衛・緊急避難の場合に限られているため、武装集団への対応は難しいと判断した。複数の政府関係者が明らかにした。

 政府は来月の法施行後、南スーダンのPKOに参加している自衛隊部隊の任務への追加を想定しているが、部隊の規模や装備は変更しない方針。他国軍隊や非政府組織(NGO)職員等が武装集団に襲われた場合に関するこれ迄の検討で、「敵を見付けた瞬間に撃たなければならない場合が殆んど。抑制的な武器使用では対処出来ない」(政府関係者)との理由から対応は困難と判断した。原則として、治安維持を担当する他国の歩兵部隊等に任せる方向だ。

 このため、政府は自衛隊が駆け付け警護を実施するケースとして、NGO職員等が現地住民による暴動やデモに巻込まれて身動きが出来なくなった場合等を想定。典型例として、2002年、東ティモールでのPKO活動中に大規模な暴動が発生し、現地在住の日本人から保護を求められた自衛隊が急行し、宿営地迄輸送した事案を念頭に置いている。

 安倍晋三首相は安保関連法の制定過程で駆け付け警護の盛込みに強い意欲を表明。国会審議等で、武装集団に襲撃されたPKO要員等が救援対象になるとの考えを示して来たが、安保関連法施行を前に、現実には対応が困難なことが露呈した形だ。

 南スーダンでは現在、自衛隊の施設部隊約350人が比較的治安の安定している首都ジュバとその周辺で道路建設等を行なっている。駆け付け警護を任務に追加した場合、出動の可否の判断材料を得るため、独自の情報収集と治安維持を担う他国部隊との情報共有を強化する。ただ、暴動やデモの中に武装集団が紛れている場合や、他国の歩兵部隊が出動出来ない場合等も考えられ、実際の判断は難しいものとなりそうだ。【青木純、村尾哲】

 ◇ことば【駆け付け警護】

 PKOや国際機関の要請などに基づく国際平和協力に参加する自衛隊が、自らと同じ目的で活動している他国軍隊やNGO職員等が危険に遭遇し、救援要請を受けた場合に武器を使って助けに行く行為。政府は従来、海外での武器使用は自衛隊員や管理下に入った者を守る場合に限って認めており、駆け付け警護は自らを守る武器使用に当らず、武力の行使に当る恐れがあるとして認めていなかった。


参考記事: 「希典のひとりごとのブログ」
自衛隊に在外邦人救出は出来ない (2016/01/03 21:02)
http://hiroaki1959.at.webry.info/201601/article_3.html


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プーチン、シリア電撃作戦を終える

 やはり、この人は織田信長型のリーダーですね。あっという間に反アサド勢力と、ISの資金源を叩いて盟友アサドを窮地から救い出し、シリアのロシア海軍基地を守る目的を達成したと見るや、風のように撤退を始めました。
ISを中東地区に送り込んだのは、巨大なアングラマネーを操る闇の勢力です。ウクライナに出現した極右ネオナチ勢力も同じです。それが、プーチンが戦った本当の相手です。
 闇との戦いは未だ続いています。目下、経済制裁と原油安、ルーブル安で苦しんでいますが、信長にもそんな時期がありました。その包囲網が破れるきっかけは強敵武田信玄の急死でした。プーチンも何れ、現在の苦境を撥ね返すでしょう。
救いの神はアメリカのエスタブリッシュメントに叛旗を翻したドナルド・トランプ候補です。
彼が大統領になってプーチンと手を組めば、歴史の潮流が変ります。安倍さん、この2人と上手く付合って下さいよ。


【RPE】★ プーチン、神速の用兵術~ロシア軍、シリアから撤退へ
       ロシア政治経済ジャーナル No.1356 
     2016/3/17             北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160317000000000.html) 

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。

プーチンは、軍に「シリアから撤退するよう」指示を出しました。

 <ロシア大統領、軍にシリアからの撤退を命令
   CNN.co.jp 3月15日(火)9時36分配信

 (CNN)ロシアのプーチン大統領は14日、ロシア軍はシリアでの目的を果したとして、撤退するよう指示したことを明らかにした。
国営スプートニク通信によると、撤退は15日から始まる見通しだ。プーチン氏は「国防省と軍全体に課された任務の目標は達成された。シリアからの軍撤退を明日始めるよう、国防相に命じる」と述べた。>

 そして実際、空軍の戦力が続々と引上げを開始しています。
ところでプーチンは、「国防省と軍全体に課された任務の目標は達成された」と語りましたが、軍事行動の「目標」は何だったのでしょうか? 皆さん御存知ですね。
表向きは、「全人類の敵『イスラム国』(IS)を退治すること」。本音は、「海軍基地のある親ロシア国家シリアの、親ロシア・反欧米政権アサドを守ること」です。

 <ロシア大統領府によると、プーチン氏は撤退について、シリアのアサド大統領と電話で会談した。
両首脳は、ロシア空軍がシリアのテロ組織に「相当な」打撃を与えて形勢を逆転させたとの見方で一致し、空軍主要部隊の撤退日程で合意した。>(同上)

 アサドは、本当にロシア軍のお蔭で救われたのでしょうか?

 <軍事アナリスト等によると、アサド政権は当時危機に陥っていたが、ロシアの介入によって反体制派や過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」への反撃が可能となった。>(同上)

 プーチン嫌いのアメリカCNNも、「ロシア軍によってアサド政権は救われた」ことを認めています。とは言え、ロシア軍が「完全に撤退」と言う訳でもないようです。
 
 <ただ、ロシアは「停戦監視のため、シリアに航空援護拠点を維持する」という。>(同上)

 これは、ISや、シリア北部にしばしば侵入しているトルコ等に睨みを利かすためなのでしょう。

ロシア軍参戦と撤退迄の流れ

 ここ迄の流れを、簡単に振返っておきましょう。
2011年、「アラブの春」の影響がシリア迄及び内戦が起ります。
ロシアは、シーア派イランと共に、親ロシア・反欧米アサド政権を支援しました。一方、欧米及び、サウジ、トルコ等スンニ派諸国は、反アサド派を支援しました。
 「米ロ代理戦争」と化した、内戦はなかなか決着が着かなかった。
痺れを切らしたオバマは2013年8月、「アサド軍は化学兵器を使いレッドラインを越えた!」とし、「シリア攻撃開始」を宣言します。
 しかし、翌2013年9月には、戦争を「ドタキャン」し、世界を仰天させました。表向きの理由は、「プーチンの提案で、アサドが化学兵器破棄に合意したから」でした。(実際、化学兵器は破棄された)
 オバマは更に、アサドを支援するイランとの和解に動きます。アメリカから「梯子を外された」「反アサド派」の中から、新たな動きが起って来ました。それがIS。ISは、瞬く間にシリアとイラクに跨る広大な領域を占拠。油田を占領することで潤沢な資金を得て、世界的脅威に成長して行きました。
 ISはあまりに残酷、という訳で、アメリカは2014年8月、かつて自分が支援していた反アサド派の元一派ISへの空爆を開始します。
しかし、ISは一方で、反米アサド政権と戦ってもいる。だから、「都合の良い存在」でもあり、空爆は「ダラダラ」。成果が全く出なかったのです。ISは、アサド政権を追詰めて行きます。
 2015年9月、プーチン・ロシアは、「人類の敵ISを打倒する!」と宣言し、シリアでの空爆を開始しました。
ロシア軍は、米軍が決して手を着けなかった「IS石油インフラ」への猛烈な空爆を繰返すことで、ISの資金源を断ちます。金を失ったISは、急速に衰えて行きました。更にロシア軍は、「反アサド派」を攻撃することで、同盟者アサドを守ることに成功します。
 敵IS及び反アサド派が十分弱体化した。そして、アサド政権、軍は十分強くなった。この時期を見計らい、ロシアはアメリカと「シリア停戦協議」に入りました。
その結果、
 <シリア内戦>焦点は「停戦の履行出来るか」 米露共同声明
        毎日新聞 2月23日(火)22時1分配信

 【ワシントン和田浩明、モスクワ杉尾直哉】 約5年間に及ぶシリア内戦を巡り、米国とロシアが22日、シリア時間27日午前0時(日本時間同日午前7時)からの停戦を呼び掛けたことを受け、今後の焦点は停戦の履行に移る。25万人以上の死者を出した戦いに終止符を打てるのか。>

 27日からシリアは停戦に入り、現在も続いています。こう振返ると、ロシア軍は、
1.2015年9月末からシリア空爆開始。
2.ISの石油インフラを集中攻撃することで、ISの資金源を断った。
3.反アサド派への攻撃を繰返し、弱体化させた。
4.アサド政権、軍は、盛返し、反アサド派を圧倒するようになった。
5.時期を見計らい、アメリカに停戦を提案。
6.2016年2月、シリア停戦合意。
7.2016年3月、ロシア軍、シリアから撤退を開始。
 という流れです。この間、「僅か半年」という超スピード。
同盟者アサドを守り、シリアに(不安定ではあるが)平和を齎した。アフガンやイラクで「ダラダラダラダラ」戦争を続けたアメリカと比べると、「神速」と言えるでしょう。

ウクライナ和平まで

 プーチンの速さは、シリアに限ったことではありません。
2014年2月、ウクライナで革命が起った。親ロシア派ヤヌコビッチ政権が倒れ、親欧米新政権が誕生します。
親欧米新政権は、「クリミアからロシア黒海艦隊を追出し、NATO軍を入れる」と宣言していた。戦略上の超重要拠点を失うことを恐れたプーチンは2014年3月、「クリミア併合」を断行します。
2014年4月、ロシア系住民の多いウクライナ東部ドネツク州、ルガンスク州等が、「独立宣言」。ウクライナ新政権はこれを認めず、内戦が勃発しました。

 世界中が「プーチンは、ウクライナ東部も併合する。その後ウクライナも併合し、バルト3国、東欧を全部併合する」と大騒ぎになりました。
しかし、RPEは、
・ 民族構成の違い
 クリミアは、ロシア系が6割。ドネツクは、ロシア系4割。
・ 歴史的経緯の違い
 クリミアは、1783~1954年、ロシアに属していた。しかし、独立を宣言した東部州は、ソ連時代常にウクライナに属していた。
・ 経済的理由
 独立を宣言している東部州を併合すると、ロシアの人口は一気に700万人増える。年金受給者も150万人増え、ロシアの財政負担が重くなる。経済的にメリットがないどころか、デメリットが大き過ぎる。
・ 安全保障上の理由
 クリミアには「黒海艦隊」があるが、ウクライナ東部州には安全保障上の拠点がない。
 という訳で、ロシアは、「東部を併合しない」と予測していました。実際そうなっています。(詳細はこちら

 さて、2014年4月に始ったウクライナ内戦。ロシアは、「東部親ロシア派」を支援。欧米は、「親欧米ウクライナ新政権」を支援しました。
しかし、2015年2月、ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナで「停戦合意」が成立します。
 これも、シリアと殆んど同じパターンで停戦に到っています。
つまり、ロシアの支援で東部勢力が、ウクライナ軍を圧倒していた。
「このままでは負けてしまう! そうなれば、俺達の支配は、たった一年で終ってしまう!」と、ウクライナ新政権と支援する欧米を恐怖させ、交渉テーブルに引き摺り出した。
 結果、大騒ぎされたウクライナ内戦は、たった10か月で停戦に到ったのです。
こう見るとプーチン、ウクライナは10か月で、シリアは半年で「停戦」に漕ぎ着けています。そして、目標を達成したら、さっさと引上げる。

3連勝のダークサイドとトランプ

 こう見ると、プーチンは2013年から、幾つかの「戦術的勝利」を重ねています。
・ 2013年9月、オバマを説得し、シリア戦争を回避した。
・ 2014年3月、クリミアを併合した。
・ 2015年2月、ウクライナ内戦停戦を実現した。
・ 2016年2月、シリア内戦停戦を実現した。
 こう見ると「連戦連勝」に見えます。しかし、「大戦略レベル」では大きな問題を抱えています。ロシア経済は現在、(ダークサイドが仕掛けた)「経済制裁」、「原油安」、「ルーブル安」で酷い状況になっている。
「制裁」に関して言えば、つまり、欧米、日本との関係が良くない。(アメリカとの関係は、2015年3月以降改善されていますが、「制裁解除」には到っていません)
 更に、昨年11月トルコがロシア軍機を撃墜したことで、ロシアートルコ関係が最悪になっている。これは、ロシアにとっても大きな打撃なのです。(ロシアとトルコは、ガスパイプライン建設プロジェクトを計画していた)
 ロシア最大の味方は中国ですが、中国経済がボロボロになって来ている。つまり、「頼りにならない(事実上の)同盟国」になりつつある。
こう見ると、プーチンは「シリアでの勝利」を長く喜んでいられない状況なのでしょう。
 
 明るい兆しは、アメリカに見えます。共和党トップを独走するトランプは、「プーチンとの和解と協力の必要性」を公言している。彼が大統領になれば、制裁は解除されるかも知れません。それで、ロシアメディアも、「トランプ支持」一色になっています。


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第2次朝鮮戦争の可能性

 朝鮮半島有事の際、中国は地政学的理由から北朝鮮を見捨てられないだろうと北野氏は予想します。もしそうなれば、「中国+北朝鮮 対 韓国+米国+日本」の大戦争に発展します。最悪、核戦争(極東ハルマゲドン)の可能性もあります。
まあ、そこ迄は行かないと思いますが、日本人もいい加減、平和ボケから目を覚まさないといけません。


【RPE】★ 第2次朝鮮戦争は起るか?
        ロシア政治経済ジャーナル No.1352 
      2016/3/10            北野幸伯
http://archives.mag2.com/0000012950/20160310000000001.html

 全世界のRPE読者の皆様、こんにちは! 北野です。
今年は、「北朝鮮問題」が大きく動いています。皆さん語存知のように、北朝鮮は1月6日、「水爆実験を行なった」と宣言しました。
2月7日には、長距離弾道ミサイル発射実験を行なった。
1月の実験を受け、国連安保理は、制裁に関する協議を開始。
3月2日、制裁決議案が採択されました。

 中央日報日本語版 3月3日から。

 <国連安保理が2日(現地時間)、4回目の核実験及び長距離ロケット発射を巡る対北朝鮮制裁決議案に最終合意した。
歴代最も強力だという今回の決議案はこの日午前(日本時間3日0時)の安保理全体会議で採択された。北朝鮮の4回目の核実験から57日目だ。過去に比べて長い時間が掛かったが、遥かに強度が高い制裁内容となった。>

 「はるかに強度が高い制裁内容」とは何でしょうか?

 <決議案を見ると、金正恩(キム・ジョンウン)政権に打撃を与えるものが多い。
石炭・鉄鉱石など鉱物輸出禁止、軍事用航空燃料の供給中断、禁輸品の積載が疑われる北朝鮮船舶の入港禁止等だ。
ロシアの影響で旅客機への海外給油が認められ、朝鮮鉱業貿易開発会社(KOMID)幹部に対する制裁が抜けたが、重要な部分は変っていない。特に昨年の北朝鮮の対中輸出額24億ドルの内、鉱物の比率が45%を占め、外貨稼ぎに大きな打撃を与えることが出来る。>(同上)

 更に、アメリカと韓国は、「過去最大規模の軍事演習」を開始しました。

 <米韓>過去最大の演習 30万人規模、「先制攻撃」想定も
        毎日新聞 3月7日(月)11時38分

 【ソウル米村耕一】 韓国で7日、定例の米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」と野外機動訓練「フォール・イーグル」が始まった。
国連安保理制裁決議に北朝鮮が反発を強める中、演習は「過去最大規模」(韓国国防省関係者)で進められる。
演習には韓国軍約30万人と米軍約1万7000人が参加。指揮系統訓練中心のキー・リゾルブは18日迄の約2週間、フォール・イーグルは韓国各地で来月30日迄其々行なわれる。
 韓国メディアによると、キー・リゾルブには北朝鮮による核ミサイル発射の兆候を掴んだ場合、先制攻撃を仕掛けるシナリオも含まれる。>

 これに対して北朝鮮、「アメリカと韓国を『核攻撃』する!」と宣言しています。

 <北朝鮮、米国と韓国に核攻撃の警告
   BBC News 3月7日(月)11時53分

 北朝鮮は6日、米韓両軍が7日から韓国で始める合同軍事演習を非難し、遂行するならば米韓両国に「無差別の」核攻撃を実施するとの談話を発表した。
「正義の核先制攻撃」を実施する方針という。>

 「正義の核先制攻撃」だそうです。

 これは、本当にショッキングな話ですが、日本国民は殆んど反応しなくなっていることでしょう。北朝鮮の指導者が過激な発言をするのは、日常茶飯事。「オオカミ少年」のようになってしまい、日本国民も、「また言ってる。ハハ」という反応。特に恐怖も感じない。
 しかし、朝鮮半島情勢は、確実に悪化しています。そして、戦争になる可能性も出て来ています。理由は、「アメリカ側」の変化にあるのです。どういうことでしょうか?

「不可解」だった、アメリカの対北朝鮮政策

 「核兵器開発問題」と聞くと、私達は「二つの国」を思い出します。
イランと北朝鮮。共に2000年代に入ってから、「核兵器開発問題」で大騒ぎされるようになって来ました。
「同列」に語られることが多かった、イランと北朝鮮の「核兵器開発問題」。実を言うと、脅威のレベルは全然異なっています。
北朝鮮は、05年時点で「核兵器保有」を宣言した。そして、06年10月、初めての「地下核実験」を実施しています。
以後09年5月、13年2月、16年1月と核実験を繰返して来た。
今では、「北朝鮮が核兵器を保有していること」に疑問を抱く人はいません。
 一方のイラン。この国は、「核兵器を開発する」という意向を示したことすら、一度もありません。そして、実を言うと「アメリカ自身」も「イランは核兵器を開発していない」ことを認めていました。「トンデモ~、トンデモ~」という大合唱が聞えて来ます。
では、証拠をお見せしましょう。

 <〈イラン核〉米が機密報告の一部公表 「脅威」を下方修正

 [ワシントン笠原敏彦] マコネル米国家情報長官は3日、イラン核開発に関する最新の機密報告書「国家情報評価」(NIE)の一部を公表し、イランが03年秋に核兵器開発計画を停止させたとの分析結果を明らかにした。>(毎日新聞 2007年12月4日 )

 どうですか、これ? NIEは、「イランは2003年秋に核兵器開発計画を停止させた」と分析していた。アメリカだけではありません。世界の原子力、核エネルギーを管理、監視、監督する国際機関と言えば、IAEA(国際原子力機関)。
そこのトップ、日本人・天野之弥(あまの ゆきや)氏は、2009年12月就任直前に何と言っていたか?

 <イランが核開発目指している証拠ない=IAEA次期事務局長

 [ウィーン 3日 ロイター] 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥次期事務局長は3日、イランが核兵器開発能力の取得を目指していることを示す確固たる証拠は見られないとの見解を示した。

 ロイターに対して述べた。

 天野氏は、イランが核兵器開発能力を持とうとしていると確信しているかとの問いに対し「IAEAの公的文書には如何なる証拠も見られない」と答えた。>(ロイター2009年7月4日)

 どうですか、これ? 09年半ば時点で、IAEAの次期トップが「イランは核兵器開発を目指していない」と断言しているのです。
こう見ると、
・ 核兵器を実際に保有している北朝鮮
・ 核兵器を持たず、開発する意志すら示したことがないイラン
 という事実が理解出来ます。
しかし、アメリカは、常に北朝鮮よりイランを敵視して来ました。
アメリカのトップが、繰返し繰返し「イラン攻撃の可能性」に言及して来たこと、皆さんも御存知でしょう。
 一方で、「核兵器開発」で言えば「明白な脅威」である筈の北朝鮮。
好戦的なブッシュは、06年時点で、「北朝鮮を攻撃することはない!」と宣言しています。

 <〈北朝鮮核実験〉ブッシュ大統領「米国は攻撃意思ない」(中略)
北朝鮮が核開発の理由に米国からの攻撃を阻止する抑止力を挙げていることに対し、「北朝鮮を攻撃する意思はない」と明確な姿勢を示している、と説明した。>(毎日新聞 2006年10月12日)

 核兵器を開発してないイランには、「攻撃する!」と脅し、核兵器保有を宣言している北朝鮮には、「攻撃しない!」と宣言する。この「不可解さ」は何なのでしょうか?

イラン敵視、北朝鮮放置の真因

 理由は色々ありますが、取敢えず三つ挙げて置きましょう。

1.石油・ガス利権確保
 03年、理不尽な「イラク戦争」が始まりました。何故「理不尽」なのか?
アメリカが「開戦理由」に挙げた二つ。即ち、「フセインはアルカイダを支援している」、「大量破壊兵器を保有している」は、共に「ウソ」だった。
 では、「本当の理由」は何だったのでしょうか? FRBのグリーンスパン元議長は、こんな告白をしています。

 <「イラク開戦の動機は石油」=前FRB議長、回顧録で暴露

 [ワシントン17日時事] 18年間に亘って世界経済の舵取りを担ったグリーンスパン前米連邦準備制度理事会(FRB)議長(81)が17日刊行の回顧録で、2003年春の米軍によるイラク開戦の動機は石油利権だったと暴露し、ブッシュ政権を慌てさせている。>(時事通信 2007年9月17日)

 「石油利権で戦争を起すなんて!」。日本国民には、理解出来ませんね。そうは言いますが、日本がアメリカとの開戦を決意したのも、「ABCD包囲網」で「石油が入らなくなったから」です。
 アメリカの場合、当時「2016年に自国の石油が枯渇する」と言う予測が出されていました。それで、世界中の「石油利権確保」に躍起になっていたのです。
原油埋蔵量世界4位、天然ガス埋蔵量世界1位のイランがターゲットになったのも理解出来ます。

2.「ドル基軸通貨体制」防衛
 アメリカがイラクを攻めたもう一つの理由は、フセインが2000年11月、「イラク原油の決済通貨をドルからユーロに変えたこと」と言われています。 
 
 <イラクの旧フセイン政権は2000年11月に石油取引をドルからユーロに転換した。国連の人道支援「石油と食料の交換」計画もユーロで実施された。米国は2003年のイラク戦争後、石油取引をドルに戻した経緯がある>(毎日新聞 2006年4月17日)

 実を言うと、イランも、「原油の決済通貨をドル以外」に変えています。
 
 <イラン、原油のドル建て決済を中止[テヘラン 8日]

 イラン学生通信(ISNA)は8日、ノザリ石油相の話として、同国が原油のドル建決済を完全に中止した、と伝えた。ISNAはノザリ石油相からの直接の引用を掲載していない。
ある石油関連の当局者は先月、イランの原油の代金決済の「ほぼ全て」はドル以外の通貨で行なわれていると語っていた。>(ロイター 2007年12月10日)

 イランも、フセイン時代のイラク同様、「ドル基軸通貨体制」を崩壊させる動きをしていた。

3.イスラエル防衛
 イランは、イスラエルにとって最大の仮想敵です。そして、イスラエルロビーは、少し前迄アメリカで最強だった。それで、アメリカもイランを敵視していた。
 アメリカが北朝鮮よりもイランを敵視していた理由を3つ挙げました。
イラン、核兵器開発をしていないかも知れませんが、アメリカには、他に「攻撃したい理由」があったのです。それで、北朝鮮は、事実上放置されて来ました。

アメリカ、戦略の変化と北朝鮮問題

 しかし、オバマの時代になると、アメリカで大きな変化が起って来ました。最大の変化は、「シェール革命」です。アメリカは、既に世界一の「産油、産ガス国」に浮上。「資源がたっぷりある」中東の重要度はどんどん下がっています。
 もう一つの大きな変化は、中国が十分力を付け、アメリカの覇権に挑戦するようになった。つまり、中国が「最大の脅威」に浮上した。
このことを踏まえて、ここ数年の動きを振返って見ましょう。

 2011年11月、オバマ、戦略の重点を「アジアに移す」と宣言。
 13年8月、オバマ、「シリア(アサド政権)を攻撃する!」と宣言。
 13年9月、オバマ、シリア攻撃をドタキャン。

 この頃、「イランとの和解」に動き始める。14年3月、ロシア、クリミアを併合。アメリカは、日欧を巻込んで「対ロシア制裁」を発動。
14年8月、アメリカと有志連合、イスラム国への空爆を開始。
15年2月、ロシア、ドイツ、フランス、ウクライナ首脳、ウクライナ内戦の「停戦」で合意。
15年3月、「AIIB事件」。親米国家群を多く含む57か国が、アメリカの制止を無視し、中国主導「AIIB」への参加を表明。
以後、アメリカの「反中」はエスカレートして行く。

 15年5月、米中、「南シナ海埋め立て問題」で対立。「米中軍事衝突」を懸念する声も。
15年9月、習近平、訪米するも冷遇され意気消沈。同月、ロシアは、ISと反アサド派への空爆を開始。
16年1月6日、北朝鮮、「水爆実験」。
16年2月7日、北朝鮮、長距離弾道ミサイル実験。
16年2月22日、アメリカとロシア、「シリア停戦」で合意。
16年3月2日、国連安保理、北朝鮮制裁決議案を採択。
16年3月7日、アメリカ、韓国、「最大規模の軍事演習」開始。
 北朝鮮は、「米韓を先制核攻撃する!」と恫喝。

 こうやって振返ると、アメリカが、ウクライナ問題とシリア問題を解決し、アジアに重点をシフトしている様子がはっきり見えて来ます。
2000年代、石油の枯渇を恐れるアメリカは、中東を重視し、アジア・北朝鮮問題を事実上無視して来た。しかし、今は、シェール革命と中国の台頭で、中東の重要度が減り、アジアの重要度が増している。それでイランは救われ、北朝鮮問題が浮上して来たのです。
だから、今迄の延長で北朝鮮問題を見ていてはダメなのですね。

中国は北朝鮮を守る

 日本ではよく、「中国も、我儘な金正恩に困っている」「中国も北朝鮮を見捨てる」という話をよく聞きます。確かに、中国が我儘な金正恩に困っているのは、そのとおりでしょう。
しかし、「見捨てる」というのは違うと思います。何故でしょうか? 「地政学的」な理由です。
 中国が北朝鮮を見捨てたらどうなるでしょうか? そう、韓国を中心に朝鮮半島は統一されるでしょう。そして、韓国は、米中間で揺れているとはいえ、「アメリカの軍事同盟国」です。
ということは、「南北統一」後、アメリカ軍が中国の国境沿いに駐留することになる。統一後、北朝鮮、中国国境にミサイルでも配備された日にゃあ。
こう見ると、中国には、「何としても北朝鮮を守りたい」動機がある。
因みに、国連制裁。成功するかどうかのカギを握っているのは、中国です。

 <しかし効果的な制裁になるには条件が一つ満たされなければいけない。北朝鮮貿易取引の90%を占める中国が徹底的かつ持続的に制裁に参加しなければいけないという点だ。中国はその間、制裁に積極的に参加するような態度を見せ、時間が過ぎれば手綱を緩めて来た。これでは5回目、6回目の核実験を防ぐことは出来ない。
 政府は国際社会、特に中国が国連制裁を徹底的に守るよう万全を尽さなければいけない。>(中央日報 3月3日)

 中国の国益から見ると、「制裁を守る訳がない」ということになります。

第2次朝鮮戦争は、米中戦争に転化する?

 もし「第2次朝鮮戦争」が勃発すれば、それは、韓国と北朝鮮の戦争では終りません。米中戦争に発展する可能性も出て来ます。
「そんなバカな!米中共に、『核超大国』ですぞ!」という反論が出るでしょう。
 しかし、核超大国の米露は、あちこちで「代理戦争」を繰返しています。先ず、
・ 08年8月の、ロシア─グルジア戦争。
グルジアのサアカシビリ大統領(当時)は、「アメリカの傀儡大統領」として知られていました。
・ 14年~15年の「ウクライナ内戦」。
これは、アメリカが支援するウクライナ政府と、ロシアが支援する「東部親ロシア派」の戦いでした。
・ 11年から始まり、今年2月に「停戦」に至った「シリア内戦」。
 ロシアはアサド政権を支援し、アメリカは「反アサド」を支援していました。
こういう例を見ると、「核大国同士の代理戦争は起らない」とは決して言えません。実際「しばしば起っている」のですから。

 しかも、「第2次朝鮮戦争」が起れば、「代理戦争」では終らないでしょう。何故なら、アメリカにとって韓国は、グルジアやウクライナと違い「軍事同盟国」だからです。
つまり、第2次朝鮮戦争が起れば、「アメリカ+韓国 対 中国+北朝鮮」となってしまう。
このことが、アメリカと中国にとっては「戦争を回避したい動機」になることでしょう。
 しかし、北朝鮮が始めてしまえば、アメリカも韓国を見捨てる訳には行かず、参戦ということになります。そうなると、日本も、「集団的自衛権」を行使することになり、アメリカと韓国の支援をすることになるでしょう。
ですから、戦争阻止のために出来る限りのことをしていく必要があるのです。


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ズムワルト級駆逐艦

 この形に何故ステルス効果があるかと言えば、照射されたレーダーの電波が上や下に逸らされて戻って来ないからです。それにしてもSFじみた異様な艦形ですね。小さいように見えますが、全長183mもあります。 

  800px-Future_USS_Zumwalts_first_underway_at_sea.jpg
 ズムワルト級ミサイル駆逐艦 (画像転載元: Wikipedia)

 
米最新鋭ステルス駆逐艦や原潜展開を検討 ハリス司令官 中国の軍事拠点抑止へ「2隻目空母が欲しい…」
     2016.2.25 21:40          産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160225/wor1602250065-n1.html~n2.html)

 【ワシントン=青木伸行】ハリス米太平洋軍司令官は2月24日、下院軍事委員会の公聴会で証言し、中国による南シナ海の軍事拠点化を抑止するための方策として、西太平洋に米空母2隻を常時、配備することは当面、難しいとの認識を示す一方、最新鋭のズムワルト級ステルス駆逐艦や、攻撃型原子力潜水艦の前方展開を検討していることを明らかにした

 空母2隻体制についてハリス氏は「2隻目が欲しい。早い程喜ばしい」としつつも、「2隻目を(常時)配備するには予算や外交、政治上の克服すべきハードルがある」と述べた。

 その上で「攻撃型原子力潜水艦や追加的な駆逐艦、恐らくDDG1000(ズムワルト級)の前方展開が考えられる」と指摘。「空母の不足を補うために、出来ることは多い。(ズムワルト級などの前方展開は)スプラトリー(中国名・南沙)諸島に於ける更なる軍事化を抑止するための、大きな部分だ」と語った。

 米国防総省はリバランス(再均衡)戦略に基付き、アジア太平洋地域に米軍艦船全体の6割を配備し、国防予算の厳しい削減下に於ける量的な制約を、最新鋭艦船を配備することにより質的に補おうとしている。

 ハリス氏がレーダーに捕捉され難いズムワルト級に言及したことは、リバランス戦略の一環であることに加え、中国による急速な軍事拠点化に対する強い危機感の表れだと見られる。

 ズムワルト級は当初、30隻以上の建造が計画されたが、高額のため3隻に削減された。1番艦は昨年に進水し、航行試験を経て年内に海軍に引渡される。

 国防総省は2017会計年度(16年10月~17年9月)の国防予算案に、米軍佐世保基地(長崎県佐世保市)での運用を想定し、桟橋の改修工事費を盛込んでいる。
ただ、工事期間は17年5月から18年10月迄で、米カリフォルニア州サンディエゴを母港とする予定の1番艦を前方展開するにしても、特異な形状の船体を持つズムワルト級の寄港地を、早急に確保することが先決となる。


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南シナ海 米空母派遣の本当の理由

【緊迫・南シナ海】
あわや中国が防空識別圏を設定 米空母艦隊派遣の本当の理由
      2016.3.6 17:37        産経WEST
http://www.sankei.com/west/news/160306/wst1603060047-n1.html~n4.html)

 米国防総省と第7艦隊が中国の全人代開幕に合せたかのように米空母艦隊を南シナ海に派遣した。背景には南シナ海の軍事基地化を進める中国が一方的に防空識別圏を設定し、南シナ海を“聖域”としかねないとの危機感があったようだ。米国は中国による軍事拠点化を防ぐ方針だが、状況は全く予断を許さない。

 南シナ海に派遣されたのは原子力空母「ジョン・C・ステニス」、ミサイル巡洋艦「モービル・ベイ」、イージス駆逐艦「チャン・フー」、「ストックデール」の他、補給艦「レーニア」。米海軍は今回の空母艦隊派遣を通常のパトロール任務だとしているが、この言葉を額面通りに受取る人はいないだろう。フィリピンのマニラには米海軍横須賀基地(神奈川県)を拠点とする第7艦隊の旗艦「ブルー・リッジ」が寄港している。

2030年までに「中国の湖」になる

 米空母艦隊派遣が公になる直前の3月1日にはカーター米国防長官がサンフランシスコで講演し、中国が南シナ海の軍事化を止めようとしないのなら、「それに見合う結果を伴う」と述べ、対抗措置を取る考えを強調していた。

 2007年にも南シナ海に派遣されたことがある「ジョン・ステニス」のハフマン艦長は「中国の艦船が周囲にいる」と、米空母艦隊の動きは中国に監視されていると説明する一方、集まった中国の艦船の多さについて「過去の私の経験では見たことがない」と語り、10年程で南シナ海を巡る軍事状況は一変していることも明らかにした。

 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)が2016年1月に纏めた報告書は、南シナ海について「2030年までに事実上、中国の湖となる」と警鐘を鳴らしている。

 中国による南シナ海の軍事拠点化の勢いは止まることがない。2014年5月に中国がスプラトリー(中国名・南沙)諸島の岩礁で大規模な埋立てを行なっていることが判明。2016年1月にはスプラトリー諸島にある人工島の飛行場に試験飛行を実施した。米国防総省が同年2月、スプラトリー諸島に新たなレーダー施設を建設していることを確認した。また、同年2月にはパラセル(中国名・西沙)諸島に対空ミサイルが配備されたのに加えて、戦闘機が派遣されたのも分った。

一挙に防空識別圏を設定か?

 米国がこうした南シナ海に於ける中国の行動を受けて、最も警戒しているのが防空識別圏設定の強行だ。ハリス米太平洋軍司令官は2月25日の記者会見で、ケリー米国務長官が中国に対し、南シナ海上空に防空識別圏を設定しないように求めたことを明らかにする一方、中国が防空識別圏を設定しても「無視する」と語った。

 中国外務省の洪磊報道官は2月26日の記者会見で、南シナ海上空に防空識別圏を設けるかどうかについて「状況次第だ。南シナ海の現状は全体として安定している」と述べたが、遅かれ早かれ中国が防空識別圏を設定しようとするのは間違いないというのが軍事関係者の常識的な見方だ。

 レーダーと対空ミサイルの配備、そして戦闘機の派遣というのは実は東シナ海での行動が一つの教訓となっている。中国は2013年11月に尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定した。しかし、米軍は戦略爆撃機B52を中国に事前通告することなく派遣し、堂々と防空識別圏内を飛行させた。

東シナ海での教訓に学ぶ

 中国はB52の飛行をレーダーで捉えたと主張したが、元航空自衛隊幹部は「中国はスクランブルを掛けていない。B52を捕捉することが出来なかったのではないか」と見ている。

 つまり、東シナ海ではレーダーや対空ミサイル等防空用兵器の配備が追い付かなかったために米軍の進入を易々と許す結果となったという訳だ。南シナ海でその二の舞とならないようにするには進入して来る米軍を捕捉・迎撃出来る兵器を揃えた上で、防空識別圏の設定に踏切る必要がある。

 レーダーで捕捉し、対空ミサイルで迎撃、更に進入を試みようとする敵に就いては航空機を緊急発進(スクランブル)させるということになる。先の元空自幹部はこうした中国の動向について「南シナ海の制海権と制空権を掌握するために着々と布石を打っている」と分析している。

 こうした中、米軍内では「中国が南シナ海の軍事拠点を前方展開基地に変容させようとしている」との強い警戒感が出ており、攻撃型原子力潜水艦の追加配備やステルス駆逐艦「ズムワルト」を展開することも検討している。
 米国が実施している「航行の自由」作戦との関連は不明だが、昨年11月上旬には海上自衛隊護衛艦が米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」と一緒に南シナ海を航行した。年内には日本、米国、インドの3カ国がフィリピン北方の南シナ海近くで海上共同演習を実施する。南シナ海を巡る角逐は続くことになる。


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日本の弾道ミサイル防衛

 北朝鮮には数百発の弾道ミサイルが実戦配備されているそうです。
仮想敵国は韓国と米国でしょう。朝鮮半島有事とは北朝鮮対米韓連合軍の衝突であり、日米安保条約により日本も巻込まれます。その際、中国とロシアの出方によっては大事(おおごと)に発展する可能性もあります。日本はどう対応するのでしょうか?


韓国に配備検討の米THAAD(高高度防衛ミサイル)は日本でも有効なのか?
       2016.2.21 10:00           産経ニュース
http://www.sankei.com/premium/news/160221/prm1602210013-n1.html~n3.html)

 北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行したことを契機に、ミサイル防衛体制の強化に向けた議論が活発化している。特に、米国から最新鋭の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を導入するか否かが焦点になっている。

 現在の日本の弾道ミサイル防衛は「2段階防衛」を基本としている。
ミサイル発射後、上層の大気圏外で撃落とすのは海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を搭載した海上自衛隊のイージス艦が担う。撃漏らした場合は、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)が大気圏内で迎撃する。
もしTHAADが日本に配備されれば、SM3とPAC3の中間段階の迎撃手段として位置付けられ、日本のミサイル迎撃は「3段階防衛」に多層化する見通しだ。

 THAADは、ミサイル発射装置の他「TPY2」と呼ばれる車載式の早期警戒Xバンドレーダー等で構成され、大気圏内に再突入する弾道ミサイルをPAC3よりも高い高度で撃落とすことが出来る。PAC3の迎撃高度が20キロ程度なのに対し、THAADの迎撃高度は最高150キロとされる。より上空での迎撃が可能なため、弾頭に核や化学兵器を搭載したミサイルを破壊した場合も、地上への影響が少ないという利点もある。

 米軍がグアムに実戦配備している他、現在は韓国国内への配備に向け韓米の交渉が進んでいる。日本へのTHAAD配備を巡っては、中谷元防衛相が昨年11月に導入検討に言及。菅義偉官房長官は今月8日の記者会見で「現段階で具体的な計画はない」としながらも「国民を守るため、米国の先進的な取組や装備品を研究しつつ検討を加速したい」と配備について含みを持たせた。
政府は今後、THAAD配備の本格的な検討に入ると見られるが、防衛省内ではTHAADの実効性を疑問視する声が挙っている。

 北朝鮮は既に、日本を射程に入れるノドンやスカッド等の弾道ミサイルを数百発保有している。射程1500キロのスカッドミサイルだけで、200~300基の実戦配備を終えているとされる。

 ある幹部自衛官は「北朝鮮が本気で日本を攻撃するなら、同時に多数のミサイルを発射する可能性が高い。そうなれば、THAADを導入しても全てを防ぎ切ることは難しい。逆に、1発若しくは数発の弾道ミサイルを防ぐためなら現在の2段階態勢で足りる。『帯に短し、襷に長し』だ」と指摘する。別の防衛省幹部は「THAADは導入に必要な経費も1基当り1千億円以上と高額だ。とても割に合わない」と断じる。

 北朝鮮は現在も弾道ミサイル開発を着々と進めており、今後も性能・数共に伸長して行くことは確実だ。これ迄の延長線上の安全保障政策では、脅威を取除くのは難しいのが実情と言える。

 幹部自衛官は「THAADよりも、巡航ミサイルを軸とする敵基地攻撃能力を整備する方が効果的だ」と指摘する。日本は戦力不保持を謳う憲法9条の存在から「専守防衛には相応しくない」と、敵基地攻撃を可能とする装備の保有を見送って来た。しかし、「他に手段がない」場合は自衛の範囲内とし、その能力の保有は合憲との立場を取っている。防衛省幹部は「巡航ミサイルの配備実現には時間が掛かるだろうが、検討を始めるだけでも抑止力に繋がる」と見ている。(政治部 石鍋圭)


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韓国の独自開発戦闘機「KFX」の破綻

 「悪を知る」上で、韓国の行状を良く知っておくことも大事です。
「悪を憎む」のではなく、悪とはどういうものかを理解し、騙されないだけではなく、「悪を超える」のです。先ず、動物の生態を研究するように良く観察することです。これが北野氏から学んだリアリズムの精神です。
日月神示にも「智の中に悪を取入れるゆとりの出来んようではマコト成就せんぞ」とあります。(前記事参照)


韓国に「追い銭」。軍事技術を盗み→いじり→壊し→「不良品」だと補償要求する韓国に米国がキレた 【野口裕之の軍事情勢】
     2015.10.31 08:05         産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/151026/wor1510260004-n1.html~n5.html)

 「偉人は自分の出来ることをする。だが凡人は、出来ることをせず、出来もしないことばかり望む」(ロマン・ロラン)

 韓国は「望む」だけでなく「盗む」。韓国の韓民求(ハン・ミング)・防衛相(62)は15日、米国のアシュトン・カーター国防長官(61)と会談し、韓国が「独自開発」中の戦闘機(KFX)に必要な先端技術の提供を改めて申し入れた。勿論&やっぱり、カーター氏は一蹴した。

・ 法王も低いモラルに苦言

 米国の対韓軍事供与は最早「盗人に追銭」状態。韓国は協定を何度も破り、最先端技術開発元の米国が指定する、開けてはならぬ《ブラックボックス》をこじ開けた。
こじ開けたのは良いが、元に戻せず兵器を壊すケースも目立つ。一方で、米供与兵器の運用実験に失敗すると、自らの整備不良や劣悪な保管実態を棚に上げ、米側に「欠陥」補償を求める。盗まれ→弄られ→壊され→「不良品」だと補償要求する韓国の破廉恥な姿勢に、米国はまたまた(・・・・)キレたようだ。
ローマ法王フランシスコ(78)は乗員・乗客304人が死亡・行方不明となった韓国のセウォル号沈没事故に関連して仰せられた。

 「韓国民が事故を契機に倫理的に生れ変ることを望む」

 乗客を見捨てて逃げた船長や不誠実な政府対応、拝金主義の船主…。韓国人のモラルの低さに苦言を呈したとの見方が支配的だ。最も大切な教義の一つを「赦し」だとするカトリックの最高位を以ってしても「生れ変り」を求める国、それが韓国の実態である。

 韓国は2014年、次期主力戦闘機として米社とF-35を40機購入する契約を交す。韓国はその際「KFX開発に必要な25の技術提供を受ける約束をした」と強弁する。しかし米政府は4月、少なくとも「内4つの核心技術の提供を許可しない」決定を下した。4技術は超最先端システムで、米国が出したくないのは当然だ。特に韓国には。

 韓国空軍は40機の F-35 も完成品で買うことになろう。ところが米国は、日本の航空自衛隊には、韓国と全く異なる待遇で臨んでいる。4機は韓国同様に完成品で引渡されるが、残りの38機は、主要技術を米側から取得した上で日本国内で組立てる。米政府が、日韓両国の技術力格差のみならず、行状の違いを良く認識した末の結論だ。以下、韓国の“技術力”や行状のほんの一部を紹介するが、科学系ノーベル賞に縁遠い理由も理解出来よう。

・ 弄り壊して補償要求

 韓国空軍の主力戦闘機 F-15K の場合、主要部を除くパーツを米国より持込み、韓国企業が組立てる。が、技術的未熟さ故、トラブルが続出し、自衛隊では考えられぬ墜落件数で多くの乗員の命を失った。未熟克服にはコツコツと研究を積重ねる他にない。だのに韓国は、ブラックボックス指定の暗視装置を分解し、ブラックボックスに仕掛けられた細工も知らず米側に探知されてしまう。

 韓国が不正流用した米技術は ▽対艦ミサイル、▽多連装ロケットシステム、▽戦車…等、最低20種類前後に上る。同盟国としてあるまじき裏切り行為の蓄積で、米技術の韓国供与の「蛇口」は急激に絞られた。実際、F-35 も日本の空自仕様に比べ、性能ダウンした機種が「有力候補」に浮上する。不正入手した製品・部品の新規購入に当っても米国は、通常の数倍もの高値を課し始めた。

 そもそもブラックボックスを弄り→証拠を残さず仕組の解明を行ない→復元するには、極めて高度な技術が必要となる。ドイツが開発し韓国企業がライセンス生産した潜水艦に至っては元に戻せず、日本企業に泣付き、断られたと聞く。

 悪事を隠すのなら、少しは謙虚になれば良いのにエラそうに振舞う。12年の米韓演習で、韓国海軍イージス艦が発射した米製艦対空ミサイルSM-2 が標的とは反対方向に飛び、自爆した。韓国は米国に補償を要求したが、米側は「各国海軍での欠陥報告はなく、韓国海軍特有の事故」と拒否した。小欄は、米側は韓国にこう言って黙らせたのでは、と推測する。

 「配備が進む弾道ミサイル迎撃用の SM-3 は実験段階でほぼ全弾命中している。SM-3 に比べ標的の速度が圧倒的に遅い航空機迎撃用の SM-2 が成功率50%とは??
?」

・ 初歩技術遮断で開発中止

 エラそうな振舞いに加え、恐ろしく無計画と来る。米国が提供を拒絶した KFX の4技術は「米政府の承認が前提」で成約しており、韓国側が「何とかなる」と見切り発車したとの観測も在る。でも「何ともならない」可能性は濃厚。

 4技術の穴を、韓国は怪しげな“自国技術”と欧州やイスラエルからの導入で埋めると観られるが、節操なく兵器を売りまくる欧州ですら韓国の盗癖に対する警戒感は強く、旧世代情報しか出したがらなくなった。航空機エンジンといった核心部分は技術移転を控え、設計説明も最小限に止めている。尤も自前の技術を培っていれば、断片情報を応用して国内開発も成就する。だが、韓国は技術盗用を繰返して来たツケで、初歩的技術情報の遮断によってさえ国内開発が中止に追込まれる。

 この点、我国は米国の第4世代戦闘機 F-16 を「お家芸」の炭素繊維で造り替え、機体制御ソフトや高性能レーダーも自前で開発してF-2 を配備した。ただ、大東亜戦争(1941~45年)に敗れ、GHQ(連合国軍総司令部)が航空機の研究・制作・運航を、ジェットエンジンへの転換期に7年間も禁じたためエンジン開発には苦しんだ。ハンディはひたすら試行錯誤を重ねることで撥ね飛した。かくして、米英並みの戦闘機用高性能エンジンの開発にメドが立った。より小型化された高出力エンジンの耐熱素材や冷却装置、ステルス素材…等、得意技術を引提げて第5世代戦闘機 F-3 の完全自国開発が射程内に入ったのだ。

 日本技術の大躍進に嫉妬の炎を消せぬ韓国は、外貨稼ぎ目的もあり“自国製兵器”の輸出に拍車を掛ける。是非、中国軍に売って欲しい。中国軍の戦力大低下を誘発し、地球の平和に資すること必定ではないか。(政治部専門委員 野口裕之/SANKEI EXPRESS)


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緊迫する朝鮮半島情勢

 今朝は真っ先に世界のマーケットをチェックしました。
米株と香港(上海は未だ春節休場)株の下げがやや中途半端なので、急激な円高には為替介入も警戒され、未だ本格的な大崩落と迄は行かないでしょう。

 さて、昨日は菅沼光弘氏の話を視聴しました。私が理解したその骨子は、

1.北朝鮮の核技術は、先の大戦中の日本の研究を土台に、旧ソ連が育てたものであり、ソ連崩壊後も研究者を連れて来て継続し、70年の歴史を持つ。従って、水爆の小型化を含め日本が想像する以上に進歩している可能性がある。
2.金正恩氏の長期的な戦略は、アメリカと朝鮮戦争(未だ終っていない)の終戦協定を結び、在韓米軍を撤収させる。その後、北主導で半島を統一することにある。
 従って、現在最も窮地に陥っているのは韓国であり、半島有事の際には、韓-米ー日の繋がりで日本にも塁が及ぶ可能性が大きい。この大事な局面で北との人的交流を断ち、自ら北の情報を遮断する如き独自制裁は自殺行為に等しい。と言うものです。

 もし、アメリカが金正恩氏を中国包囲網の構築に利用出来ないと判断したら、下記記事が示唆するように、「抹殺」という選択肢も充分在り得ます。


金正恩氏が震え上がる?“要人”暗殺担う米特殊部隊が韓国入り 米軍、攻撃型原潜も派遣へ 
      2016.2.11 19:49           産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160211/wor1602110035-n1.html~n2.html)

 【ソウル=藤本欣也】 韓国聯合ニュースは11日、米軍が来週、韓国に攻撃型原子力潜水艦「ノースカロライナ」を派遣すると報じた。巡航ミサイル・トマホーク等を搭載した同艦の派遣で北朝鮮による軍事的挑発を牽制する狙いがある。

 3月には米原子力空母「ジョン・C・ステニス」も参加し、韓国近海で史上最大規模の米韓合同軍事演習が行なわれる予定で、北朝鮮への軍事的圧力を一段と強める。

 米軍は核実験後の1月10日にB52戦略爆撃機を韓国に一時派遣したのに続き、B2ステルス戦略爆撃機やF22ステルス戦闘機の派遣も検討しているという。

 また、韓国国防省は11日、米韓両軍が、最精鋭の空挺部隊をパラシュートで降下させ、“敵地”深く侵入させる合同訓練をソウル近郊で実施していると発表した。同訓練を合同で行なうのは初めて。

 訓練は3日に始まり、18日迄行なわれる。こうした訓練の公表は異例で、聯合ニュースは「北朝鮮に対する強力な軍事的警告のメッセージが込められている」との見方を伝えた。

 在韓米軍等によると、イラクやアフガニスタンで要人の暗殺などを担った米特殊部隊も、米韓合同軍事演習に参加するため、韓国入りしている。


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中国が「軍区」を「戦区」に再編

 米側の軍事的中国包囲網に対抗することになる中国側の全方位的対応体制です。
このニュースは習政権が江沢民一派との権力争いを制し、軍を掌握したことを意味します。しかし、未だ胡錦濤派が残っている。


「livedoor NEWS」
中国軍が再編 「軍区」を「戦区」に変更し、「統制強化」と「即戦能力」の向上
      2016年2月2日 12時53分             サーチナ
http://news.livedoor.com/article/detail/11134709/

 中国で1日、人民解放軍の「七大軍区」が撤廃され、新たに「五大戦区」が発足した。
「軍区」及び新たな「戦区」は“仮想敵”別に国土の防衛担当地域を定めたもの。「五大戦区」の設立には中央の統制を強化し、「即戦能力」を高める狙いがある。

 習主席が2015年秋に表明した軍改革の一環。1日には習主席が北京市内で「五大戦区」の発足を宣言し、各戦区の司令官に軍旗を授与し、「(国全体の)根本戦略の方向により、脅威から安全を保ち、平和を維持し、戦争を抑制し、戦争に勝つ使命に責任を取れ」等と訓示した。

 新たに発足した「五大軍区」の内、東部戦区は南京に司令部を置き、台湾と東シナ海方面の状況に対応する。対日作戦で先ず表に立つのは東部戦区ということになる。
南部戦区は東南アジアや南シナ海の状況に対応する。西部戦区は中央アジアやインド方面に対応する。北部戦区はロシアやモンゴル国に対応する。中部戦区は首都圏の防衛を担う。


 従来の軍区は、組織管理を主眼にした陸軍の編成だったが、新たに発足した各戦区では、海軍・空軍・ミサイル部隊を一体運用する統合作戦機構が設置された。

 1月には、それまで「4総部」と呼ばれ、大きな権限を持っていた人民解放軍の総参謀部、総政治部、総後勤部、総装備部が、15に分割され、「中央軍事委員会聯合参謀部」、「中央軍事委員会後勤保障部」等として、其々中央軍事委員会の名を付した組織になった。

 一連の軍改革には中央の統制を強化し、「即戦能力」を高める狙いがある。軍内の一部「有力者」の影響力を削ぐ思惑もあるとされる。中華人民共和国発足直後から用いられて来た「軍区」の名称を「戦区」に変更し、「総参謀部」の後継組織の名称に「中央軍事委員会」の名を付したことからも、習近平政権の強い意志を読取ることが出来る。(編集担当:如月隼人)


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軍事的中国包囲網強化の動き

 ニュースを追っていると、確かに米国は東アジア方面で米・韓同盟と日・米同盟を基軸に軍事的な中国包囲網を強化していることが分ります。
最近の北朝鮮の核実験と長距離弾道ミサイル発射が結果的にそれを助長しているのは単なる皮肉なのでしょうか。このところ、中国と北朝鮮の関係が悪化しているのも気になります。(張成沢処刑や抗日戦争勝利70周年軍事パレード欠席以来、今回の「暴挙」も含めて数々の断片的情報があります)
確かに戦略的には、アメリカは北朝鮮と和解して中・朝を分断し、北の軍事力を中国包囲網に取込んだ方が良いのに違いありませんが。
 

参考記事1:
空自那覇基地に第9航空団 31日新設 与那国陸自は3月28日
     2016年1月27日 09:15       沖縄タイムス  
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=151453

 【東京】 政府は26日の閣議で、航空自衛隊那覇基地の第9航空団を今月31日に、陸上自衛隊与那国駐屯地を3月28日に其々新設することを正式に決めた。閣議後の会見で中谷元・防衛相は「南西防衛体制の強化を目に見える形で示すものだ」と述べた。
 第9航空団は、築城基地(福岡県)のF15飛行隊を移駐し、2飛行隊、約40機体制とする。防衛省によると新たな航空団編成は約50年振りだという。31日の新編行事には中谷氏も出席する方針。

 また、新たな部隊配備となる与那国島では沿岸監視部隊員約150人の入隊式を開催する。防衛省関係者によると、3月の入隊式にも中谷氏が出席する方向で調整を進めているという。

 政府は、東シナ海での中国の海洋進出等を念頭に南西諸島の防衛力強化を打出している。2015年版防衛白書には与那国の沿岸監視部隊や那覇基地への第9航空団の新編などを明記。防衛省は宮古島、石垣島への陸自配備計画も進めている。


参考記事2: YAHOO! ニュース
米韓、最大規模の軍事演習実施へ 宣伝放送も拡大方針
     2月7日(日)16時23分        朝日新聞デジタル
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00000027-asahi-int

 韓国国防省は7日午後、定例の米韓合同軍事演習を3月7日から4月30日迄実施すると発表した。前年と比べ、約5800人の参加人員の他、1個空母強襲団や戦闘機45機を増強。「最先端で史上最大規模」(同省)の演習を行なうとしている。

 同省は南北軍事境界線近くで展開している北朝鮮向けの軍事宣伝放送に就いて、放送地点や時間を拡大する方針も明らかにした。米国との間で、B52戦略爆撃機等、米戦略兵器を追加投入することも協議するという。(ソウル)


参考記事3:
韓国が米と高高度防衛ミサイル配備を協議へ 朴政権が政策転換 中国は「自国の監視目的」と反発 中韓関係に影
      2016.2.7 20:08           産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160207/wor1602070078-n1.html

 【ソウル=藤本欣也】 米韓両国は7日、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射を受け、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム、高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備に向けた協議を開始すると発表した。韓国国防省は早期の配備を模索するとしている。

 THAADの韓国配備を廻っては、中国が自国の監視目的だとして強く反発しており、中韓関係に影響を与えるのは必至だ。中国重視政策を展開して来た朴槿恵政権の外交が転換する可能性がある。中国外務省の華春瑩報道官は7日、「深い懸念」を表明した。

 朴政権は対中配慮等から、在韓米軍へのTHAAD配備について「米国から要請はない」「協議していない」「如何なる決定も下していない」という“3無”政策を堅持して来た。

 しかし北朝鮮による1月6日の核実験強行を受け、朴大統領は同13日、THAAD配備に関し、「我国の安全保障と国益を踏まえて検討して行く」と前向きな姿勢を示していた。強力な対北制裁へ慎重姿勢を崩さない中国を牽制する意図があったと見られている。

 朴政権は今回のミサイル発射により、国内の安全保障の懸念が更に高まるのは避けられないと見て協議開始を決断した模様だ。韓国側は、在韓米軍のスカパロッティ司令官の提案を受けて決めたとしている。

 THAADは、高度100キロ前後で弾道ミサイルを迎撃する。高性能レーダーの探知距離は千キロを超えるとも報じられている。


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米軍は中国から尖閣を守る

 これが日米同盟の効果です。ハリス米太平洋軍司令官(海軍大将、母親が日本人)は「アジアの同盟国として日本や韓国、オーストラリア等を挙げ、アジア太平洋地域の各国と連携して中国包囲網を築く考えを表明した」と報じられています。


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画像転載元(http://blogs.yahoo.co.jp/hisao3aruga/39937847.html


米軍司令官「中国攻撃なら尖閣守る」 南シナ海へ艦船派遣拡大
     2016.01.28 12:50          日本経済新聞
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM28H2X_Y6A120C1EAF000/

 【ワシントン=川合智之】 米太平洋軍のハリス司令官は27日、ワシントン市内での講演で、中国による沖縄県・尖閣諸島周辺への領海侵入を廻り、「中国の攻撃を受ければ我々が間違いなく(尖閣を)守る」と明言した。

 同司令官は中国が埋立てを進める南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島に米軍艦船を派遣する「航行の自由」作戦に就いても、「より多くなるだろう」と述べ、頻度を増やすことを明らかにした。南シナ海で人工島に軍用機が着陸出来る滑走路を建設する等して、周辺諸国と領有権争いを続ける中国への牽制を強める狙いと見られる。

 ハリス氏は「航行の自由」作戦に就いて、中国の軍当局者に「(中国は)挑発的だ」と伝えたと表明し、今後は作戦を「複雑化する」との意向を強調した。米軍は10月下旬以降、中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(22キロメートル)以内にイージス駆逐艦「ラッセン」を派遣している。

 ただ領海内であっても武力行為を伴わない「無害通航」は国際的に認められている他、ベトナム等が領有権を主張する岩礁付近も通ることで中国側に配慮していた。昨年12月には戦略爆撃機B52を人工島12カイリ以内に飛ばしたが「通常の訓練飛行」との名目だった。

 一方、中国は滑走路の建設を中止せず、2日には南沙諸島のファイアリクロス(中国名・永暑)礁に完成した飛行場へ航空機を試験飛行させたと発表していた。ハリス氏はアジアの同盟国として日本や韓国、オーストラリア等を挙げ、アジア太平洋地域の各国と連携して中国包囲網を築く考えを表明した。 


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日・豪潜水艦共同開発

 オーストラリアのターンブル主相は親中派で、独仏はアメリカを裏切って中国についた国です。この記事はオーストラリアのメディアの中にも、反中・親日・親米へと舵を切り始めた新聞が出て来たことを意味します。


「そうりゅう」型潜水艦 (クリックして拡大)
「そうりゅう」型潜水艦
画像転載元: (http://stonewashersjournal.com/2014/11/30/souryuu2/


「日本以外なら中国の勝利を意味する」豪潜水艦共同開発で米政府筋
      2016.1.25 11:44         産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/160125/wor1601250020-n1.html

 25日付のオーストラリアン紙は、日独仏が争うオーストラリアの次期潜水艦の共同開発相手選定で日本が選ばれなければ、日本案に反対する中国が外交的に勝利することを意味するとの米政府筋の見解を報じた。

 ターンブル首相は1月中旬に訪米した際、潜水艦選定についても協議したとされる。米政府は公式には中立の立場を強調しているが、事務レベルではこうした懸念をオーストラリア側に伝えていると見られる。

 米政府筋は、海上自衛隊の「そうりゅう型」ベース案を支持する理由を、
(1)海洋進出する中国への対抗上、最も性能が高い。
(2)最も相互運用性がある。
(3)日米豪の戦略的協力が加速される。
(4)日本の敗北は中国の外交、戦略的勝利を意味する。
 -とした。(共同)


参考過去記事: 「そうりゅう」型潜水艦


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日米豪、南シナ海で共同訓練

海自、米豪海軍が南シナ海で共同訓練へ スプラトリーで軍事拠点化進める「中国」牽制 来年2月に
       2015.12.27 06:35         産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/news/151227/plt1512270007-n1.html~n3.html)

 海上自衛隊と米海軍が、来年2月に南シナ海で共同訓練を実施する方針を固め、これに豪海軍が参加を検討していることが26日、分った。
米国と同盟国の海自・豪海軍が南シナ海で艦隊行動を共にすることにより、同海域のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で人工島の軍事拠点化を進める中国を牽制(けんせい)する狙いがある。

 日米豪3カ国は、来年2月にインドが開く国際観艦式へ艦船を派遣する。これに合せ、南シナ海で共同訓練を行なうことで調整している。
海自の護衛艦1隻が参加する。米豪の艦船と、戦術運動訓練や通信訓練、乗組員の艦船乗換え等の実施を想定している。

 海自と米海軍による南シナ海での共同訓練が明らかになるのは、米海軍が10月末に実施した「航行の自由作戦」後、2回目。豪海軍を含む3カ国の訓練は初めてとなる。

 来年2月の共同訓練では、公海にも拘らず中国が「領海」と主張する人工島の12カイリ(約22キロ)内には入らないと見られるが、政府関係者は「日米豪の共同訓練は中国に対する最も強い牽制になる。『法の支配』の順守を促すメッセージにもなる」と強調する。

 政府は来年以降、南シナ海での活動を拡大して行く。アフリカ・ソマリア沖で海賊対処任務に派遣される海自護衛艦が帰国する機会等を捉え、南シナ海で共同訓練を実施。フィリピンやベトナム等、領有権を巡り中国と対立する南シナ海周辺国との訓練実施も視野に入れている。地域の安定のため、周辺国の軍や沿岸警備隊の能力構築支援にも力を入れる。

 日本が南シナ海で存在感を高めれば、中国がそれを口実にして、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺等東シナ海での動きを活発化させる可能性もある。海自幹部は「日本周辺の危機が高まることは許されない。中国の動きを今迄以上に警戒する」としている。


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防衛費来年度予算案

 5兆円でもGDP比1%程度であり、先進国中最低です。倍の10兆円でもおかしくありませんが、その分、他へ皺寄せが行きます。当面、集団的自衛権で補い、分母のGDPを増やそうという安倍政権の方針は現実的で穏健と言えます。


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 画像転載元: (http://www.garbagenews.net/archives/2258868.html

YAHOO! ニュース
<防衛費>初の5兆円台…沖縄基地負担軽減 来年度予算案
11月29日(日)9時1分            毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151129-00000004-mai-bus_all

 政府は2016年度当初予算編成で、防衛関係費を今年度(4兆9801億円)より増額し、過去最高の5兆円台とする方向で調整に入った。
沖縄の基地負担軽減や、海洋進出を活発化させる中国を念頭に置いた離島防衛力強化に充てる予算を増やすため。防衛費の増加は4年連続。安倍晋三政権の発足以降、一貫して増えている。防衛費が5兆円を超えるのは初めて。

 15年度の防衛費は前年度比953億円増(2%増)で過去最高だったが、今回はそれを上回る。16年度は財政健全化計画の初年度に当り、社会保障関係費を除く政策経費の総額を実質横這いとする方針だが、防衛費は例外的に一定の増額を認める。

 増額する項目は在日米軍基地の地域住民の負担軽減関連予算(15年度は3078億円)で、沖縄の米海兵隊が20年代前半からグアムに移転するのに備え、現地での受入れ工事を本格化させる。米空母艦載機を厚木飛行場から岩国飛行場へ移駐させるための環境整備費、普天間飛行場の辺野古移設関連費も積み増す検討をしており、負担軽減関連予算は100億円超、増える可能性がある。

 装備品の調達費も、過去に高額な大型装備品を複数年度予算で購入した分の支払いが嵩んで来る影響で増える見通し。日米防衛協力の指針(ガイドライン)に宇宙やサイバー空間での協力が盛込まれた事を受け、その対応費も盛込む。

 しかし、新規調達については「集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法の成立を理由に防衛費は増やさない」とする首相の意向に沿う形で原則、中期防衛力整備計画(14~18年度)の範囲内に止める。不要不急の装備調達を遅らせたり、契約手法を見直したりするなどの歳出抑制にも取組む。15年度に1899億円を計上した在日米軍駐留経費の日本側負担(思い遣り予算)は歳出抑制の対象とし、基地で働く日本人従業員の労務費肩代り等を減らす方向で米政府と協議中だ。【宮島寛、村尾哲】


テーマ : 検証
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南支那海波高し?

 この事件はあまり緊迫感がなく、未だ大事には至らないと感じています。しかし、中国が、南沙諸島で何をやっているかを広く日本国民に知らしめた点では良かったと思います。先の安保関連法が何故必要だったかも、例えばシーレーンを日本単独では守れないというように具体的に解ったと思います。
今後の展開については、習近平指導部と軍部との関係が今一つ見えないのでハッキリしたことは言えません。


米海軍、イージス艦「ラッセン」を南シナ海・人工島12カイリ内に派遣 中国は猛反発「(米は)軽挙妄動すべきでない」
      2015.10.27 12:45            産経ニュース
http://www.sankei.com/world/news/151027/wor1510270031-n1.html~n2.html)
     
 【ワシントン=青木伸行】 米国防当局者は26日(米東部時間)、米海軍が横須賀基地所属のイージス駆逐艦「ラッセン」を、南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島で中国が建設している人工島の12カイリ(約22キロ)内に26日夜(日本時間27日午前)、派遣したことを明らかにした。複数の米メディアなどが報じた。中国は強く反発しており、緊張が高まることは必至だ。

  横須賀のイージス駆逐艦「ラッセン」
 img_3_m米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」
 画像転載元: (http://blogs.yahoo.co.jp/kannamu1nensei/34311177.html

 12カイリ内への派遣は「航行の自由作戦」と名付けられ、米CNNテレビによると、当局者は作戦が完了したとしている。ラッセンの哨戒行動は、日米関係筋も確認した。

 ロイター通信は、哨戒機P8AとP3が同行した可能性にも言及しており、そうであれば12カイリ内の上空での飛行活動も実施されたことになる。

 ラッセンなどの派遣先は、滑走路の建設が進むスービ(渚碧)礁とミスチーフ(美済)礁としている。

 国防総省によると、中国が実効支配する岩礁の12カイリ内における米軍の活動は、2012年以来。人工島の造成後は初めてで、12カイリ内での航行は、人工島と周辺海域を中国の「領土、領海」とは認めないという米国の姿勢を示威行動で示し、強く牽制(けんせい)するものだ。

  中国の赤い舌
 img_0_m.jpg
 画像転載元: (http://blogs.yahoo.co.jp/kannamu1nensei/34311177.html

 これに先立ち国防総省のデービス報道部長は26日の記者会見で、「海洋権益を過度に主張する国(中国)に対抗する」と強調し、スプラトリー諸島周辺海域での米軍の活動について、中国へ通告する義務はないとの認識を示していた。

 カーター国防長官もこれまでに「米軍は航行の自由を確保するため、世界のあらゆる場所で活動し、南シナ海も例外ではない」と、派遣を躊躇わない考えを示していた。

 国防総省は5月頃から12カイリ内での航行を検討しオバマ大統領に進言。オバマ氏は自制して来たが、(米・中首脳会談後)今月に入り承認し、中国を除く関係各国に派遣方針を伝達していた。


YAHOO! ニュース
中国、米艦に対抗措置=駆逐艦が「追尾・警告」―南シナ海の人工島沖進入
     10月27日(火)14時48分         時事通信
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20151027-00000078-jij-cn) 

 【北京時事】 南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国がスービ(中国名・渚碧)礁などに造成した人工島から12カイリ(約22キロ)以内に米海軍のイージス駆逐艦「ラッセン」が入ったことを受け、中国海軍の梁陽報道官は27日、海軍艦艇と航空兵力が「法に基づき、必要で合法な追尾、監視、警告を行なった」と対抗措置を取ったと明らかにした。

 中国外務省の陸慷報道局長は「米艦の行動は中国の主権、安全への脅威であり、地域の平和と安定を損なう」と批判し、「強烈な不満と断固たる反対」を表明した。

 ラッセンは現地時間の27日午前(日本時間同)に進入し、米CNNテレビによると、この日の内に作戦を終了した。中国国防省の楊宇軍報道官によれば、警告したのは中国海軍のミサイル駆逐艦「蘭州」と巡視艦「台州」。中国の張業遂外務次官がボーカス駐中国米大使を呼び、「極めて無責任」と厳しく抗議した。米軍は引続き派遣を繰返す構えと見られ、南シナ海を舞台にした米中関係緊迫化は必至だ。

 陸局長は、米艦が「中国政府の承諾なしに違法に中国の島・岩礁の近海に進入した」と非難。一方、人工島造成についても「自国領土内で行なっている建設活動は主権の範囲内だ」と主張し、元は暗礁だった人工島が主権の及ぶ「領海」を構成しないとする米国の主張に真向から反論した。

 陸局長は米国が「航行の自由」を名目にして、「中国の主権と安全を損なっている」と強く批判。「中国は領土主権と安全、合法で正当な海洋権益を断固守る。挑発を企む如何なる国家にも断固対応し、海空の状況への厳密な監視を継続し、あらゆる必要な措置を取る」と警告。対抗措置を続ける考えを示し、米側を牽制した。

 楊報道官も「米国が中国の反対を無視して、海空兵力を接近させたことは偶発的な事故を招きかねず、無責任なやり方だ」と非難。米中が両国軍用機の偶発的な衝突を避けるための行動規範に合意した直後に起きた今回の「挑発行為」が「相互の信頼を損ない、新型大国関係構築の努力に背くものだ」と訴え、再発防止を求めた。

 中国が実効支配する南シナ海の岩礁から12カイリ以内への米艦進入は2012年以来。中国は昨年以降、岩礁の埋立てと施設建設を加速させている。ラッセンは神奈川県横須賀市の米海軍横須賀基地を拠点とする。 


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プロフィール

日月の民草

Author:日月の民草
 ハンドルネーム666です。

五六七のミロクの代から六六六のミロクの世となるぞ。
六六六がマコトのミロクの世であるなれど、六六六では動きないぞ、
六六六は天地人の大和の姿であるなれど、動きがないからそのままでは弥栄せんのぢゃ、
666となり又六六六とならねばならんぞ、新しき世の姿、よく心得よ。
(五十黙示録 第二巻 碧玉之巻 第15帖)

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